15の夜
自分の存在意義が分からない15歳の主人公が、ある日の夜に「家や学校に帰りたくない」という理由で家出の計画を立て、盗んだバイクで走り出すという流れになる。行き先は解らないままだが、若者が自由を求めての行動である。
尤も、歌の中でも言及されているが、あくまで「自由になれる気がした」と自分の行いが何のプラスにもならない虚しい行為である事は自覚している。
よく勘違いされるが、この曲の趣旨はあくまで少年の若さゆえの衝動と現実の間にあるもどかしさを表現したものであり、単なる中二病でもなければ犯罪の肯定でもない。
「盗んだバイク」にはちゃんとモデルが存在しており、それは兄の所有物していたヤマハの原付スクーター・パッソルとのこと。
尾崎が14歳の頃、校内での喫煙が教師に見付かり、それに端を発した友人達との家出が元ネタと言われているが、父親の日記に書かれた家出をした時期が1978年10月(尾崎は11月生まれであるため当時12歳の中学1年生)である事と、尾崎はバイクを盗んでいないという妻や友人の証言から歌詞の内容と尾崎の発言にいくつかの矛盾が存在するため、尾崎豊の実体験がどれだけ歌詞に反映されているかは不明である。だが、後述する兄の回想から少なくとも兄貴のスクーターを盗んで…もとい、勝手に借りて乗っていたのは事実である。
当時の原付にはハンドルロックやキーシャッターのような盗難防止機能は無く、レッグシールドをこじってキーシリンダーの配線をショートさせれば始動できてしまうようなお粗末ぶりであった。「15の夜」が発表された1983年にはパッソルの中古車が捨て値で溢れており、仮に盗まれても気に病むような車種ではなかったのである。
現実的に、15歳の不良少年が簡単に盗むことができて、かつ無免許で走り出せるバイクといったら、このようなスクーターが限界であろう。そういう意味ではリアリティがある。
また、妻であった尾崎繁美は「バイクを盗んだのは尾崎の友人で、それを曲にした」と、尾崎の死後に語っているが、その一方で兄の康は「弟は自分のパッソルを無断で乗り回していた」と話しており、いわゆる「盗んだバイク」に関する証言が複数あるため、歌詞に登場する「盗んだバイク」がどちらなのか、そもそも「何」を意味しているかは永遠の謎である。
なお、兄のバイクに黙って乗っていた話だが、被害者(?)である兄の康氏は「豊は自分のパッソルを盗んで乗り回していた」と当時を回想し、盗んだバイクの所有者が自分であると主張している。なお、最終的にそのパッソルは豊が事故って廃車にしてしまった(しかも脳震盪まで起こしている)というオチまで紹介しており、弟の行動を自らネタにしている様子から特に問題視はしていない。
家族とはいえ他人の所有物を持ち出すのは窃盗になるが、家族間に関しては「親族相盗例(要するに申告罪)」となり、所有者である康本人が問題視していないのでそこは問題にならない。
法律的に残された唯一の問題点は無免許で乗っていたか否かという話だが、明確な時期は明言されていないものの、高校で停学になった理由の一つにバイク事故があるため、兄のパッソルを廃車にしたのは高校時代が有力である。
この説を前提に話を進めると、高校生になった豊が免許取得後に勝手に兄のパッソルに乗っていたという話であれば兄弟の問題なので(前述した豊の起こした事故によって愛車を廃車にされた時はさすがにショックを受けていたようだが)第三者がとやかくいう資格はない。
盗んだバイクを買わされた
かつて放映された学校へ行こう!の1コーナーB-RAPハイスクールでも出演している尾崎豆によって本曲の替え歌「15の昼」を披露した。こちらは学校内でいじめにあっている他、そのサビ部分も「盗んだバイクを買わされた」と悲惨な状況にあっている。
後に尾崎豆本人によるYouTubeチャンネルで替え歌が公開された。
盗んだバイクで走り出したキャラクター
- 空条承太郎
- 仮面ライダーディエンド
- エカルマギア
- バイクをハッキングして奪った
- ワリオ
- 他のワリオが出したバイクを奪える。
- サトシ
- バイクはバイクでも自転車。第1話にて岸辺に停めてあったカスミの自転車を借りてオニスズメの群れから逃走した。しかし、やっている事は非常事態とはいえ、窃盗である。
- 金田正太郎(AKIRA)
- レベッカ・リー
- 日本編にて、伝説的名車であるNRをどこからか盗み、最後は大破・炎上させた。
- 鷹山敏樹
- ターミネーター
- バイク以外に武器や衣服も全て盗んだものである。
関連動画
注意事項
窃盗および無免許運転は犯罪。絶対に真似をしてはいけないことです。
やってしまってなんとかなることがあるのは二次元の中だけ。
当然、盗んだバイク(等の他人の所有物)を納車して、SNSで自慢しようものならば持ち主に見つかって逮捕されます(これがその一例)。
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アイスケースに入る 現代版