概要
『忍者龍剣伝』の主人公であり、格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』の操作キャラでもあるリュウ・ハヤブサが久々に主人公として復活し(時系列上は忍者龍剣伝が後ではあるが)、様々な武器や忍術を使って敵に立ち向かっていくアクションゲーム。
『NINJAGAIDEN』とは、『忍者龍剣伝』の海外タイトルであったものである。「世界に通用するゲームを」というスタッフの方針からこの名前となった。
ちなみにこのシリーズは、時系列的には『忍者龍剣伝』の前である(時系列順に並べると、『NINJAGAIDEN』シリーズ→『忍者龍剣伝』→『DEAD OR ALIVE』シリーズ、となる)。
『忍者龍剣伝』同様の手ごたえのある難易度と、流血・切断要素たっぷりのハードな残虐描写、主人公リュウ・ハヤブサの強烈で爽快なアクション、そして硬派なストーリーから、特に海外で大きな人気を誇る。
『DOA』シリーズのプロデューサーである板垣伴信氏が『初代』『Black』『2』の企画・制作を担当している。『Σ2』以降の作品は早矢仕洋介氏が担当している。
同じスタッフが製作する『DEAD OR ALIVE』の影響か、女性キャラクターの露出度が妙に高く、衣装が際どいことでも知られる。クリアしたモード等に応じてコスチュームが増える。2以降は全編リアルタイムレンダリング(1は一部プリレンダリング)のため、カットシーンにおいてもそのコスチュームで進行する。
Pixivでは主人公リュウよりも女性キャラクターのイラストが多い。
ちなみに『龍剣伝』シリーズのディレクターを手掛けた吉沢秀雄氏は『GAIDEN』シリーズの開発前にテクモを退社しているため、『GAIDEN』シリーズには一切関わっていない。
シリーズ作品(据え置きハード)
NINJA GAIDEN
2004年発売。Xbox専用ソフト。
ゲームとしての完成度は高いが、後の作品に比べるとシステム面で未完成な部分が多く見られる。
(スティックで視点操作ができない、難度が一つしかない、ボスを一部の技でハメられる等)
後にDLC『ハリケーンパック』(※)により、様々な追加要素が実装され完成される。
※現在は配信停止中
龍剣と対をなす暗黒剣黒龍丸の奪還と、ハヤブサの親友呉葉の仇であるドーク重鬼卿への復讐の為に「神聖ヴィゴル帝国」を駆け回るというストーリーである。
ちなみにオマケ要素として『忍者龍剣伝』三部作(の巴版)が遊べる。
ただしXb360だとバグでフリーズしてしまうため、プレイするためには初代Xboxが必要。
NINJA GAIDEN BLACK
2005年発売。Xbox専用ソフト。初代のアップグレード版である。
(厳密には初代のDLCである『ハリケーンパック』を買えないオフライン勢に向けた救済措置)
カメラ操作、難度選択などのシステムが追加され、ボスの挙動も改善(凶悪化?)された。加えてNORMALでも難しいという人向けに、3回ゲームオーバーになるとあやねから様々な救済措置をもらえる「Ninja dog」モードを選ぶことができるとうになった。
XboxクラシックとしてXbox360向けに配信もされており、Xboneの後方互換にも対応している。
NINJA GAIDEN Σ
2007年発売。PS3専用ソフト。初代の移植版で、グラフィックが向上している他、難易度が全体的に調整され、メインヒロインのレイチェルが一部のステージでプレイアブルキャラクターとして操作できるようになっている。後にPSVに移植。
NINJA GAIDEN 2
2008年発売。Xbox360専用ソフト。
邪神の復活を阻止するため、リュウが世界中を駆け回るというストーリーである。当時はシリーズ最終作と銘打たれた。『GAIDEN』シリーズの生みの親である板垣伴信氏の最後の作品である。
敵の首や四肢を斬り飛ばす「欠損」と、手足を失った敵に一撃必殺のトドメ技を放つ「滅却」というシステムが導入された結果、残虐描写が前作よりも跳ね上がった為、18歳未満は購入ができなくなっている。
最高難度「超忍」の難しさが常軌を逸しており、ファンの間で語り草になっている。
(イージー/ノーマルに該当する忍/強者は万人向けの難度なので安心されたし)
NINJA GAIDEN Σ2
2009年発売。PS3用に発売。後にPSVに移植。
『2』のリメイク版で、あやね、レイチェル、後述の「Dragon Sword」に登場する紅葉が一部のステージでプレイアブルキャラクターとなり、難易度もXbox360版より下げられている。初心者にオススメの1本。
プラチナトロフィーの難度が異常に高いことで有名で、発売から一ヶ月間コンプ者が出なかった。
(2022年現在でも獲得率は0.9%である)
NINJA GAIDEN 3
2012年発売。PS3・Xbox360用。シリーズ初のマルチプラットフォーム。
プレイヤーキャラはリュウとオンラインモードの名もなき忍。
製作陣が大幅に入れ替わり、「刀で人を斬る」ことに軸を置いたシステムの大幅変更を行った結果、全体的にアクションの爽快感が減少し、歴代作のファンから手厳しい批判が飛び交っている。
