概説
白色人種が有色人種(非白人)よりも上位で優れているという思想であり、そのような価値観の人達のことを白人至上主義者(white supremacist)と呼ぶ。
なおこれは、非白人の日本人などが抱く「白人コンプレックス」とは異なり、白人自身が持つ思想である。
主義者の論拠
偏に「文化的先進性」に由来する優越感を基盤する。
早い話が白色人種の方がより未来的な文明をいち早く利用出来ているという、文化的な進捗速度が有色人種よりも早いことによる慢心である。
もっと雑にいえば、「白人は常に未来に生きてる(ドヤァ」という自慢と見下しである。
都市部の出身者が田舎者を鼻で笑う、アレを人種レベルにまで引き上げたものと思えばいい。
実際、現代人類史の先進的な文化は欧米を発信地とし、その文化的な優位性を活用して人類の文明史を牽引しているのは事実である。
その優位性に酔い、「白人こそ最も優れた人種だ」と天狗になっている心が、白人文化の背中を追いかける有色人種国家に対して高慢な心理を生み、有色人種全体への蔑視に繋がっている。
同時に肌の色と文化圏も重なり、後れを取る有色人種そのものの文化を嘲笑する風潮も発生している。
これが極端に先鋭化されると、「有色人種≒原住民・野蛮人」という図式さえ成立させ、彼らを自身たちの文化圏から排斥する気風さえ生まれてくる。
複雑な問題として、「有色人種への奴隷視の歴史」も背景に含まれている。
特にアメリカは黒人の人権問題を第二次世界大戦後まで引きずり、現代も完全な解決には達していない現状や、アジア圏からの移民への冷遇の歴史、メキシコからの不法移民問題もある等、現在でも一部で根強い白人至上主義思想を息づかせる要因が山積している。
昨今では中東難民や、アジア圏国家の海外進出など、グローバリゼーションの促進によって「人種と国家」の折り合いの付け方について、多くの欧米諸国が分水嶺といえる地点に立たされている。
こうして、自分たちで不要な喧嘩を引き起こす一因を作っているのも関わらず、それを認めようとしないのも、この手の信奉者に共通した点である。