冨樫義博
とがしよしひろ
人物
教育学部出身と学問として学んだ美術の才で美術教師を目指すも、あがり症から自身で向いていないと見切りをつけ教え子と直接対面しない漫画家を目指す。
『幽☆遊☆白書』『HUNTER×HUNTER』という、少年漫画界を代表する超ヒット作を2本世に送り出した類稀な漫画家である。
なお、冨樫の「冨」は、「ワカンムリ」の「冨樫」であって「ウカンムリ」の「富樫」ではないので注意。
作風
善悪の区別の無いキャラクター像と予測不能の展開、複雑な心理描写や感情表現などに定評がある。絵柄は基本的に優しい絵だが、繊細だったり雑だったり、リアルだったりグロテスクだったりと変幻自在。安定感には欠ける。
冨樫仕事しろ
現在は週刊少年ジャンプで「HUNTER×HUNTER」が連載中だが、2007年45号からの連載再開まで1年半もの間休載していたことからよくネタにされる。復帰すると10連続掲載を行い、また休載期間に入り、また10週連続掲載という独特のスタイルをとっている。雑誌掲載時の絵がラフ絵のまま掲載される場合もあり、その態度を批判されることも。
現在では休載の多さそのものがネタになっており、「HUNTER×HUNTER」の連載再開時にはネット上などで騒ぎになるなんてこともしばしば。
勿論デビュー当時からこうだったわけではなく、『てんで性悪キューピッド』を連載している頃までは普通に週刊の仕事をこなしており、『幽☆遊☆白書』でも休載はほとんどなかった。しかし、終盤には作画が現在のようなラフ絵気味の状態が増えてはきたもののとりあえず毎週載っていたのである。『HUNTER×HUNTER』の連載が始まってから時が経つにつれ休載が増え始めるが、年に数話という更新ではあるものの連載が続いている。散々休んでも切られないのは現在それなりのキャリアと売れ行き故のことなので、絶対真似してはいけない。
もっとも2014年夏に再開して結局休載となってしまった際は重度の腰痛(による執筆不能)が原因との公式発表があった。長時間同じ姿勢で仕事をする漫画家の職業病とはいえ、新沢基栄のような事例もあるので、改善が見られないようならば、週刊連載の継続はもはや困難を極めるかもしれない。そのため同時期に連載の始まったONEPIECEとは違うベクトルで完結が危ぶまれている。
真偽のほどは定かでないが、精神的に漫画と向き合う事ができなくなる病(新型鬱病/適応障害)を発症したことの噂がある。漫画家等のクリエイターは精神を病みやすい職と言われており、一度発症すると今までの執筆ペースに戻すのは難しいとされる。多忙による睡眠不足などの心労が重なったとも。
(そもそも週間連載は「健康より原稿」と言われるほどスケジュールがキツく、鳥山明は睡眠時間が三日に一回だった等漫画家の健康を害しかねない過酷なエピソードは多い。)
アシスタントを多く雇えば解決するのではという提案も多くあるが、なるべく自分で全部こなしたいというこだわりがあるとも。(「幽白」時代には幾つかの話を一人で描いていたというエピソードもある。)
「ネットゲームにはまりすぎて仕事をしていない」というネタ半分の定説がファンの間ではまかり通っているが、漫画家が休暇中にゲームばかりすることは珍しくなく、むしろ通常営業である。そのネタを踏まえたpixivでの下記のような作品も多い。
引退疑惑?
2018年1月の『北斗の拳イチゴ味』9巻の巻末インタビュー記事に、冨樫氏が寄稿。
……が、その末尾に――
東京都在住(無職) 冨樫義博
という衝撃の記述が発見された。
漫画家であれば、あくまで職業欄に「漫画家」なり「作家」なりと書くものだが、なぜか無職の二文字が記されている。
ファンの間でも物議をかもしており、「ただの自虐ネタ」と「本気で漫画家をやめた」で見解が割れている。
とはいえ、2018年から【休載率:100%】が持続している状況もあり、これを単なるギャグと受け取って流すにはファンとしては不安が拭えないのも事実である。
はたして冨樫先生は、いつ戻ってくるのか。そして「無職」はネタなのか本気なのか、真相の解明が待たれる。