エンリ・エモット
えんりえもっと
CV:M・A・O
データ(8巻終了時点)
役職 | 族長 |
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住居 | カルネ村エモット家 |
職業レベル | ファーマーLv1、サージェントLv1、コマンダーLv2、ジェネラルLv2 |
誕生日 | 中風月10日 |
趣味 | 農作業(と言うより村には他に楽しみがない) |
二つ名 | 新たなる族長 |
概要
異世界へ転移したアインズが、初めて接触した人物。年齢は16歳。
両親と妹のネムと共に、故郷のカルネ村で平和に暮らしていたが、村がバハルス帝国兵に偽装したスレイン法国兵に襲われた事で、全てが一変。
両親は殺され自身はネムと共に逃げるが、追い付かれて重傷を負わされ、そのまま殺されそうになった所を、アインズに助けられる。
そんな経緯もあり、命と村の恩人であるアインズには、強い恩義と尊敬の念を抱いている。
(なお、アインズが彼女を助けた理由は、この世界において自分の力がどこまで通用するかを確かめるための、言わば力試しが主なものだったが、なす術なく殺されようとしているエンリの姿が、ユグドラシルを始めたばかりの頃に流行っていた、異形種狩りと称してのPKに頻繁に遭っていた自分の姿と重なったためでもあった)
その後は、アインズから貰った『小鬼(ゴブリン)将軍の角笛』を使って召喚したゴブリン達を従わせ、村の復興と警護を手伝わせている。
再登場した書籍版8巻では、ゴブリン軍団の召喚主として彼等を取り纏めたり、村の戦力強化のためにオーガ達の支配者になったりと、最早「ただの村娘」を大きく逸脱した、彼女の奮闘記を見る事が出来る。
幼馴染みのンフィーレアからは恋心を抱かれているが、色恋沙汰に疎いために、長年気付いていなかった。しかし、8巻でンフィーレアから遂に告白され、めでたく恋人同士となる。
しかし付き合い始めて以降も、ンフィーレアの心中にも気付かず無邪気にじゃれついたり、その末に押し倒してしまってもキョトンとした表情で見下ろしていたりと、本当に彼を異性として意識しているのかどうか、怪しい場面が見受けられた。
11巻では、ンフィーレアと結婚した事が判明した。
ちなみに夫婦の営みに関しては、ンフィーレアを喜ばせようと色々勉強した結果、彼を搾りカス寸前に追い込むまでに、上達したらしい。
かつての純朴だったエンリは何処に。
村に頻繁にやって来るルプスレギナからは、《完全不可視化(パーフェクト・アンノウアブル)》の魔法を使われて驚かされるなど、よくからかわれているが、彼女の(表面上の)人当たりの良さには、好感を抱いている。
そのため、ルプスレギナの本性に薄々気付いているゴブリン達からの、「あの人は危険」という意見には、やや懐疑的。
人物像
自分よりも他人を思いやる、優しく朗らかな性格。長女として生まれたのもあってか、基本的に責任感の強いしっかり者である。
家族への愛情も深く、スレイン法国兵に襲撃された際は、体を張ってネムを守ろうとしていた。
襲撃事件以降は、「助けられるかもしれない人を見捨てるのは、加害者の片棒を担ぐのと似ている」、「弱者をいたぶるあいつら(法国兵)のようにはなりたくない」という信念を抱き、誰かが目の前で傷付いていれば、例え自分や村に危険が及ぶ恐れがあるとしても、可能な限り助けようとする。
角笛の力で召喚したゴブリン軍団からは「姐さん」と呼ばれ、ナザリックの面々がアインズに捧げている忠誠心と、ほぼ同等の忠誠を誓われているが、エンリにとってはゴブリン達は家族同然の存在であり、自分のために働いてくれる彼等に何をしてあげられるかを、常に考えている。そしてその温かみが、ゴブリン達との強固な絆と信頼関係を、形作っている。
その一方で、彼女だけに限った事では無いが、両親や村の仲間達を惨たらしく殺害した騎士達(スレイン法国の者だとは知らされていない模様)への憎悪が、心の奥底で燻り続けている様な描写があり、8巻では、殺意すら滲ませながら行き場の無い怒りをぶつける場面が見受けられた。
