概要
ちとかれとはアイドルマスターシンデレラガールズの黒埼ちとせと北条加蓮の病める者と癒えた病者、あるいはポテトの求道者と伝道者である。
北条加蓮は初期キャラの一人で、幼い頃病弱だった過去から屈折して無気力で体力もなかったが闘病期間に憧れて支えてくれたアイドルになった事で心身ともに健康になっていく。
患っていた病気も曖昧でどのような病気だったのかも闘病していた時期もいまいちよくわからない。
一方黒埼ちとせは7周年を期に追加された最新キャラの一人で、現在進行系で病弱。余命幾許もなく諦観していたがアイドルになった事で状況が変わっていく。なおこちらも患っていた病気の詳細は不明。
そのようなわけでこの2人を組み合わせる流れは以前からあったのだが、それとはあまり関係なくジャンクフードに興味津々なお嬢様とお嬢様にジャンクフードを教えるわるい先輩という組み合わせが多い(後述するように、ふたりの関係性に於いてフライドポテトは重要な位置を占めているキーアイテムである)。
オウムアムアに幸運をでちとせがロリ化した事から、ロリちとせをジャンクフードで餌付けする加蓮という変わり球もある。
また、どちらも東京都出身である。
ベッドの上にある未来
上記のように二次創作では絡ませられることがままあったふたりだが、公式媒体ではじめて本格的に描かれたのはシンデレラガールズ劇場 EXTRA STAGE23話『ベッドの上にある未来』である。
レッスン中に倒れたちとせを見舞いに来て具合を尋ねる加蓮。いつもの貧血だと言うちとせは加蓮に対し、療養中アイドルへの憧れを抱けた理由を訊ねる。
この回でのお互いの呼称は『加蓮ちゃん』『ちとせさん』で、ちとせに「随分遠慮がない」と言われた加蓮は「そういうキャラなので」と答えて笑いあった。
そしてベッドサイドにはお見舞いの品としてフライドポテトが置かれていた。見つけた千夜が何故フライドポテトなのかと戸惑うがちとせは「知ぃらない」と答えてこの回は幕引きとなる。
スターライトステージ内の仮想SNS『デレぽ』ではやはりジャンクフードで意気投合。ポテト欲が強くてたまらなくなって今夜はポテトと心に決めた加蓮がちとせとシェアした上、余った分を千夜への土産にしているなどまたもポテトで交流を深めている。
Story of Your Life
そしてちとせのストーリーコミュ『Story of Your Life』にも加蓮が登場。
新曲披露LIVEを催す事になったちとせだったが、不安から自主レッスンに熱が入るあまりオーバーワークで倒れてしまう。
LIVE自体もお流れになり病院で落ち着かない夜を過ごしたちとせの迎えにやってきたのはプロデューサーでも千夜でもなく加蓮だった。
加蓮は友達でもない自分を指名して差し向けた事を訝しむが、Pはちとせの体の事などを説明した上で面倒を見るよう加蓮に頼んだらしい。
一方でちとせは加蓮に迷惑をかけたと何度も謝る。スケジュールを気にされて「仕事入ってたらわざわざ来ないって。アタシそういう人間だし」としんげきの遣り取りを意識したかのような台詞も。
それでもなおさらに申し訳ない様子のちとせに「あのさあ…… あんた昨日ぶっ倒れたんだよ。今日のステージも飛ばして。心身ともにボロボロで、なのに独りにしておいてって? 他人に気を遣えるのに、自分には気を遣えないの? 優しくされときなよ」
基本的にちとせを『ちとせさん』と呼ぶ加蓮だがここでは『あんた』と呼んでいる。
「みんなにも、加蓮ちゃんにも迷惑をかけちゃったし……」
「あ、アタシはその『みんな』には入れないでいいよ。べつに、迷惑だと思ってないし」
それから事務所への道すがら病院の事やアイドル論など様々な事を話し合い、すっかり気のおけない仲になったようだ。ちとせにとってはそういった事を言われるのは初めてだったそうで、加蓮の優しさを嬉しく思ったと言っている。
その後、快復したちとせは無事リスケLIVEを成功させる。
加蓮との会話が蘭子やほたるのそれと合わせて千夜やプロデューサーには出来ない形でちとせに変化を齎しLIVE成功に寄与したのはコミュ中の描写から推測できるところである。
終演後、千夜がプロデューサーを『お前』ではなく『プロデューサー』と呼ぶ場面に出くわして思わず笑ったちとせに対してブラックジョークを飛ばしたり、長生きはするものだと感慨を漏らすのに対して70年後くらいに言えと返したりするのだった。
そしてちとせのSSR『此岸の逢瀬』では、夏は苦手だったがあと70年は生きるから慣れなくてはならないとStory of Your Lifeを受けたかのような台詞がある。
春風が吹く頃に
『M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! M@GICAL WONDERLAND!!!』翌日の2022年4月4日に実装された加蓮のSSR『春風の吹く頃に』の特訓前で渋谷スクランブルスクエアのエスカレーターに乗ったちとかれが描かれた。
『劇場わいど☆』では渋谷凛『アストラル・スカイ』の特訓前でこの屋上にあるSHIBUYA SKYで集まっていたシリウスコードの面々とも共演している。
その他の描写
ちとせは病欠のため高校を留年しているという設定があるが、これは346アニメでは加蓮が凛(1歳歳下)と中学時代に同級生だったという設定を換骨奪胎したものであるという説がある。
また、『劇場』4話では加蓮がセーラー服、『劇場わいど☆』264話ではちとせがウェディングドレスで、どちらも人前では澄ました顔をしていたものの、一人になって他者の目がない場面では憧れの衣装にはしゃぐ様子という共通点が描かれている。
