概要
らき☆すたのヒットを機にアニメでの聖地巡礼が活発化したが、あくまでファンによる認定が強く、巡礼しても実際何もなかったり、トラブルの要因になったりしていた。この問題を解決するため関連団体によってアニメツーリズム協会が結成され、協会から本事業の認定を受けることで聖地巡礼を後押しすることが狙いである。
聖地認定基準
「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」選定基準は以下の通りである。
- 「アニメ聖地88」の選定は国内外のアニメファンを対象とした投票結果をもとに、権利者、+地方自治体等との協議を協会事務局が行い、その結果を基に理事会で総合的に判断し決定する。
- 「アニメ聖地88」候補は作品の舞台、モデルとしてファンに一定の認知を得ていることを前提とする。また施設・イベントも対象とする。
- 自治体、作品権利者相互の理解を前提に、観光による振興が可能な地域・作品 を選定する。
- 映像作品を中心とするが、コンテンツの種別はファンの支持、権利者の意向に沿って柔軟に対応する。
- 作品の優劣を示す目的ではないので順位付けや番号付けは行わない。
- 「アニメ聖地88」は年毎に更新し年末までに年版を発表し、翌年1月から12月までを運用期間とする。
選定の注意点
聖地認定基準の内容でわかる通り、毎年アニメファンを対象とした投票結果をもとに権利者や自治体等との協議を事務局ったうえで理事会の判断で決定している。そのため、本記事で記している基準とは異なる。
- 多数投票された作品でも権利者が同意しなければ選定されない。ここでいう権利者とは原作者だけでなく出版社・制作会社・製作委員会も含まれ、これらすべての同意が必要である。けいおん!は原作者、スタジオジブリは全作品が制作会社の意向で選定されておらず、ヨスガノソラも年齢制限を理由に製作委員会が自粛を行なっている。
- 権利者が認めても自治体が受け入れないケースもある。例としてTARITARIでは鎌倉市と藤沢市が舞台地であるが、鎌倉市が同意しなかったため選定自治体は藤沢市のみとなっている。
- 選定作品にKADOKAWA関連作品が多いが、これは協会の主管がKADOKAWAで、一定の投票が入れば先述の権利者の問題はほぼクリアされるため、結果的に多数選定されている。
- 投票および権利者・自治体の認可があれば複数自治体に跨り選定されることがある。たとえば艦隊これくしょんは全国5箇所、おへんろ。は四国の県庁所在地すべてで認定されている。
- 年単位で改定が行われており、投票数が基準に達しなかったり、権利者や自治体の意向の変化により、選定されなくなる場合がある。例えば君の名は。は2018年は選定されたが2019年以降は選定されておらず、2019年までガーリッシュナンバーとミス・モノクロームが選定されていた山形県尾花沢市は2020年以降は選定されていない。このことから1度選定されれば恒久的に選ばれるというわけではなく、毎年きちんと見直しや認可が行われている。
- 同じ作品でも選定される自治体が変わる例もある。デジモンアドベンチャーがそれで、2019年に初めて選定された時は東京都練馬区であったが、2020年(および自動継続となった2021年)では練馬区が外され、代わりに東京都港区が選定されている。さらに2022年は港区が外され練馬区が再び選定されている。デジモンアドベンチャーは2022年時点で「選定された自治体が異なる」および「一度選外になった自治体が再び選定された」唯一の例となっている。
- 著名な漫画家や作者とゆかりのある美術館や博物館、アニメイベントが含まれている。2018年は作品と一緒に記載されていたが、2019年以降は「施設・イベント別認定」に区分けされている。
上記の通りあくまでアニメツーリズム協会の指標で決めており、権利者や自治体などの利害関係も絡んでくる。よって選定されないからといって聖地巡礼やご当地アニメとしての評価が落ちるわけではないので、その点は留意していただきたい。