金田「俺ァまた心配しちまったぜ? またベソかいて泣いてんじゃねェかと思ってよ」
鉄雄「金田、おめぇが目障りだったんだよ……。ガキの頃から何をするのもお前が指図しやがる。いつも子供扱いだ……どこにでも出てきてボス面しやがる!!」
金田「おめェもボスになったんだろぉ? この瓦礫の山でよぉ」
鉄雄「金田ァァァ!」
金田「さんをつけろよデコ助野郎!」
鉄雄「死ねェ~~~~!!!!」
概要
「さんをつけろよデコ助野郎」とは、大友克洋原作のアニメ映画『AKIRA』において、登場人物の島鉄雄から呼び捨てにされた主人公・金田正太郎が言い放ったセリフである。
英語の公式訳では「That's “Mr.KANEDA” to you,PUNK!(「金田さん」だろうが、このチンピラ!)」となっている。
金田は不良少年グループのリーダー格ではあるが、「さん付け」を強制するような厳格なグループではなく、他の仲間たちも呼び捨てにするのが普通だった。
鉄雄は金田の幼馴染であり、大人しい性格でイジメを受けやすかったために金田に庇護され続け、不良少年グループの仲間たちからも守られ続ける立場だったことで劣等感に苛まれ、超能力に覚醒した後は全能感に溺れて多数の人間を殺傷し、かつての仲間まで手にかけてしまった。
暴走する鉄雄に落とし前を付けるためたった一人で立ち向かった金田に対して、増長の中にも劣等感を隠し切れない鉄雄。
金田はそんな鉄雄にかつての面影を見出しながらも、「さんをつけろ」と決別するように言い放つのである。
(よく見ると金田は会話中、この台詞が出る前からレーザーライフルの銃口を鉄雄に向けている)
原作漫画は展開が大きく違うが、元になったと思しきシーンでは、金田が「なンか用か」と叫びつつ銃を構えている。
ちなみに「デコ助(デコスケ)」とは、単純におでこの広い人や髪の生え際が後退してる人などを揶揄う江戸(東京)の方言。警察官の隠喩としても使われるとか。
余談
映画監督の黒澤明は、その完璧主義故に思った通りの演出が出来なかったり、NGを出すキャストに対して「デコ助!!」と罵っており、一度その怒鳴り声が聞こえたら収拾がつかなくなるとの事で、俳優陣から大変恐れられていた。『まあだだよ』(1993年)のメイキング・ドキュメンタリーで様子がみられる。
KOFでは鉄雄のあからさまなパクリキャラと声が金田と同じとあるキャラとの掛け合いで、このセリフが忠実に再現されてしまった。
ビーストウォーズリターンズでは、バイクそのものなキャラの「金田」発言にこれまた声が金田と同じキャラが「さんをつけろよデコ助野郎!!」とツッコミを入れ、追跡中のターゲットに「鉄雄知ってる? AKIRA知ってる?」と尋ねた後、答えを聞かずに「恥ずかしいぃぃ!!」と勝手に締めている。
関連動画
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“様”をつけんか無礼者:他作品における似たような台詞。