概要
「凄すぎて何が悪い。」
『忍者龍剣伝』の主人公であり、格闘ゲーム『DEAD OR ALIVE』の操作キャラでもあるリュウ・ハヤブサが久々に主人公として復活し(時系列上は忍者龍剣伝が後ではあるが)、様々な武器や忍術を使って敵に立ち向かっていくアクションゲーム。
『NINJAGAIDEN』とは、『忍者龍剣伝』の海外タイトルであったものである。
「世界に通用するゲームを」というスタッフの方針からこの名前となった。
『忍者龍剣伝』同様の手ごたえのある難易度と、流血・切断要素たっぷりのハードな残虐描写、主人公リュウ・ハヤブサの強烈で爽快なアクション、そして硬派なストーリーから、特に海外で大きな人気を誇る。
『DOA』シリーズの元プロデューサーである板垣伴信氏が『初代』『Black』『2』の企画・制作を担当している。『Σ2』以降の作品は早矢仕洋介氏が担当している。
(『2』の発売後、板垣伴信氏はテクモを退社)
同じスタッフが製作する『DOA』の影響か、女性キャラクターの露出度が妙に高く、衣装が際どいことでも知られる。クリアしたモード等に応じてコスチュームが増える。『2』以降は全編リアルタイムレンダリング(『初代』は一部プリレンダリング)のため、カットシーンにおいてもそのコスチュームで進行する。
Pixivでは主人公リュウよりも女性キャラクターのイラストが多い。
ちなみに『龍剣伝』シリーズのディレクターを手掛けた吉沢秀雄氏は『NINJA GAIDEN』シリーズの開発前にテクモを退社しているため、同シリーズには一切関わっていない。ただ『3』にて『龍剣伝』の開発メンバーの一人である加藤正人氏がシナリオライターとして復帰している。
忍者龍剣伝、DOAとの繋がり
このシリーズは、時系列的には『忍者龍剣伝』の前であるとされる。
(時系列順に並べると『NINJA GAIDEN』シリーズ→『忍者龍剣伝』→『DOA』シリーズとなる)
『2』まではあやねがゲスト出演する程度で『忍者龍剣伝』『DOA』シリーズとの繋がりは薄かった。『3』からはハヤテやシースワロー(アイリーン)の名前が出てくる等、世界観が共有されていることが描写されるようになった。『DOA5』にムラマサが登場する等こちらの設定が向こうに逆輸入される例も。
また『DOAD』に登場するアイリーンが『2』のソニアそっくり等、関係性を匂わせる描写も。
主な登場人物
リュウ・ハヤブサ | あやね |
---|---|
隼一門の若き忍で龍剣の継承者。 | リュウとは別の一派のくの一。 |
レイチェル | ソニア |
魔神狩りを生業とする美しきハンター。 | CIAの女性エージェント。 |
紅葉 | カミカゼ・ヤイバ |
隼一門に属する龍の巫女。 | リュウと敵対するサイボーグニンジャ。 |
シリーズ作品(据え置きハード)
NINJA GAIDEN
2004年発売。Xbox専用ソフト。
ゲームとしての完成度は高いが、後の作品に比べるとシステム面で未完成な部分が多く見られる。
(スティックで視点操作ができない、難度が一つしかない、ボスを一部の技でハメられる等)
後にDLC『ハリケーンパック』(※)により、様々な追加要素が実装され完成される。
※現在は配信停止中
龍剣と対をなす暗黒剣黒龍丸の奪還と、ハヤブサの親友呉葉の仇であるドーク重鬼卿への復讐の為に「神聖ヴィゴル帝国」を駆け回るというストーリーである。
ちなみにオマケ要素として『忍者龍剣伝』三部作(の巴版)が遊べる。
ただしXb360だとバグでフリーズしてしまうため、プレイするためには初代Xboxが必要。
NINJA GAIDEN BLACK
2005年発売。Xbox専用ソフト。初代のアップグレード版である。
(厳密には初代のDLCである『ハリケーンパック』を買えないオフライン勢に向けた救済措置)
カメラ操作、難度選択などのシステムが追加され、ボスの挙動も改善(凶悪化?)された。加えてNORMALでも難しいという人向けに、3回ゲームオーバーになるとあやねから様々な救済措置をもらえる「NINJA DOG」モードを選ぶことができるとうになった。
XboxクラシックとしてXbox360向けに配信もされており、XbONEの後方互換にも対応している。
