概要
『Dead by Daylight』に登場するキラー(殺人鬼)の一人。
2017年5月12日にリリースされたDLC『Chapter IV: "Spark of Madness"』にて追加された。
呼称の意味は「医者」「博士」。
開発当初は後述のモデルもあってか名前を「Mu Yi(ムー・イー)」という中国系キラーにしようとも考えていたとのこと。因みに漢字表記は「無李」で、意味は「意味なし」「正義なし」となる。
人物
プロフィール
本名 | ハーマン・カーター(Herman Carter) |
---|---|
性別 | 男 |
出身地 | アメリカ(アフリカ系アメリカ人) |
声優 | Alex Lin |
左腕に電撃を溜めこみ、生存者の正気を奪う殺人鬼。
ノースリーブの白衣だったものを羽織り、所々に管という管を身体中に繋げた見た目からして狂気の塊の様な男。極めつけは開口機と開瞼器で口と眼をガン開きにしており、カラカラに乾いた皮膚からは常に電撃を発している。
背景
心理学者として
産まれながらの天才ハーマン・カーターは、幼い頃より人間の精神に対する凄まじい探究心を持っていた。人間の「脳」という力強いモノを分析・解体する事を目指し、そのための学を得ることに熱中した。高校時代にはその優秀な成績から心理学の学報「パルチザン」にも取り上げられ、翌年にはイェール大学の先進神経科学プログラム(実際はCIAの窓口)に参加、学会でも一目置かれる心理学博士となった。
当時、「国外の敵」に対抗するための情報を得る上で「脳」を理解することを最も重視していたCIAの研究機関にとって、カーターのような人材は理想的であった。カーターはその後「レリー記念研究所」という秘密軍事施設への配属され、施設の責任者であるスタンパーの師事を仰いだ。カーターはますます研究に没頭に没頭し、その分良識と光を失っていったが、彼にとってもそれはさしたる問題ではなかった。
狂気の実験
カーターはスタンパーの指導の下、「更なる進展」を遂げる。
医療施設という隠れ蓑、法や秩序を持って監視する者もいない閉鎖空間の中で、彼の実験はより凄惨で残虐なものへと変貌していった。いつしか彼の役割は、敵対勢力のスパイの「脳」から「情報」を抽出することになり、非人道的な人体実験を連日に渡って行った。彼の研究室の扉からは常に被験者の叫び、嘆き、恐怖、悲哀、様々な絶望の声が絶え間なく響いていたが、彼に近寄ろうと、ましてや止めようとする者はいなかった。
レリー記念館が沈黙した後、カーターの研究室を覗いた者達は絶句した。
そこにあったのは複数の患者や囚人、そして彼の師でもあったスタンパーの無残に変わり果てた姿だった。とくにスタンパーについては頭部を剥がされ、肉体は死亡していながら電極を繋がれた脳だけが機能し続けているという異様な光景だった。カーター本人の姿は確認されなかったが、彼がやったとしか言いようのない狂気的な世界は確かにそこにあった。アメリカ政府はこの事実を受け、レリー記念研究所を永久に封印することを決定した。
性能
基本情報
移動速度 | 4.6m/s(通常)、3.4m/s(電撃チャージ中) |
---|---|
心音範囲 | 32m |
視点 | 高い(高身長) |
凶器 | 鉄の棍棒 |
壊れず、扱いやすく、傷つけやすい事から実験体を効率的に痛めつけられる得物。 | |
固有能力 | カーターの電流、放電爆破 |
根城 | レリー記念研究所(Léry's Memorial Institute) |
元軍病院だった建物を、残虐な人体実験のために改装した施設。流石にヤバいと思った政府はこれを隠匿した結果、エンティティ率いる殺人鬼の狩場となってしまった。 |
索敵能力に長けた上級者向けキラー。
電撃を用いて隠れた相手を見つけ出し、同時に能力を制限させてじわじわと追い詰めることを得意とする。この性質から狭いマップや立体的なマップとの相性は抜群。反面、ダメージを与えるには相手を直接殴るしか手段がなく、かといって通常火力も高くないため、相手を追い込むのに結構な時間を要してしまう。また固有パークもドクター本人との相性はあまり良くないものが大半を占める。育てる最初は苦悶の根源を付けよう。
メメント・モリは武器をしまって手を合わせて両腕に電撃を纏わせた後、頭を両手で挟んで強力な電撃を通して焼き殺すというもの。
固有能力
カーターの電流(Carter's Spark)
電流を流して感覚を共有化する事で対象の正気を奪う能力。
これはドクターの電撃を受けると「狂気」ステータスを受け、Lvが上がると突然叫んでドクターに場所を知らせてしまう。
狂気状態ではスキルチェックの難易度が上がる、幻覚が見える、など様々な症状が発生し、最高Lvの3になってしまうと定期的に発狂して叫び出し、自分の見ている幻覚がドクターにも見えるようになって居場所がばれ、しかも発狂Lvを下げない限り修理や治療が一切行えなくなる、など深刻な症状を引き起こすようになる。
放電爆破(Static Blast)
心音範囲すべてに対して強力な電撃を放つ能力。
