データ
化石は盗掘の被害に遭ってモンゴルからヨーロッパに密輸されていたが、良識的な化石商人フランソワ・エスキュイリエ氏らの尽力によってモンゴルへと返還された経緯を持つ。そのためエスキュイリエ氏への感謝と、モンゴルの恐竜研究で名を馳せたポーランドの女性古生物学者ハルシュカ・オスモルスカ氏への敬意を表して、ハルシュカラプトル・エスキュイリエイと命名された。
ヴェロキラプトルと同じく「ラプトル」の呼称で有名なドロマエオサウルス科の獣脚類で全長は80cmほど。
しかしほとんどの近縁種と異なり、白鳥や鷺のような長い首を持ち、前脚はペンギンのようなヒレ状の構造となっていた。更に頭骨にはワニや水鳥のように圧力を感知するための神経や血管が入っていたと思われる空洞も確認され、細かく鋭い数十本の歯を持っていた。
このことから半水棲生の恐竜とされていたが、スピノサウルス等の骨密度の研究に際して、様々な水棲/陸棲有羊膜類の骨密度を比較した論文で「水棲であった可能性は極めて低い」とされている。