概要
暗視スコープのような目元やガスマスクのような口元など不気味な見た目をしている。
原作ではエスパー絽場が初使用。その後、城之内克也にアンティ(相手への報酬)として渡され、彼のエースモンスターとして数多くの活躍を見せている。
攻撃名は「電脳エナジーショック」または「サイキック・ウェーブ」。
モンスター効果発動の名称は「トラップ・サーチ」、アニメでは「トラップ・クラッシュ」とも言われている。
カードゲームには2000年9月発売の『Curse of Anubis -アヌビスの呪い-』から収録。
OCGのカード性能
カードテキスト
効果モンスター
星6/闇属性/機械族/攻2400/守1500
(1):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いにフィールドの罠カードの効果を発動できず、フィールドの罠カードの効果は無効化される。
解説
フィールド上に表側表示で存在する限り、お互いの罠カードの発動を封じ、効果も無効にする。
同様の効果を持つ罠カード王宮のお触れを内蔵したようなモンスターだが、表側表示で召喚された瞬間からこの効果が有効となり、この時代の上級~最上級モンスターの弱点であった「召喚した瞬間に落とし穴や奈落の落とし穴で除去される」という最悪のケースに対して擬似的な耐性になる点も当時としては破格であった。
ただし、罠に対して完全に無敵というわけではなく、神の宣告や昇天の角笛のような「相手の召喚行為自体を無効にできる」カードによる破壊だけは防げず、効果モンスターの効果が無効になるようなカード(スキルドレインなど)を先んじて使われている時も同様である。
対戦環境における歴史
2000年9月に発売された第二期第三弾の拡張パックというかなり初期のカードでありながら、
- 生贄(現在のリリース)1体でも高い攻撃力
- 守備力1500=《黒き森のウィッチ》のサーチに対応
- フィニッシャーになりうる強力なモンスター効果
という三拍子が揃っている。
それだけでなく、自分の罠も無効化することを悪用できてしまうのも強すぎた。一例として、本来足枷になるはずの《リビングデッドの呼び声》で蘇生、サイコ・ショッカーの効果で効果無効となり、デメリット効果は踏み倒せてしまう。このように初期から非常に強力なコンボを備えていたため、瞬く間に人気カードとなり、発売から2ヶ月後の同年11月1日に速攻で制限カード指定を受けている。
実際、当時の環境では生贄1体で召喚できるレベル6モンスターの最大攻撃力はデーモンの召喚の2500だったが、あちらはあくまで効果無しの通常モンスターである。それを考えると、強力な効果を備えていながら攻撃力2400というのは破格中の破格。
以後長い間、「生贄1体で召喚でき、メリット効果を持つモンスターの攻撃力は2400まで」というプレイヤーの間では広く知られた「2400ライン」の筆頭格として君臨し続けた。
大会等でも初期環境から大暴れしており、一時は「禁止カード入りするのでは」とも言われたのだが、長い年月のうちに後発カードによって環境が変化していき、
- 手が遅くなる罠カードはできるだけ絞る
- 手札・場の枚数差を稼ぎやすいモンスターが主軸
- 相手の上級モンスターは除去カードで1:1交換する(=こちらの消耗を抑える)
以上を主眼に置いてアドバンテージを稼いでいくという、グッドスタッフ的なデッキ構築が流行するようになると、枚数差をカバー出来るor特定条件で無償召喚できる効果を持たない上級モンスター達は形見が狭くなり、徐々に必須級カードしての存在感は薄れていった。
そんな背景もあって2007年9月1日の制限改定において準制限カードへ、さらに環境のインフレが進んだ2008年3月1日の改定では制限解除されている。
前述の2400ラインに関しても、シンクロモンスターの登場から早々に、レベル6の攻撃力2600モンスターが登場した他、レベル6で攻撃力2800+有用な効果持ちというとんでもないヤツが現れた事で同時期に実質的に形骸化している。
こうして「どのデッキにも入りうるカード」というポジションからは転落したものの、闇属性や機械族を中心としたデッキでエースとして投入されたり、強力なメタ効果が環境デッキに刺さる事があり、サイドデッキに起用される場合もある。
「帝王の烈旋」などの一部のアドバンス召喚サポートや、ペンデュラム召喚との相性も悪くない。
専用サポートなども充実しているので、今でも特化した構築を組む価値があり、しかるべき状況では強力な切り札となる実力は持っている。
11期に入ると7種類の新規カードを得る。
罠カードの採用率は一周回って増えたとはいえ、永続効果で罠を無効にするだけでは現代遊戯王においては未だ力不足であり、オルターガイストやエルドリッチ、はたまたは蟲惑魔やラビュリンスを相手してもモンスター効果や戦闘破壊で処理されてしまうため、それらをカバーするデッキ構築やプレイングが求められる。