ヒットすると狂気が1レベル分上昇する上、叫んで居場所をバラしてしまう。ショック療法と比べて圧倒的に発狂させる効率が高く、心音範囲を広げればロッカーに隠れない限りは逃れることが難しい最強クラスの索敵能力だが、ロッカーに入ることを意識しすぎれば作業が進まず、そこを狩られるリスクも負ってしまう。
強力ではあるが1分に一度しか使えないため、空振りすることは避けたい。
固有パーク
圧倒的存在感(Overwhelming Presence)
心音範囲内のサバイバーのアイテム消耗速度を大幅に上げるという邪魔パーク。こんなしょーもない効果に割くパーク枠はどこにもなく、産廃パーク筆頭としてネタ扱いされている…。
_人人人人人人人人人人人人人_
> 圧 倒 的 存 在 感 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
観察と虐待(Monitor & abuse)
通称「観虐」。チェイスしていないときの心音範囲を狭め、チェイスしているときに心音範囲を広める。心音が狭いキラーと相性がよく、サバイバーがキラーの接近に気付くのが遅れるようになる。特に、マイケルがLv1でこれを使うと、心音範囲が0mになり全く心音がしなくなる。
一方で、ドクター本人との相性は放電爆破との関係であまりよくないが、放電爆破クールダウン中は心音が狭まるアドオン「鎮静」をつけている場合は別で、心音範囲を大きく狭めて奇襲能力を高める「静音ドクター」という型が存在する。
オーバーチャージ(Overcharge)
「オバチャ」とも。蹴った発電機に罠を仕掛け、次にその発電機に触れたサバイバーは難しいスキルチェックに直面する。スキルチェックが下手な初心者に効果的だが、一方でスキルチェックに慣れた上級者には普通に解除されるためあまり安定しないのが難点。
アドオン
本人の綴った論文や研究資料、メモ等がアドオンになっている他、チェスの駒等の、一体ナニに使ったのかわからないモノもアドオンになっている。電撃の範囲を拡大・変更するものと、狂気状態のサバイバーに「心音を常に鳴らし続ける」「ステインの幻覚を見る」「板の幻覚が見える」などさらなるデバフをかけるものがある。
特徴
長所
文句なしの索敵最強。一人称視点でただでさえ視野の狭い殺人鬼側にとって相手の位置が手に取るようにわかるという状況は鴨ネギという他ない。放電爆破を当てられれば即座に位置バレするうえ、何度も何度も電撃を浴びせる事で修理やその他特殊行動に制限をかけられるほか、事あるごとに叫ぶため、どこに逃げようとどう隠れようと無駄となる。
DOCTORがその場に現れた瞬間から、相手に安全な場所など存在しない。立ち止まって安心できる場所など決して存在しないのである。
また、ショック療法により板・窓を一時的に封印できるため、チェイス能力もなかなか高い。
短所
火力と機動力に欠け、攻撃手段は通常攻撃のみ。
移動手段も徒歩しかないため距離を取られるとどうしても辛い。チェイス能力・索敵能力が基本能力で揃っており、アドオンの選択肢も多いため、パーク・アドオンの組み合わせの自由度が高いのでさまざまな戦略を駆使して欠点を補いたい。
「爆音ドクター」とは
ドクターに採用されるパーク構成の通称で「苦悶の根源」というパークをメインに構成した物。その効果はキラーの心音を拡大させるというものである。普通、キラーの接近をサバイバーに気づかれない点や、奇襲などもしやすい点で心音は狭い方が良いのだが、前述の通りドクターは心音範囲内でサバイバーの狂気度を上昇させられるので、ドクターの索敵能力をさらに補強できる事から採用される事が多い。
ちなみに「苦悶の根源」には「邪悪カテゴリのptが増加する」という嬉しいオマケも付いてくる。サバイバーの狂気度上昇で邪悪カテゴリのptが入るので、BPを稼ぎたい時にもお勧め。これに足してカニバルの「バーベキュー&チリ」を合わせれば、離れていればすぐに向かい追いかけ、近くにいれば電撃で炙り出し狩ると言うことができる。さらにこのパークもBPアップの効果がある。
余談
モデル
彼のモチーフ元は、実在する中国の精神科医「楊 永信(ヤン・ヨンシン)」であるとされている。
楊医師はインターネット依存症治療センターを経営しており、オンラインゲーム中毒やインターネット依存症になった患者に、独自に開発した「電撃ショック療法」を施していた。しかし、彼が治療と称して行っていたこの電気ショックには医学的根拠はなく、患者の収容期間中に行われていたのも、ネットから完全に遠ざけて抵抗したり逆らった患者に電撃を浴びせるという、療法というより行き過ぎた躾(虐待や拷問)であった。
また、彼はこの治療法で患者家族から大量の入院料と巻き上げており、電撃の痛みに耐えかねた子どもが逃げ出せば、保護者にペナルティとして更に金を巻き上げるという文字通りのブラック医療を行っていたヤブ医者であった。
現在では電撃ショック療法は子供に対する虐待であるとして中国当局が禁止している。
この一件が世間に明るみにされてからは「電撃の悪魔」と呼ばれた。
同DLCに収録されている「フェン・ミン」は彼の被害者となった子ども達のアバターと言える。
関連イラスト
関連タグ
THE HAG(ハグ) → THE DOCTOR(ドクター) → THE HUNTRESS(ハントレス)