概要
禁止カード制定から長らく禁止カード指定されていたが、2017年に2度目のエラッタを行った上で制限カードになった。
カードテキスト
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1100/守1200
このカードが墓地におかれた時、
自分のデッキから守備力1500以下のモンスターを1枚手札に加え、デッキを切り直す。
↓
エラッタ後
このカードがフィールド上から墓地に送られた時、
自分のデッキから守備力1500以下のモンスター1体を選択し、
お互いに確認して手札に加える。その後デッキをシャッフルする。
↓
エラッタ後
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。
デッキから守備力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
このターン、自分はこの効果で手札に加えたカード及びその同名カードの発動ができない。
その強さ
ステータス自体は低めだが、そのサーチ効果の条件の緩さと範囲の広さが売り。
攻撃力が高い故に相方のクリッターではサーチできない人造人間-サイコ・ショッカーやデーモンの召喚といった上級モンスター、あるいはヂェミナイ・エルフやブラッド・ヴォルスのような守備力が低めの下級アタッカーのサーチに使われた。
もちろん、聖なる魔術師のようなステータスの低い効果モンスターもサーチできるため、はっきり言って「守備力1500以下」とはあってないような制限だったのである。
なお、制限が緩かった時期はキャノン・ソルジャーやクリッターと組んでエクゾディアの召喚を狙うデッキが猛威を振るった。
最初期のテキストでは、手札から墓地に送られても効果を発揮できる上に、このカードを手札から墓地へ送る手段として強力なドロー効果を併せ持つ天使の施しが使用できたため、最速で勝利することができた。そのため、クリッターと共にテキストが改訂され、フィールドに限定されている。
が、それでも強かった。
禁止指定と解除
そのため、2004年に禁止カードに指定されて以来、長い間規制され続けていた。
だが、2017年4月1日に先んじて解除されていた相方のクリッターに合わせたエラッタを伴う事で制限カードとなった。
エラッタ後はサーチしたモンスターを即座に発動できない制限が設けられたが、召喚・特殊召喚は行えるため、アタッカーとしてなら問題なく使える。
タイミングを逃す心配は無いため、コストやシンクロ素材・リンク素材などで能動的に利用して行きたい所。
なお、エクシーズ素材にした場合は効果を発動できないので、その点は忘れないように注意したい。
また、2018年にキャノン・ソルジャーが禁止カードとなったため、このカードの効果によるサーチなどができなくなっている。
アニメでは
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』では、「遊戯vsレベッカ」戦のレベッカを皮切りに多くのデュエリストが使用している。
最後の戦いである「遊戯vsアテム」戦でも、遊戯がこのカードを生贄にデーモンの召喚を召喚し、効果によってマシュマロンを手札に加えている。
だが、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』以降は現実で禁止カードに制定されていた上に、キャラの使うデッキもテーマ性を重視するようになったため、デュエルで出てくる事は無くなった。
イラスト
どことなく儚げなイラストで、最初期のモンスターながら人気も高い。
色を替えた同様のデザインモンスターに、融合召喚で素材の代理にできる「心眼の女神」がいる。
音楽家の帝王
同時期に登場したハイ・プリーステス(こちらも人気が高く、何度かリメイクされている)と融合する事で「音楽家の帝王」という融合モンスターを召喚する事が出来る。
融合素材の解釈には様々なものがあるため、彼女らが「音楽家の帝王」のライブに行ったのだろう。
クリッチー
また、他にも相方のクリッターと融合することで「クリッチー」というモンスターを召喚する事も出来る。
こちらは人間に近い体型になったクリッターが、黒き森のウィッチのコスプレをしているかのようなイラストである。
上記融合モンスターの実用性
長年黒き森のウィッチが禁止カードになっていたため、これらの融合モンスターを召喚するためには上記の心眼の女神などを代用するしかなく、ステータスの関係上実戦的にはその必要性も薄い。
それでも、音楽家の帝王の方は「簡易融合」「簡素融合」1枚で融合素材が無くても融合召喚できるため、
シンクロ召喚やエクシーズ召喚のサポートにという形で利用できる。
特にこのカードはセイクリッド・プレアデスやアーカナイト・マジシャンといったモンスターの素材の縛りに合致してもいるため、こういった初期の融合モンスターの中ではまだマシな立場にあると言える。
一方でクリッチーは、E・HEROプリズマーの効果で見せることでクリッターをデッキから墓地に落として「リミット・リバース」や「ダーク・バースト」で使い回すことでサーチ効果を何度も使用したりといった方法で活用できなくもなかった。クリッターを活用するためのカードとしての利用価値があったのである。
しかし、もう一方の融合素材であるクリッターも禁止カードとなる。
そのため利用価値が無くなった上に、融合召喚する方法も無くなってしまった(心眼の女神などを代用する場合でも融合素材の一方は正規の融合素材である必要があるため)。
その後、クリッターが2度目のエラッタ(カードテキストの変更)付きで制限カードとなり、クリッチーにも再び上記の利用価値が生まれる。
更にはプリズマーとほぼ同様の条件で融合素材に指定されたモンスターを手札に加えることができる「融合準備」「融合徴兵」という魔法・罠カードもこの間の期間に登場している。
余談
アニメ「遊戯王5D's」ではボルガーが会社の融資を受ける交渉で担保として提示したカードの1枚としてこのカードの初版が登場している。
世界に1枚しか存在しないブラックフェザー・ドラゴンと比べて価値が劣るとして融資は断られてしまったが、アニメの世界でもこのカードが高い人気を誇っていることが窺える。