関連カード
罠・魔法無効化関係
原作・アニメでの活躍
原作・遊戯王DM
概要に書いた通り、バトルシティ編でエスパー絽場が使用した彼のサイキックデッキにおける切り札。
能力値は低めながらも相手の行動を妨害・封殺して戦う傾向の強い絽場のデッキにおけるフィニッシャーで、城之内戦では城之内のモンスターのコントロールを奪って生贄召喚された。その高いステータスとトラップ破壊効果で城之内を苦しめたものの、最終的に「ルーレット・スパイダー」によって魔鏡導士リフレクト・バウンダーと同士討ちさせられたことで敗北した。
その後、アンティ・ルールで城之内へと渡り、以後は真紅眼の黒竜を欠いた彼のデッキの戦力を補うエースモンスターとなり、度々相手の張り巡らせた罠カードによるコンボを崩す活躍を見せている。
もっとも、その後除去されてしまうのもお約束だが。
また、アニメ「遊戯王DM」では乃亜編においてビッグ5の一人大門のデッキマスターとしても登場。「相手の罠カードだけを無効にして破壊する」という強力なデッキマスター能力を持っていた。しかも、一発でデッキマスター能力を察せられると思ってか、海馬に敢えてカードをセットするまで正体を隠していた。
遊戯王R
メンド・シーノ戦で伝説のフィッシャーマンとランドスターの剣士を生け贄に捧げて召喚した。
一度は「デスサイズ・キラー」の攻撃で破壊されるも、「右手に盾を左手に剣を」と「時の機械―タイム・マシーン」のコンボでカウンター攻撃して「デスサイズ・キラー」を破壊し、見事に城之内に勝利を導いた。
遊戯王GX
このモンスターの精霊が登場。他にも丸藤翔が下級生とデュエルした際に下級生が使用していたり、サイバー・ドラゴン関連のカードを使用するサイバー流に対してこのカードの関連カードを使用するサイコ流の継承者を名乗る猪爪誠が登場するなど、原作漫画・アニメで「強力なレアカード」とされているカードの中では珍しく使用者の多いカードである。
補足
原作では後述のOCG版とはステータスや効果などが異なる点が多い。
作中の効果は以下のように明記されていた。
●このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動する。相手フィールドの罠カードを(表示形式を問わず)全て破壊する。
●このカードが表側表示でフィールドに存在する限り、相手は罠カードを発動できない。
原作ではレベル7=生贄モンスターは2体必要だが、OCG版ではレベル6=生贄モンスターは1体である。
また、効果の方も原作では「場に伏せられているのが罠カードだった場合、その場で破壊する」というOCG版よりも強烈な効果になっており、サイコ・ショッカーに破壊されない=魔法カードという準ピーピング的な利用も出来得るものであった。
アニメ版ではレベルがOCGに合わせて6に低下しているが、効果については「DM」時代は表現がまちまちで、原作通りの効果の回もあるが、後半のエピソードではOCG効果になっている回もある。
加えて、前述の絽場戦においてアニオリ展開があり、城之内が時の魔術師の効果を使用するも、サイコ・ショッカーは劣化しない特殊装甲を装着しているために1000年の時が流れても弱体化・破壊されない…という隠し耐性を発揮したシーンもある。
『GX』以降では完全にOCGと同じ効果になっており、ここまでに述べたような特殊な扱いは無い。
余談
- このカードの英語表記版は「Jinzo」。かなり似た名前である効果モンスター「人造人間7号」の英語表記版である「Jinzo#7」があるにもかかわらず、この表記なのは、サイコの部分が精神疾患(Psycho)を表すスラングとなるため、これを考慮したためと考えられる。
- ちなみに人造人間サイコ・ロード、人造人間サイコ・リターナーの英語版も、同じく”サイコ”の部分が削られた表記となっている。
- 大して機械らしくない見た目なのに機械族なのは、当時の遊戯王にはサイキック族がなかったのが原因。
ラッシュデュエル
『遊戯王ラッシュデュエル』では、『デッキ改造パック 宿命のパワーデストラクション!!』にて登場。「LEGENDカード」というデッキに1種類1枚しか入れられない(後に、モンスターカード・魔法カード・罠カードのそれぞれで1種類1枚ずつにルール変更された)特別枠で実装された。
「ダーク・リベレイション」を始め厄介な罠カードは多く、それらを封殺できるのは強力である。
ただし、現在のラッシュデュエルでは罠カード以外で相手ターンに干渉する手段が無いため、守りが手薄になりやすい点には注意したい。
- カードテキスト・ステータス
LEGEND
ATK 2400/DEF 1500
闇属性
レベル6
機械族/効果
【条件】なし
【永続効果】お互いは罠カードを発動できず、お互いの罠カードの効果は無効化される。
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