概要
2019年10月、日本赤十字社が行っていた漫画・アニメ(とはいえ当時はまだアニメ放送どころかアニメ化発表前)『宇崎ちゃんは遊びたい!』との献血コラボキャンペーンが行われていた、
しかし同月14日、そのコラボキャンペーンで配布されていたポスターを、フェミニズム左派の弁護士である太田啓子弁護士がこのポスターを「環境型セクハラ」と評し、ポスターの妥当性を批判したのである。(太田氏が「表現の不自由展」にエールを送っていたこともあり)この太田氏の批判がきっかけで、このポスターを巡り大きな論争が巻き起こった。
とここまでならかつてのキズナアイのようなTwitterでたまに繰り広げられる表現規制・萌え絵批判論争であった。
しかし論争勃発の数日後、ポスターに批判的なあるTwitterユーザーによって、
「宇崎ちゃん献血取り止めないなら献血許否しよう!特に男性、ただしい脳による判断ができるかどうか試されています。」(原文ママ)
という呼びかけがなされたのである。
広がる批判
「献血を拒否する」
というこの呼びかけについて、Twitterを中心に「輸血を待つ人たちの命を人質に取っている」などと生命倫理等の観点から批判の声が上がったことは言うまでもなく、特に最初に献血ボイコットの呼びかけをしたユーザーがその後さらに『兵糧攻め』という単語を使ったツイートを投稿した(ソース)こともあって批判はエスカレートし、ついには血液内科医や地方議会の議員、それに日本赤十字社のCMに出演経験のある女優などからも批判の声が上がる事態となった。
以下、その一部を紹介したい。
血液内科医・森甚一氏
豊島区議会議員・入江あゆみ氏
漫画評論家・永山薫氏
女優・友寄蓮氏(日本赤十字社のCMに出演経験あり)
総括
たしかに献血は自由意志によるものであって、ポスターに抗議することもまた表現の自由の一部である。
しかしながら、ポスターに抗議するという根拠があるとはいえ、献血を拒否する=日本赤十字社にダメージを与えるべく献血の拒否を呼びかけるというのはただ献血をしないのとは全く異なり、「輸血を必要とする人たちを人質にとる」という大前提がそこにあった以上、目的がどうであれ非難されても仕方のないことではあろう。
結末
そもそも太田氏による批判がきっかけで「宇崎ちゃんは遊びたい!」の単行本を購入したり献血に行った報告が相次ぐなどという思わぬ副次効果を生み出し、その結果コラボレーション期間中であった2019年10月の献血者数は427,251人、献血量は186,788.96Lと、前年比でも献血者数は106.6%、献血量は110.5%にも増加するという、逆に献血量献血者数ともに前年同月よりも上昇するという結果を残すこととなった。(日本赤十字社の統計資料)この結果は穿った見方をすれば、献血ボイコットを含めた一連のツイフェミによる行動の答えと受け取ることもできるだろう。以上の副次効果には、この献血ボイコットを含めたポスターを巡る一連の批判への反発も背景にあるということを十分留意しなければならない。
しかしながら、献血量献血者数ともに前年同月よりも上昇する=特に実害はなく終わったこともそれはそれで厄介なことを招いており、例えばそれを根拠に「献血ボイコットはなかった」という主張が上がっている事例も確認されている。(ソース)
しかも(献血ボイコットを含めた)この一件で、献血事業におけるいわゆるオタク層向けの広報キャンペーンそのものにも目をつけられてしまい、他の作品とのコラボ企画についても同様に批判する者や、コミケ会場での献血に対して「オタクの血は汚れている」などと発言するツイフェミが複数確認されている。当然であるがこの発言はあからさまな差別である(「血は汚れている」という言葉は西日本では口にしてはならない程の罵詈雑言である)。また、コミケ会場の献血はその規模による人数で集まる量は決してバカにできない程であり、C98の開催中止ではその年の献血量のうちコミケの分が無かった事で下回ったとされる程である。
とこのように、献血ボイコットを含めた「宇崎ちゃん」のポスターを巡る一連の騒動は、日本におけるフェミニスト・フェミニズム論争はもちろんのこと、オタク層向けの献血コラボキャンペーンにも大きな遺恨を残すことになったこともまた事実である。
外部リンク
【献血ボイコット】|ヒトシンカ ( 『シンカ論マガジン』『センサイクロペディア』 )|note
【献血ボイコット】 - Censoyclopedia:センサイクロペディア
「宇崎ちゃん」論争を考えたい | その他 | NHK生活情報ブログ:NHK