金田「乗りたいか?鉄雄!俺用に改良したバイクだ!ピーキー過ぎてお前にゃ無理だよ」
山形「そんなのに乗ってる方が気が知れねぇぜ!」
鉄雄「乗れるさ…」
金田「ハハッ!欲しけりゃな、お前もデカイのブン盗りな!」
概要
深紅に彩られた一般的なバイクとは全く異なるイメージの流線型の車体に、前面部やホイール部分に貼られたステッカー(あるいはペイント)が大きな特徴。
シートもリアカウルと一体化した背もたれが付いており、他のバイクのように跨るのではなく車と同じく座って操縦する形となる。
開発会社や機種名などは不明であり、持ち主である金田の名前を貰って『金田バイク』、もしくは『金田のバイク』と呼ばれている。
英語圏でもそのまま「Shotaro Kaneda's Bike」または「AKIRA BIKE」と呼ばれている。
上記のやり取りを見る限り元は盗品らしく、ファンにはネタ混じりに「金田のバイク(金田のじゃない)」と揶揄される事も。
作者の大友克洋曰く、最初にインスピレーションを受けたのはディズニー映画「TRON」に登場するシド・ミードがデザインした光電子バイク「ライトサイクル」で、それを縦に半分に割ったものをベースに、様々なメカデザインの要素を取り入れていったらしい。
その独創的なシルエットは公開から20年以上が経った今尚『SFバイク』の代名詞的存在として、幾多のフィクション・バイクや現実のバイクにも影響を与えている。
その影響力はハリウッドにも及び、バイクジャンルの1つ、ビッグスクーターはこの金田バイクが発想の元となっている。
ちなみに忠実に再現するとフロントフォークのキャスター角が大きすぎて曲がれない、ホイール部が覆われているためブレーキの熱問題が付きまとう、低すぎて腹打ちする、と大小さまざまな欠陥だらけとなるため、再現する車両はそこらが問題なくなるようアレンジされていたり、元ネタにはない複雑な機構を組み込むこと回避している。
どう見ても1人乗り用だが、原作の金田曰く「80kg以下ならなんとか乗れる」らしく、リアカウルを外して内部フレームを座席代わりにしたり、操縦席に無理矢理2人乗りしているシーンもある。
性能
金田が自分に合わせて改造を加えたとの事で、オリジナルの具体的な性能は不明。
上で言っているように一般的なバイクよりも高性能だが、細かい仕様が異なっているため金田以外には扱い難いバイクになっている。
映画版では「両輪駆動でバックが出来る」「コンピューター制御のABS付き」「1万2千回転の200馬力」「エンジン5000回転以下でギアチェンジするとエンストを起こす」など、細かく設定が加えられている。
金田の免許には「電動二輪」と書かれているため、電動バイクと言われることが多いが、ガソリン発電によって両輪のコイルを回転させて走行する、現代の自動車の定義に当てはめて例えるならシリーズ式ハイブリッドである。
走行時にホイールからスパークが迸る(公式曰く「コイルが超伝導を起こすため」)様はとてもカッコイイ。
ただし、エンジンを発電専用に使うこのバイクの場合、エンジンを高回転させる必要は無いので、1万2千回転とはコイルの回転と思われる。作中で「やっとモーターのコイルが温まってきたところだぜ」とのセリフがあるが、実際にはモーターは加熱すると磁力が下がり性能が低下する(現代の技術における観点である点には留意)。
また、ホイールとエンジンが繋がっていないため、劇中でやっていた押し掛けも不可能である。
現実では、電子制御ABSは大型バイクから原付まで幅広く搭載されており、200馬力の出力も市販状態で到達している車種が複数あり、令和突入時点において実現しているスペックである。
金田スライドブレーキ
劇場版の冒頭で描かれる敵対チームとの抗争シーンで、リーダー同士のチキンレース(道路のセンターライン上を向かい合わせに走り、先に避けた方が負け)に勝利した際に見せた「地面に足を着けながらスライドして停車するシーン」を指す(拡大解釈され、今日では「バイクを横滑りしながら斜めに停車させる」イメージが多い)
構図の一つとして様々な作品でオマージュされている。
客演
2018年に劇場公開された映画『レディ・プレイヤー1』においてアルテミス(サマンサ)が仮想世界「オアシス」にて搭乗するバイクとして登場。
NHKスペシャル『東京リボーン』では「AKIRAのシンボルキャラクター」として金田のコスチュームを纏ったライダーが金田バイクに跨り東京の街を疾走する。ライダーの声を演じているのは松坂桃李。
関連タグ
メタルマックス2リローデッド:プレイアブル車両の中に明らかにこれをモチーフにしたと思われるバイク・サイファイが存在する。しかも赤いカラーパターンの名称が『キラァレッド』であるなどの確信犯ぶりも。