リアルLIVE
10周年LIVEM@GICAL WONDERLAND TOUR!!!では愛知公演の延期により初公演となった福岡公演『MerryMaerchen Land』に両名とも出演。
1日目は『薄荷-ハッカ-』の次に『Beat of the Night』とふたりの曲が連続して歌唱され、2日目は『アンデッド・ダンスロック』に参加した。1日目の曲は当日のデレステイベント流行曲で、流行曲一覧で上下に隣り合って配置されていたため(属性順に並んだのでBotN→薄荷の順)期待する声もあったが希望が叶った形になる。
癒えた病者と病み死に抗う者というちとかれのキャラクターを意識した選曲やパート割りでの両日連続ちとかれ演出にちとかれPはいよいよ盛り上がったのだった。
なお、ちとかれPの中には愛知公演で披露されていたであろう千夜の『Drastic Melody』の存在から、ちとかれサプライズ曲を期待していた人もいたことを付記しておく。
ローゼンティアーズ
2022新春ドリームLIVEフェスティバル第7ラウンドにてついに正式ユニット化。
ローゼンはちとせの緋薔薇、ティアーズは加蓮のソロ曲『Frozen Tears』からだろうか。Frozen TearsのFを落とすとローゼンティアーズになるという考察もある。
歌うのが好きみたいと語るちとせに対して「じゃあ次は思いっきり笑おうよ」答える加蓮はさらに「今日が新しいスタートラインだよ!」と述べる。
ちとせ「私たちの歌が、みんなの心の中で、ずっと響き続けたら嬉しいな」
加蓮「綺麗に終わらせないでよね。私たちは、これからなんだから」
人生の『終わり』にアイドルとして記憶や想い出を遺していこうとするちとせに対してここが『始まり』でこれからだと語る加蓮。
ユニット名を得た二人がこれからどのような活躍を見せるのかが期待されるところである。
なお、同時期に登場した『ちびっこギルティ』と合わせて『M@GICAL WONDERLAND TOUR!!! MerryMaerchen Land』で歌唱した組み合わせが実装されたユニットでもある。LIVEの組み合わせを反映する時期だったのかも知れない。
ちとかれポテト部
「そっちの問題が解決したら、なんかおごってよ。そのくらいのお代はもらっても良いよね?」
「ポテトLサイズ、ケチャップ付きで。……ありがと、加蓮ちゃん」
『Story of Your Life』で加蓮がちとせを事務所に送り届けた別れ際の遣り取りである。
みんなに迷惑をかけたと負い目に感じているちとせに対して負担にならず気が済む程度の対価を求めた加蓮に対して加蓮の好物を差し出すちとせという応答で、病院から事務所までの道すがら種々話して相互理解を深め、気が置けない仲になった二人の関係を総括するセリフということになるだろう。
その前にも『ベッドの上にある未来』で加蓮がちとせへの見舞いにフライドポテトを持ってきたり、その後『春風が吹く頃に』のしんげきわいどでは写真にアフレコする大喜利で倒れた加蓮に対して「ポテトを食べれば復活する」と凛と千夜にアテられたりしており、二次創作では言わずもがな、フライドポテトはちとせと加蓮の紐帯として描かれている。
そしてツイッターでも節冒頭の遣り取りからプロデューサーが投稿企画を行っている。ルールは簡単で、フライドポテトが食べられる店に入り、一番大きなサイズのポテトを注文して『#ちとかれポテト部』ハッシュタグを付して写真を投稿するというものである。
上記のセリフは特にメニュー名が具体的に挙げられているため実施しやすかったのだと考えられる。
ツイッター企画では特に拘るところではないのだが、ケチャップはちとせの血を表しているのかも知れない。ちなみにトマトケチャップを単にケチャップと呼んで通じるのは日本くらいのものであり、ルーマニアでも生活していたちとせの日本人性が垣間見えるセリフである。
なお、ローゼンティアーズがユニット化した時期にはマクドナルドでのポテトのサイズが原料の輸入の関係でSのみに制限されており、2月7日に再度M・Lサイズの販売が再開された。フライドポテトが結びつけたユニットゆえにこの一連の出来事に絡めて語る言説も見られた。そして再開を期に初参加するPや、『春風が吹く頃に』実装記念に参加してみるPもあらわれた。
ソーシャルゲームに於いて共時性は他のコンテンツより重要な意味を持つと考えられる。ローゼンティアーズがドリームLIVEフェスティバルに登場したのは例外なく誰にとってもマクドナルドのポテトサイズが制限されていた2022年1月6日から7日なのである。
さて、『Story of Your Life』のラストは本来の日程でちとせの代役を務めた神崎蘭子と、心が折れそうになったちとせにアイドルを続ける理由を語った白菊ほたる、それぞれにちとせのリベンジLIVE成功に寄与した2人を加えた4人での打ち上げに向かう場面で締め括られている。
「さーて、後片付けも終わったし、プロデューサーさんは千夜と行っちゃったし、アタシたちだけで打ち上げしよっか」
「あはっ。ありがとう♪ じゃあ、ポテトLサイズ4つ、お願いしまーす♪」
ここでのポテトLサイズがどのような意味合いを持っているかは、節冒頭に引いた遣り取りから明らかだろう。
ちとかれ保護者会(仮)
ちとかれの対偶としてなおかれの神谷奈緒と、ちと千夜の白雪千夜のコンビ。
主に二人が注文して食べきれなかったポテトを食べる係。
雑記
- 『ちとから』(千歳烏山駅周辺エリア)と間違われることもあるようで、『もしかして』機能でちとからが表示されたりする。