概要
ことの発端は2014年11月、安倍晋三内閣が衆議院を解散し、選挙も目前に迫ったころであった。
「小学四年生の中村」と名乗る人物が「どうして解散するんですか?」というタイトルのサイトを立ち上げ、twitterなどで宣伝を始めた。
内容は「解散総選挙に多額の費用がかかるのではないか」などと、解散を疑問視する内容であった。
一見、「社会問題に関心のある子供が作ったサイト」といった風体で、本人も「友達と数日で作った」と自称していたのだが、半日と経たないうちにネット上で次々に「実は大人が作ったものではないか」との疑念の声が噴出、本職のwebプログラマー達を中心に検証が行われた。
ツッコミが入った点は多過ぎて書ききれないが、特に指摘が多かった点は「サイトの作りが明らかにプロの手によるものと思われるレベル」であったことである。
ソースを見ると小学生が個人所有するとは思えない価格帯のソフトで作成されたものであることも明らかであり、一見手書き文字に見えたサイトのフォントも即座に「ふい字」というフリーフォントであることが特定され、ドメインもとあるNPOにより取得されたことが判明。
さらに画像ファイルのパスから制作担当者が過去に高校生プログラマーとして名が知られた中国人大学生との疑惑が浮上した。
さらに「中村」を名乗る人物はまだ発売されていなかったゲームソフトである「妖怪ウォッチの真打ちは買いましたか?」との釣り質問に「買いました」と答えて小学生だというのが設定にすぎないことがバレてしまった。
結局このサイトを立ち上げた人物は高校生の時から様々な社会運動で活動していたNPO代表だった、当時20歳の大学生青木大和氏であったことが判明、製作担当者も多くの予想通り上記の中国人学生であったことが判明。サイトは閉鎖され、青木自らが小学生を騙ったことを認めた謝罪文を公表しNPO代表を辞任した。
民主党の細野豪志や蓮舫は、このサイトの立ち上げ直後から「天才小学生現る!」と絶賛するツイートをしていた他、この人物と以前から交流があったため、最初から民主党がNPOと組んで仕掛けた狂言だったのではないかとして、その背後関係に疑惑の目が向けられることになった。
やり玉に挙げられた安倍晋三首相は、「批判されにくい子供になりすます最も卑劣な行為」と強く非難。これに対しリベラル勢力は「学生がやったことなんだから大目に見ろ」と反論したが、その論法は「批判されにくいようにする」という指摘そのままであった。
青木はその後反省し、可能な範囲で謝罪に回ったという。
これで一旦終わったかに見えた本件だが、意外な展開が待っていた。
主催者の大きな転機と成長
上記の事件の二年後である2016年、青木は不慮の事故に遭い脊髄損傷の重傷を負ってしまう。
ここで彼は一念発起してリハビリに取り組み、のちになんとか立てるようになるまでの回復を見せる。
同年にコミュニティハウスの事業を立ち上げ、かつてやっていたアルペンスキーにパラアスリートとして再び打ち込む。
この結果、なんと北京パラリンピックの代表として出場することになり、かつて自身を痛烈に批判した安倍晋三とも面会して和気藹々とした写真を公開し、安部からも励ましを受けたという。参照
若さゆえの失敗や苦難を乗り越えて成長した彼に一転して応援の声を送るネット民も多数出た。
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外部リンク
慶大生・青木大和さんが「小4偽装サイト」で問いかけたかったもの作家で慶應義塾大学卒業生でもある山本一郎が当該の大学生(当時、現在は卒業して起業家に行ったインタビュー)