オマケ要素でアーケード版の『忍者龍剣伝』を遊ぶことができる。
NINJA GAIDEN Σ
2007年発売。PS3専用ソフト。後にPSVに移植。
初代の移植版で、グラフィックが向上している他、難易度が全体的に調整された。
またメインヒロインのレイチェルが一部のステージでプレイアブルキャラクターとして操作できる。
NINJA GAIDEN 2
2008年発売。Xbox360専用ソフト。
邪神の復活を阻止するため、リュウが世界中を駆け回るというストーリーである。当時はシリーズ最終作と銘打たれた。『NINJA GAIDEN』シリーズの生みの親である板垣伴信氏の最後の作品である。
敵の首や四肢を斬り飛ばす「欠損」と、手足を失った敵に一撃必殺のトドメ技を放つ「滅却」というシステムが導入された結果、残虐描写が前作よりも跳ね上がった為、18歳未満は購入ができなくなっている。
最高難度「超忍」の難しさが常軌を逸しており、ファンの間で語り草になっている。
(イージー/ノーマルに該当する忍/強者は万人向けの難度なので安心されたし)
NINJA GAIDEN Σ2
2009年発売。PS3用に発売。後にPSVに移植。新生Team NINJA初のNINJA GAIDENとなる。
『2』のリメイク版で、あやね、レイチェル、後述の『Dragon Sword』のヒロインである紅葉が一部のステージでプレイアブルキャラクターとなった。またシリーズで初めてマルチプレイモードのチームミッションが実装された。
欠損描写とレーティング(CERO-D)を両立させるためか、出血や切断面を紫色のエフェクトで誤魔化す手法を取っており、この辺り歴代ファンの間では賛否が分かれる。
世界観やストーリーが一部変更されており、『3』以降の作品は本作の設定に準拠している。
(ハヤブサ親子の戦いを描く前日譚、原作に存在しなかった紅葉の活躍、地蜘蛛一派の結末等)
投げの低速化、敵配置数の減少、ボス戦の調整等により(本編の)難度は原作よりも低い。
原作の「超忍」で投げた人でも安心の設計で、新規にもオススメの1本。
プラチナトロフィーの難度が異常に高いことで有名で、発売から一ヶ月間コンプ者が出なかった。
(2022年現在でも獲得率は0.9%である)
NINJA GAIDEN 3
2012年発売。PS3・Xbox360用。シリーズ初のマルチプラットフォーム。
プレイヤーキャラはリュウとオンラインモードの名もなき忍。
新しい製作陣による完全新作となる。しかし「刀で人を斬る」ことに軸を置いたシステムの大幅変更を行った結果、全体的にアクションの爽快感が減少し、歴代作のファンから手厳しい批判が飛び交っている。
リュウがこれまでのような完璧な超忍ではなくなり、黒幕とライバル(黒幕の実兄にして操り人形)の呪いと精神攻撃に苦しめられ、敵組織は政府機関と関わりがあるなど、ストーリーの雰囲気がこれまでと大きく違っている。
あやねがハヤテのもとで働いている、シースワロー(アイリーン)やロバートが登場する等、これまで(ほぼ)無視されていた『忍者龍剣伝』『DOA』との繋がりが描写されている。ほかオートガード/回避が発動する「ヒーローモード」が初めて実装された。
NINJA GAIDEN 3 RAZOR'S EDGE
2013年、Wii U・PS3・Xbox360向けに発売。
手厳しい批判を受けた『3』に『2』までのシステムを導入し、『3』で削除された欠損描写も復活させたリメイク作品。あやね編の追加、紅葉、かすみのプレイアブル化等の追加要素もある。
欠損描写の復活に合わせてレーティングが再びCERO-Zに引き上げられた。
ストーリー面でも瀕死兵強制殺害イベントなど批判された部分を削除し、アイリーンの出演シーンが増える等『忍者龍剣伝』との繋がりを意識した描写が強化された。
戦闘に関しても爽快感のある新アクション「空禅」や、カウンター技「断骨」を主体にした駆け引きは概ね評価された(とは言え放置されている部分も多い)。こうした取り組みから流石に『1』や『2』には及ばないものの、『3』と比べて評価は大きく改善している。
