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編集者:走り坊主
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概要

スコットランドのオークニー諸島の伝承に登場するとても巨大な海蛇もしくは海竜で、ストーアワーム、ストゥーアワーム、またはメスターストーアワームとも呼ばれる。

口から吐く猛毒の息で草木を枯らし、人畜を死に至らしめるだけではなく、二股に割れた舌で船や家屋を破壊するばかりか、その頭ですら小山ほどもあるという巨体を用いて大地ごと海中に引き込んで多くの村々を滅ぼしていった。

ワームの襲来を恐れた王は、賢者もしくは預言者に助言を求めたところ、「毎週土曜日に七人の乙女を海へ生贄に捧げよ」との対処法を授けられることになった。

しかし、島内ではすぐに生贄となりうる者が尽きてしまうことが分かっており、王は再び助言を求めるが、10週間という期限の中で一人娘であるジェム・ド・ラブリー王女を捧げるしかないところまで追い詰められてしまう。

そこで王はワームを見事に退治した勇者には、王女との結婚と国宝であるオーディンの魔法剣を与えることを決め公示した結果、国中から30人(36人)の武勇を誇る力自慢の者たちが集まったが、ワームのあまりの強大さに怖じ気づいて逃げだしてしまった。

万策尽きて王女が生贄になる前日になったが、農民の末っ子で家族からも馬鹿にされていたアシパトルという男が父の馬に乗って現われ、なんと自分だったら退治できると言ってのけたのである。

アシパトルは燃えさかる泥炭を手に入れると、ワームが目覚める夜明けに舟に積んで海に向かって出発し、あえて飲み込まれることで急所である肝臓に向かって泥炭をあびせかけた。

ワームは口や鼻から黒煙を噴き出しながら舟を吐き出し、肝臓が焼けただれる苦しみによる暴れようは世界の最後を思わせたので、国中の人々は必死で丘の上に逃れたためにそのとき起こった地震津波から生き残った。

そして命が尽きたワームから抜けた歯はオークニー諸島、シェトランド諸島、フェロー諸島に、舌が抜けた口はバルト海に、結び目のように絡まった身体はアイスランドとなった。

王は約束通り王女と魔法剣をアシパトルに与え、人々も新たな王の誕生と王国の再生を称えたという。

なお「ストア/ストーア」は「大きい・強い・厳しい」、「メスター」は「支配者・父親・優れた」を意味しており、実は魔法剣の下りで想像がつくように北欧神話ミドガルズオルムヨルムンガンド)の伝承を起源にしているといわれる。

創作での扱い

  • サンサーラ・ナーガ2GBAでリメイクされた『サンサーラ・ナーガ1×2』において、第2階層の守護竜「ストーアワーム」として登場した。
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