カードテキスト
このカードのコントローラーはお互いのスタンバイフェイズ毎に700LPを払う。
700LP払えない場合このカードを破壊する。
(1):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、
フィールドの全ての魔法カードの効果は無効化される。
エラッタ前
このカードがフィールド上に存在する限り、
フィールド上の魔法カードの効果を無効にする。
このカードのコントローラーは自分のスタンバイフェイズ毎に700ライフポイントを払う。
または、700ライフポイント払わずにこのカードを破壊する。
概要
遊戯王OCGに登場する「王宮」と名の付く永続罠カードの1つ。
これ1枚であらゆるフィールド上の魔法カードをまとめて無効にする効果を持つ。
この1文だけでも単純にして強力な効果である事は想像に難くないだろう。
同じく特定の種類のカードをまとめて無効にする永続罠には王宮のお触れやスキルドレインが存在し、あちらと比べると毎ターンライフコストを払わなければならないためこのカードの方が扱いにくいように見える。一見すると。
しかし、当初は「ライフコストを払わなければ自壊する」という点を逆に利用し、相手が魔法カードを使いたい時だけこのカードで無効にし、自分が魔法カードを使いたいときにはわざとライフコストを払わずに自壊させるというあまりにも理不尽な事が可能であった。
そのため2004年3月に禁止カードのルールが適用されるとサンダー・ボルト等と並んで即座に禁止カードに指定される。
なお、このカードは当時の罠カードの中でこの時禁止カードになった唯一のカードであった。
そして長きに渡って(テキストが変更されない限り)何があっても禁止カードから復帰しないであろうカードの1枚として挙げられていたこのカードであったが、2017年1月にエラッタ(カードテキストの変更)と共に制限カードに復帰。
この時のエラッタによって「自分のターンだけでなく相手ターンにもスタンバイフェイズに維持コストが必要になる(実質的に維持コストが2倍に)」「自分のライフポイントが700ポイント以上ある場合には必ずライフコストを支払わなければならない(わざとライフコストを支払わずに自壊させるという事が不可能になったばかりか、700ポイント以上なのでライフポイントが700ポイントぴったりなら全部支払わされてその場で強制敗北となるようになった)」という重い制約を付けられた。
現在ではこのカードを場から離して魔法カードを使いたい場合、別途このカードを場から放す手段を用意する必要がある。
効果ではなくコストでこのカードを場から放しつつ(墓地に送られた時点でこのカードの効果は適用されないため効果も無効にならない)、カードを2枚ドローできるマジック・プランターや維持コストで失ったライフポイントを回復で補える非常食等とは相性がいい。
しかし、同様にエラッタによって禁止カードの指定を解除されたカードの多くがかつてほどの活躍を見せずに無制限カードにまで降格されていく中、既に場に出ているフィールド魔法に永続魔法、更には禁止カードとなっていた間に登場したペンデュラムモンスターのペンデュラム効果等もまとめて無効にできるのは強力と評価されているのか、このカードは長い間制限カードに留まっている。
エラッタを受けたこのカードが、2022/02/07に海外で再び禁止カード行きとなったことからも伺える。
アニメでは
アニメ遊戯王DMではビッグ5の一人である大門が使用。人造人間-サイコ・ショッカーのデッキマスター能力(相手フィールド上の罠カードだけ効果を無効にして破壊する)と組み合わせて魔法カードと罠カードを共に無効にし、お注射天使リリーと併せて場を制圧しつつ膨大なライフコストをライフ回復カードで補う戦術を披露した。
しかし、お注射天使リリーの効果発動を余儀なくされてライフコストを予想以上に払わされてしまい、止む無くこのカードを自壊させることになった。
その後レベッカ・ホプキンスも使用。相手のサイクロンにチェーンしてこのカードを使い更にこのカードにチェーンして速攻魔法を発動する、自分が魔法カードを使う前にわざとこのカードのライフコストを払わずに自壊させるなど、エラッタ前のこのカードの使い方としてはお手本のような戦術を披露し、相手の魔法カードを無効にしつつ自分だけ魔法カードの効果を通してデュエルを有利に運んだ。
それから時は流れ、このカードのエラッタを経た2018年、遊戯王VRAINSにおいてリボルバーが使用。彼に関しては前例があるとはいえ、専用のフィールド魔法も採用するヴァレットでこのカードを使うとは……という声もある様子。