弓道
きゅうどう
解説
起源は武士社会の勃興からと、剣道以上に古くからその礎が築かれている。
特に鎌倉時代以降、弓術は武士の重要な武芸の一つとされ、後に中国からの儒教・朱子学などの礼節を重んじる精神を取り込んでいき、太平の世となった江戸時代に入ると、本格的に武道として形成されていった。
和弓を使って矢を放ち、遠く離れた的に命中させて本数を競う。これはあくまでも試合での内容で、級や段を取るときは、射形の美しさと筆記試験によって左右される。ただし、高段位ともなると、的中も重要視される。
実際には射形が整っていれば的中率の高さに正比例するので、射形は綺麗なのに当らないということは、どこかしら至らない点がある。
またこうした所作を重んじる性質から、武道の中では剣道などよりも礼儀や着付けなどをはじめとした作法に厳しい一面がある。
事故率に関して
柔道と同じくらい、部活動での事故は多く死亡率が高い。
特に誤射や流れ矢での事故が多く、練習用の矢と言えど人の頭蓋骨を貫通できる威力は十二分にあるため、射場の付近を通る際にはくれぐれも注意しておきたい。特に的場は矢の回収の際は射場への声掛けや旗(赤旗)の掲示で合図する事が必須となる。
命が助かったとしても、腱や筋肉に大ダメージが残るため、その後の生活に支障をきたす可能性が大いにある。
また、的場を越えてしまう事もある為防護フェンスやネットで囲う等、安全面には徹底した対策をとられている。
弓を引くまでの厳しさ
弓道の基礎練習はかなり長く、手の内や縦線といった一生かけて身に着ける技術を、一応の合格点をもらうまでにも長い時間がかかる。このため、学生弓道では大体7月から8月辺りに的前に立てるようになるが、それまでに辞めてしまう人がけっこういる。
また、和弓は腕だけで引くのではなく身体全体で引く事が重視(というか和弓の構造上そうなる)される。
わかりやすいのはアーチェリーが顔の横まで弦を引くのに対して和弓は耳の後ろ辺りまで引くのが特徴。
女性のみ胸当てを付けているが、これは射る際に弦から矢が離れた衝撃で弦が胸部に当たるダメージから守る為。なお、胸部に弦が当たると男性でも凄く痛いが(これは射る過程の型が悪いと起きる)、女性の場合はそれ以上に急所に等しい部位である為である。
創作物において
大別して「スポーツ」の一種であるため、弓道部所属(部活キャラ)として学園モノなどへの登場が主。
明治以降に成立した経緯から、ほぼ現代劇にのみ登場する。
社会人人口が多いため、他のスポーツと比べて学園モノ以外での登場頻度は高めだが、弓道を中心にした作品は指で数える程度しかない。