生物学的概要
哺乳綱食肉目レッサーパンダ科(日本では従来のアライグマ科に分類される事が多い。また、ワシントン条約ではクマ科に分類されている)の哺乳動物。外見は大きなネコに似ており、鼻先の短いアライグマにも見える。赤褐色の体毛とリング状の模様が入ったふさふさした尾が特徴的。
生息地が寒冷地域のため寒さには比較的強い。
ジャイアントパンダ同様笹や竹の葉を食べるが、本種はより雑食傾向が強く野生では鳥の卵や昆虫も食べる。
飼育下では竹の葉や果物の他に、野菜やドッグフード、煮干しなども与えることがある。
結構甘いものが好きで、日本の動物園ではりんごを喜んで食べる個体が多い。
寿命は野生では10年くらいまで、飼育下では14〜22歳ごろまで生きる。
基本的に単独生活で、子育てもメスが独力で行う。
「パンダ」の名称について
“パンダ”の名称は元々この動物につけられたモノである。ネパール語で「竹を食べる生きもの」を意味する「ネガリャ・ポニャ」の「ポニャ」が転化したという説が一般的。
後にジャイアントパンダが西洋に知られるようになると、単にパンダと言えばジャイアントパンダを指すようになり、ジャイアントに対して「小さなパンダ」と言う事でレッサーパンダと呼ばれるようになった。
英語圏ではレッサー(Lesser)の語に差別的な意味合いが含まれるということで、美しい赤褐色の毛並みに因んで「Red Panda」と呼ぶ事が多い。またチベット語由来の「Wah」と言う名称で呼ばれることもある。
主な亜種
- シセンレッサーパンダ(メイン画像)
- ニシレッサーパンダ
pixivでは
千葉県の動物園で飼育されている、二本足で立ち上がる「風太」(ふうた)が2005年頃にニュースで取り上げられ、全国的に有名になった事から、二本足で愛嬌を振りまく描写がよく描かれる。
「風太くん」とその後の世代の有名な個体について
風太は2005年頃にニュースで取り上げられ、全国的に有名になったレッサーパンダの個体である。その性別は雄。二本足で立ち上がる姿は、ブームから15年以上経った現在でも、偶にレッサーパンダの参考資料なり、2005年の世相を示す映像として見かける機会は多い。
「風太」はその後、多くの子に恵まれ、一族を繁栄させた。彼が起こしたレッサーパンダブームから16年後の2021年には玄孫(孫の孫)もいる「大じいちゃん」となっている。
実はレッサーパンダは「風太」に限らず、もともと普通に二本足で立つ生き物である。「風太」が特に有名になったのは、他のレッサーパンダより長時間立ち続け、歩いたりすることが多かったからだとか。
日本テレビ2019年4月30日放送の「情報ライブミヤネ屋」で「風太」の現在が放送された。年老いてきて二本足で立つことは減り、子孫達にその習性が受け継がれているとのこと。それから更に二年後の2021年現在では、加齢による老いで立たなくなったとの事。
また、老いによって発病した白内障で片目を失明しているが、本人は元気に暮らしているという。
2021年現在、「風太」の子孫は全国各地に散っており、その中で最も若い世代の子孫が山口県の動物園に三頭ほどいる。しかし、彼の子たちがその次の世代(孫世代)を残せずに死を迎えるケースも年月の経過で生じてきており、その血統は先細り傾向にある。
なお、彼とは縁もゆかりもないが、近年は多摩の動物園にいる「フランケン」という、カナダからやってきた個体が人気を博した。彼の血統が台頭し、日本のレッサーパンダ界において、一定の版図を築いている。例として、愛知県内の動物園で美人レッサーパンダと評判の「リーファ」は彼の娘である。