概要
前日譚にあたる『東京都立呪術高等専門学校』(0巻)で登場した呪詛師の集団。
現在の非術師が中心の世界に大きな不満を持つ特級呪詛師・夏油傑と、彼を慕う呪詛師達で構成されており、その最終目的は非術師を皆殺しにし、呪術師だけの楽園を築く事である。
夏油に救われた事で彼を慕う者、夏油の思想に賛同する者、夏油を王にする事を望む者など、構成員達の協力理由や目的はそれぞれ微妙に異なっているが、皆が夏油に心酔して彼の理想に賛同している為に、彼を中心に固く結束している。同志である自分達を「家族」と称しており、実際に夏油からは家族同然に大切に思われており、これも彼等の結束力を高める要因だと思われる。
当初は、かつて盤星教と呼ばれた宗教団体の残党を利用して設立した宗教団体を呼び水に、非術師を使って呪いと資金を集めながら潜伏していたが、やがて時が来たとして堂々と高専に対して宣戦布告し、新宿と京都にそれぞれ1000体もの呪霊を放つ未曾有の大規模呪術テロ「新宿・京都百鬼夜行」を決行する。
しかし東京校・京都校を中心とした呪術師達との死闘の末に敗れ、五条悟によって夏油が殺害された事で計画は頓挫。残った同志達はそれぞれ予め用意されていたルートを利用して逃走した。
呪術廻戦
百鬼夜行から約1年後の『呪術廻戦』本編では、残党のその後が描かれている。
かつては家族と称される程に結束していた彼等だったが、夏油という強いカリスマ性を持った主が死んだ事で、元々彼等の中にあった前述した協力理由や目的の違いが露呈してしまい、結果的には夏油の理想を継いで呪術師の楽園実現を目指す菅田・祢木、夏油の物語は終わったとしてある人物から夏油の遺体を取り戻す事に拘る美々子・菜々子、あくまで夏油を王にする事を目的としていた為に、どちらにも付かずに中立的な立場をとり、さらに様々な事情から高専の間係者と繋がりや協力関係を持ったミゲル・ラルゥと、3つの勢力に分裂して互いに完全に決別してしまう。
それでもラルゥは自分達はあくまで家族であるとし、互いに道を違ってもいずれはまたかつてのように食卓を囲むのだと他のメンバー達を諭していたのだが、彼等のその後の結末は果たして...
構成員
- 夏油傑(げとう すぐる)
夏油一派のリーダー。
日本に4人しかいない特級呪術師の一人で、かつて100人以上の一般人を殺害した罪で高専を追放された「最悪の呪詛師」。自身の同志達の事を「家族」と呼び大切に思っているが、呪術を扱えない者達の事は等しく「猿」と唾棄して見下しており、呪術師だけの楽園を築くべく行動する。
- 枷場美々子・菜々子(はさば みみこ/ななこ)
女子高生風の格好をした双子の少女の呪詛師。
幼少期に呪術師の家系である事から村人に過酷ないじめと虐待を受けていたが、住民を虐殺して自身らを救い出してくれた夏油に心酔しており、彼の行動が全ての善悪の価値基準であるとすら考えている。
片言の日本語を話すケニア人で、非常に珍しい外国人呪術師。
夏油に海外で直接スカウトを受けて彼に心酔し、夏油を王にする為に彼の下についた。黒縄という彼の故郷で作られた特殊な呪具を有し、あの五条が警戒する程の高い実力を持っている。
筋骨隆々のオカマで、非常に珍しい外国人呪術師。
夏油個人に心酔し、ミゲル同様に夏油を王にする為に彼の下についた。ミゲルと並んで作者からファンブックで「強い」と明言されており、仲間達を一喝して黙らせるなど高い実力を持っている模様。
- 菅田真奈美(すだ まなみ)
スリムドレスを着た長髪の若い女性の呪詛師。
夏油の側近のような立場の人物で、仲間内では夏油に代わって指示出しなどを行う立場だった。夏油の思想に賛同して彼の下についており、夏油の死後もあくまで彼の理想の実現に拘って行動している。
- 祢木利久(ねぎ としひさ)
鋭い目付きを持ち、顔の右半分には大きな傷がある青年呪詛師。
美々子・菜々子と同様に夏油に助けられた境遇を持っているらしく、夏油の思想に賛同して彼の下についていた。菅田同様にあくまで夏油の理想の実現に拘っており、現在は菅田と行動を共にしている。