上述の通り元はただの村娘なため、8巻では角笛の価値が、最低でも金貨数千枚に及ぶ代物(なお、ユグドラシルではハズレアイテム扱いだったため、アインズはこの事を知らない)であると知った時は仰天し、ンフィーレアが、新たな治癒のポーションの開発に成功した事を祝しての食事会のために、当のンフィーレアやネムと共にナザリックに招かれた際は、その豪華絢爛さに終始気圧されていた。
強さ
少女ながら、農作業や採集などの肉体労働で鍛えられた腕力は中々に強く、カルネ村を襲撃した全身鎧(フルプレート)の兵士をタックルで怯ませたり、ゴブリン軍団のお陰で、食糧事情が大幅に改善された事で、以前よりも健康的な生活を送れる様になった現在は、包丁を刃が大きく欠ける程の力でまな板に叩き付けたりなど、男のンフィーレアよりも遥かに肉体派だったりする(実際、逞しく盛り上がった上腕二頭筋を作中で披露しており、腹筋も割れつつあるとの事)。
8巻では、村を率いる者として先代から村長の座を譲られ、皆の助けを借りながらも村を襲うモンスターを撃退するなど、リーダーとしての片鱗を見せてゆく。
そして9巻で、バルブロ率いる王国軍が村を襲った際に、『小鬼将軍の角笛』の真の効果を引き出す事に成功、5000を超えるゴブリンの軍団を召喚し、軍を撃退する。
新たに加わったゴブリン達からもまた、絶対の忠誠を向けられており、「エンリ将軍閣下」と呼ばれている。
指揮官としての才覚はクラスにも表れており、実戦を経て、『サージェント』や『ジェネラル』などの指揮官系クラスに覚醒、無自覚の内にそれらのスキルを行使して、戦果を挙げている(アニメでは悪霊犬(バーゲスト)との戦闘における指示や、オーガを従えるための一喝の声に、エフェクトがかけられる形で表れている)。
なお、9巻で召喚したゴブリンの中には高レベルのレッドキャップもおり、王国のみならず、帝国の全軍を殲滅できる程の勢力となっている。
アインズとの類似点
ナザリック地下大墳墓の異形集団を纏め上げる、超越者(オーバーロード)であるアインズと、単なる人間の娘であるエンリとは、何もかもが正反対に思えるが、「いきなり崇められて、凄く偉い振りをしないといけなかったり、行った事もない場所でやった事もない仕事をいくつもやらないといけない」(8巻におけるエンリの台詞から)という共通点があり、実は、非常に似通った立場に置かれている者同士だったりする。
ちなみにエンリの、「(上述の様な存在は)世界で自分だけなのでは?」という台詞に対してンフィーレアは、「世界中探せばきっともう一人くらいいる」と返していたが、まさかそのもう一人が自分達の命の恩人とは、両者とも夢にも思わないであろう。
WEB版
アインズに命を救われ、角笛を与えられるのは書籍版と同様。
以降は自衛と成り行きから、ゴブリンに加えてオーガをも従える事になり、それと言葉を交わした冒険者の証言に尾ひれが付いていき、『血塗れ』の二つ名を持つ凄腕傭兵として、噂される事になってしまう。
ちなみに再登場したのは外伝で、書籍版と比べると出番が少なく、重要人物という程でも無くなっている。
混沌獣によって村が襲撃され、村民を逃がすため奮闘する。
多くの村人が犠牲になる中、少なくない人数が主人公達や陽光聖典によって助け出されるも、大森林の中に逃げ込んだ後も彼女は、負傷した村人を守るべく自ら囮となり、そのまま行方不明となってしまった。引きちぎられた片腕だけを残して……
そしてエンリを襲った悲劇は、彼女を想うンフィーレアの今後を、大きく変えてしまう事となる。
上述の事情のため、ゲーム内で実装されているのは、書籍版の方の彼女。バトル中はゴブリンの後ろに控え、指示出しやバフなどを行う。
マイページにおける会話の内容も、書籍版で起きた事を前提とした台詞となっている。
余談になるが、書籍版ではWEB版との違いを出すべく、当初はエンリを殺すつもりだったと書籍版1巻の雑感で作者が語っており、上述の悲劇はその描かれなかった展開を、反映した結果だと思われる。
もっとも、見付かったのは片腕だけで死体は未発見なため、まだ希望はあるとも言えるかもしれないが…。
関連タグ
- アインズ・ウール・ゴウン…自分と妹のみならず、村の危機を救ってくれた救世主。
- ネム・エモット…妹で唯一の肉親。また我儘を言える様になって欲しい。
- ンフィーレア・バレアレ…自分には勿体無い程の友人。そして後の夫。