概要
スクラル星人の大規模侵略「シークレット・インベージョン」によってアイアンマンことトニー・スタークは失脚した。
代わりに、スクラルの女王を殺害したノーマン・オズボーン…グリーンゴブリンがS.H.I.E.L.D.長官の座についた。
オズボーンはS.H.I.E.L.D.を「H.A.M.M.E.R.」と名を改め、傘下たるアベンジャーズもまた彼の思い通りに動く者たちだけで再結成させた。
これが「ダークアベンジャーズ」である。
ただし、ダークアベンジャーズはコミックのタイトルであり、作中では単なる(そして正当な)「アベンジャーズ」とだけ称している。
メンバー
一見、メンバーにはスパイダーマンやウルヴァリンといった有名なヒーローが参加しているように見えるが、実際は彼らは変装しただけの偽物であり、半数以上はヴィランである。
アイアンパトリオット
ダークアベンジャーズのリーダー。正体はスパイダーマンの宿敵・グリーンゴブリンことノーマン・オズボーン。
トニー・スターク製のアーマーを盗み出し、自分用に改造した。
後半、立場的にも精神的にも追い詰められた際には、かつての自分であるグリーンゴブリンのマスクに向けて話しかけている情緒不安定な場面も見られた。
スパイダーマン
ブラックコスチュームのスパイダーマン。正体は三代目ヴェノムであるスコーピオン。
短気かつ小心者の典型的な小物。
ウルヴァリン
正体は本物のウルヴァリンの実の息子であるダケン。父に恨みを持っている。
ちなみにバイセクシャル。
ホークアイ
正体は投擲の名人であり、デアデビルのヴィランであるブルズアイ。
慎重派で、スパイダーマン共々アスガルド侵攻には反対派だった(というより、そもそも賛成派がいない。積極的に反対していたのが二人)。
ミス・マーベル
正体はムーンストーン。本物のミス・マーベルが加入を拒否したため、コスチュームを着せただけ。
愚痴が多い。
アレス
※イラスト上の人物
軍神だけあって演説や作戦立案が得意で、意外にもチーム内では知性派だった。
神話が違うとはいえ、アスガルドの神々と戦うことは拒否していたが、オズボーンに、アスガルドはロキが支配する狂った国になったと騙される。
アスガルドの戦士たちに説得され改心し、オズボーンに怒りをぶつけるが、それが悲劇を招くことに…。
セントリー
地球最強のヒーロー。見た目といい強さといい、どう見てもスーパーマン。
彼自身は善人の真っ当なヒーローなのだが、「ヴォイド」というダークサイドを宿しており、暴走の危険を抱えている。(より正確に言えば、ヴォイドこそが彼の本来の人格で、セントリーとしての人格は言わば「極悪人の中に残っているわずかな良心」「狂人の中に残っているわずかな正気」)
温厚だがヴォイドのせいで情緒不安定で、オズボーンに操られる。
キャプテン・マーベル
貴重な本物のヒーロー。ミス・マーベル(ムーンストーン)に誘惑されてチームに加入し、結成時の記者会見にも登場していたが、ヴィランだらけのチームであることに気付き、すぐに脱退している。
エピソード
半分以上がヴィランで結成された悪のアベンジャーズであるが、実際の所、オズボーンは割と真面目に平和のために戦っていた。
モルガン・ル・フェイからドクター・ドゥームを救出したり、反ミュータント暴動の鎮圧、連続失踪事件の調査などを行っている。
しかし、やはり元が悪人だからか、やり方に多大な問題があった。
例えば、最強のヒーローたるセントリーをコントロールするために彼の妻を殺害(セントリー自身には自殺だと伝えた)し、彼をヴォイドに近づけた。
また、突如国内に出現した「アスガルド」の処遇について、ロキに唆されたとはいえ、自作自演を通じて大義名分を得て侵攻を試みた。
ただ一人立ちはだかったソーをダークアベンジャーズの面々で袋叩きにする一方、アスガルドの神々に説得されたアレスがオズボーンの侵攻を止めようとするも、これをセントリーが素手で頭から真っ二つに引き裂いて殺害。
ソーの救援に現れたキャプテン・アメリカ率いるヒーローたちによってオズボーンたちは倒されるが、オズボーンは咄嗟にセントリーにアスガルド破壊を命じる。
セントリーはその力をもってアスガルドを瞬時に破壊し、同時に完全にヴォイドと化した。
故郷の地が瓦礫に変わる光景を見て心変わりしたロキの援護もあって、ヒーローたちが辛くもヴォイドを倒した。
事件後、生き残りのメンバーも各々で逃走、あるいは逮捕され、ダークアベンジャーズは崩壊した。
前身
ダークアベンジャーズの結成エピソードは2009年に発行されているが、『表向きはヒーローチーム・実体はヴィラン集団』というパターンはサンダーボルツ(1997年結成)という前例がある。
初代リーダーは五代目シチズンⅤ、その正体は(キャプテンアメリカの宿敵の一人)二代目バロンジーモ。創設メンバーは配下のヴィラン軍団マスターズ・オブ・イーヴィルだが、リーダーであるバロンジーモを追放し正統派ヒーローチームに転向。
以後分裂・再編を繰り返し、リーダーはホークアイ(本物) → ノーマン・オズボーン → スカージ(ニューク？) → ルーク・ケイジと移り変わり、最終的にはオズボーンのダークアベンジャーズに統合される。
…なお、マスターズ・オブ・イーヴィル時代からダークアベンジャーズに到るまでの多くの段階でムーンストーンが参加している。
2022年6月、前述のサンダーボルツのMCU映画化の計画が米Deadline社によって明らかになり、同年7月のコミコンでは2024年6月26日に全米公開されることが正式発表された。
正式発表時点では原作での両チームにおいて重要な存在であるムーンストーンはMCUに登場していないが、シークレットインベージョンのドラマの2023年配信が既に決定している以上ダークアベンジャーズ結成の可能性もありうるのかもしれない。
関連イラスト