YAIBA NINJA GAIDEN Z
2014年発売。PS3・Xbox360向け。
『ロックマン』『鬼武者』『デッドライジング』を生み出した稲船敬二氏がコンセプターとして参加した。
主人公が新キャラクターであるカミカゼ・ヤイバに変更され、アメコミ調のグラフィックの中、ゾンビを相手に戦っていくという殆ど別のゲームへと生まれ変わった(世界観は従来作品と共有しており、リュウも登場する)。
吹っ切れたほどのエロ・グロ・ナンセンスな雰囲気と、歴代作の「滅却」のようなトドメ技を複数の敵に一気に決められる「エグゼキューション」というシステム、主人公カミカゼ・ヤイバの独特な性格とストーリー後半で見せる彼なりの正義感など、本作ならではの魅力もあるのだが、世界観が大きく変わってしまったが故か、メタスコアをはじめとした各レビューサイトで、『3』をも上回る酷評を浴びてしまっており、従来作のファンからの評価も『3』以上に手厳しいものが増えている。
また、その作風からニンジャスレイヤーに似ているとも言われている。
NINJA GAIDEN: マスターコレクション
『Σ』『Σ2』『3RE』の三作品をまとめたリマスター版。
2021年6月21日発売。対応プラットフォームはPS4/XbONE/Switch/Steam
(Xb版の『Black』『2』は非対応だが、オリジナル版のデータを復旧できなかったためとのこと)
PS3版をベースに移植し、そこにVITA版の追加要素を組み込んだ形となる。
ハードの高性能化によって(Switch以外)グラフィック、フレームレートが強化されている。
Switchに関しては安定60fps化は実現できなかったが、代わりに携帯機として遊ぶことができる。
マルチプレイは廃止されており、『3RE』の該当モードは一人用に置き換えられている。
『Σ2PLUS』で大不評だったタッグミッションは、味方AI強化、一部ミッション調整により改善(※)
※漠然とボスの攻撃力と体力を下げただけだが
一部の技が不自然に外れる等のバグはあるが全体的に移植度は良好で、概ね高評価を得ている。
携帯ハード
NINJA GAIDEN Dragon Sword
08年ニンテンドーDS用に発売。
DS本体を縦に持ち、タッチペンでキャラクターを動かす・技を出すなどの操作をする。
『3』や『DOA5』に登場する紅葉のデビュー作でもある。ストーリーは『1』と『2』の間を描く。
NINJA GAIDEN Σ PLUS
2012年発売。PSV用ソフト。
『Σ』の移植版で、イージーに該当するヒーローモード、パラメータを強化する装具等が追加された。
フレームレートは30fpsだがほとんど処理落ちせず、据え置き版とほぼ変わらない操作感で楽しめる。
NINJA GAIDEN Σ2 PLUS
2013年発売。PSV用ソフト。『Σ2』の移植版。
処理落ちと解像度の低下が目立ち、コンボ数に制限がかかるなどのシステム改悪なども加わって、据え置き版の高評価からは考えられないほどの低評価を集めてしまった。
…と言うよりも元々『2』及び『Σ2』は旧世代ハードで開発された『1』とは違い、それぞれXbox360とPlayStation 3の性能を限界レベルまで引き出して製作されたソフトなので、それらのハードとほぼ同世代の携帯機ゆえに大幅に性能が劣るVitaへの移植は無理があったのだとも捉えられる。
マルチプレイモードのチームミッションは、一人用のタッグミッションに置き換えられた。
しかし杜撰な調整と上記改悪により、一部ミッションはPS3版をやり込み尽くした熟練のプレイヤーですら匙を投げるほどの超難度で、もはやクリア不可能とされている。すなわち事実上のプラチナトロフィー獲得不能のタイトルである(※)
※獲得率が0%ではないが、これは後年横行したチートによる不正との説が有力
アップデートで多少は改善されたものの、プラチナ獲得不能の件は修正されることなく、TeamNINJAは本作と『3』の影響で一時期ファンから懐疑的な目を向けられてしまう事になった。マスコレのSwitch版が発売されたことで携帯機という独自性も失っており、現在購入する意義は極めて薄い。