杜康潤
とこうじゅん
概説
漫画家の師は荒川弘。門下のアシスタントでも古参の一人であり、現在は独立。
杜康は荒川を「大将」と呼ぶ。
実家が大規模な檀家を抱える臨済宗禅寺であり、父の急死後は叔父による兼務住職を経て兄が寺の正式な住職として着任している。
その縁で新書館のウィングスにて『坊主DAYS』というお寺の住職やその家族の日常や、お坊さんになるまでの修行の日々をまとめた漫画を短期連載し、プロデビューを果たす。
幼少期は実家の広い境内で、姉を含めた兄妹3人で走り回って育ったとのこと。また父の真似をして亡くなった生き物に般若心経をうろ覚えで上げたりもしていたという。なお、あくまでうろ覚えであるので、実際の唱えると無限ループ待ったなしだそうで...
荒川とは師弟関係もそうだが、筋金入りの「三国志」愛好者としても誼を交わす仲である。
中国好きが高じて中国雲南省昆明に1年近く留学していた経験があり、その経緯は「中国トツゲキ見聞禄」というエッセイ漫画にまとめられている。なお全2巻のうち第1巻は昆明の大学への留学についてまとめられているが、第二巻は「孔明たずねて20000キロ」の副題の通り孔明がかつて南征をした中国南部をはじめ全土にわたる三国志の史跡を巡りまくった足跡となっている。なお、この留学から戻ってきた後中国がとても恋しくなり、アシスタント先の荒川から依頼された取材も兼ねて再度中国に渡航した際はすっかり懐かしさに染まってしまい、それ以後も頻繁に中国に向かっている様子。
特に諸葛亮孔明のマニアであり、「自分の死後は孔明先生の眠る定軍山に散骨して欲しい」と宣うほど。ちなみに高校時代に三国志に出会った時から孔明と並んで曹操のことも大好きである。自身の中国留学の顛末をまとめた漫画では某ドキュメンタリー番組のテーマソングに準えて、「孔明先生がヘッドライト、曹操様がテールライト」と語っている。(同時にこの2人は相容れない関係のため、「こいつと一緒にするな!」と本人たちは怒っていた)
なお、曹操好きが高じて曹操の墓と見られる遺構が発見されたという速報が舞い込むや即座に大陸に渡り曹操の墓参りに向かった。当然発掘現場の警備員や責任者に「極秘情報をすっぱ抜きに来たか?」と疑われるも寺生まれゆえに持ち歩いていた数珠や線香のおかげで「これは確かに墓参りだ」と納得され、特別に発掘現場に立ち入れさせてもらったこともある。先生何やってるんすか。
その甲斐あってか、2010年芳文社「まんがホーム」にて『孔明のヨメ。』による長期連載を獲得し、一躍有名となった。
なお師匠とは肉体派漫画家という意味でも共通しており、デビュー前の実家で斧で風呂焚き用の薪割りを日課にしていたため、当時はかなりの腕力と背筋を持っていたを伺わせている。