リュウがこれまでのような完璧な超忍ではなくなり、黒幕とライバル(黒幕の実兄にして操り人形)の呪いと精神攻撃に苦しめられ、敵組織は政府機関と関わりがあるなど、ストーリーの雰囲気がこれまでと大きく違っている。
NINJA GAIDEN 3 RAZOR'S EDGE
2013年、Wii U・PS3・Xbox360向けに発売。
手厳しい批判を受けた『3』に『2』までのシステムを導入し、『3』で削除された欠損描写も復活させたリメイク作品。あやね編の追加、紅葉、かすみのプレイアブル化等の追加要素もある。
ストーリー面でも瀕死兵強制殺害イベントなど批判された部分を削除・改善させており、(とはいえ放置されている部分も多いため、さすがに『1』や『2』の評価には及ばないものの)『3』と比べて評価は大きく改善している。
YAIBA NINJA GAIDEN Z
2014年発売。PS3・Xbox360向け。
『ロックマン』『鬼武者』『デッドライジング』を生み出した稲船敬二氏がコンセプターとして参加した。
主人公が新キャラクターであるカミカゼ・ヤイバに変更され、アメコミ調のグラフィックの中、ゾンビを相手に戦っていくという殆ど別のゲームへと生まれ変わった(世界観は従来作品と共有しており、リュウも登場する)。
吹っ切れたほどのエロ・グロ・ナンセンスな雰囲気と、歴代作の「滅却」のようなトドメ技を複数の敵に一気に決められる「エグゼキューション」というシステム、主人公カミカゼ・ヤイバの独特な性格とストーリー後半で見せる彼なりの正義感など、本作ならではの魅力もあるのだが、世界観が大きく変わってしまったが故か、メタスコアをはじめとした各レビューサイトで、『3』をも上回る酷評を浴びてしまっており、従来作のファンからの評価も『3』以上に手厳しいものが増えている。
また、その作風からニンジャスレイヤーに似ているとも言われている。
NINJA GAIDEN: マスターコレクション
『Σ』『Σ2』『3RE』の三作品をまとめたリマスター版。
2021年6月21日発売。対応プラットフォームはPS4/XbONE/Switch/Steam
(Xb版の『Black』『2』は非対応だが、オリジナル版のデータを復旧できなかったためとのこと)
PS3版をベースに移植し、そこにVITA版の追加要素を組み込んだ形となる。
ハードの高性能化によって(Switch以外)グラフィック、フレームレートが強化されている。
Switchに関しては安定60fps化は実現できなかったが、代わりに携帯機として遊ぶことができる。
ただしマルチプレイは廃止されており、『3RE』の該当モードは一人用に置き換えられている。
『Σ2』で大不評だったタッグミッションは、味方AIの強化、高難度ミッションの調整がされた(※)
※漠然とボスの攻撃力と体力を下げただけだが
一部の技が不自然に外れる等のバグはあるが全体的に移植度は良好で、概ね高評価を得ている。
『YAIBA』と『Σ2PLUS』の低評価、『3RE』以降続くシリーズ停滞により後味の悪い終わりを迎えていたNINJA GAIDENシリーズだが、本作の発売によってシリーズが忘れ去られていないことが周知され、同時に過去にやらかした汚名が返上された。
携帯ハード
NINJA GAIDEN Dragon Sword
08年ニンテンドーDS用に発売。DS本体を縦に持ち、タッチペンでキャラクターを動かす・技を出すなどの操作をする。
ストーリーは『1』と『2』の間を描く。
NINJA GAIDEN Σ PLUS
2012年発売。PSV用ソフト。
『Σ』の移植版で、イージーモードなどが追加されている。
フレームレートは30fpsだがほとんど処理落ちせず、据え置き版とほぼ変わらない操作感で楽しめる。
NINJA GAIDEN Σ2 PLUS
2013年発売。PSV用ソフト。『Σ2』の移植版。
処理落ちと解像度の低下が目立ち、コンボ数に制限がかかるなどのシステム改悪なども加わって、据え置き版の高評価からは考えられないほどの低評価を集めてしまった。
…と言うよりも元々『2』及び『Σ2』は旧世代ハードで開発された『1』とは違い、それぞれXbox360とPlayStation 3の性能を限界レベルまで引き出して製作されたソフトなので、それらのハードとほぼ同世代の携帯機ゆえに大幅に性能が劣るVitaへの移植は無理があったのだとも捉えられる。
マルチプレイモードのチームミッションは、一人用のタッグミッションに置き換えられた。
しかし杜撰な調整と上記改悪により、一部ミッションはPS3版をやり込み尽くした熟練のプレイヤーですら匙を投げるほどの超難度で、もはやクリア不可能とされている。すなわち事実上のプラチナトロフィー獲得不能のタイトルである(※)
※獲得率が0%ではないが、これは後年横行したチートによる不正との説が有力
現在こそ良くなっているものの、プラチナ獲得不能の件は修正されることなく、TeamNINJAは本作と『3』の影響で一時期ファンから懐疑的な目を向けられてしまう事になった。マスコレのSwitch版が発売されたことで携帯機という独自性も失っており、現在購入する意義は極めて薄い。