危険度:★★★★★★(桁外れ)
概要
不可侵の深界六層「還らずの都」に生息する全高20mはあろうかという巨大な原生生物。
殲滅卿ライザの封書によって存在が明らかになった。
タツノオトシゴに小さな翼と無数の節足を生やしたような見た目をしている。
深界六層の上位捕食者と目されるが、他の生物を捕食しているところが目撃されたことがなく、何を食べて生きているのかを含めて生態のほとんどが分かっていない。
排泄物が燃えているのが目撃されているほか、下半身の小さめの脚は体の動きと無関係に動いていることがあり、ナナチからは「オスが子どもを腹に抱える習性をもった生物」と関連付けて子どもの脚である可能性が指摘されている。
縄張り意識が非常に強い上に執念深く、呪いも無視して立体的に動いて獲物を狙う。一方で気まぐれで縄張りを変え、新たに縄張りとした土地を気まぐれで踏み潰していく。
全身を覆う古い鱗は衝撃を受けると破裂し、刺激性の毒を噴出するという厄介な性質を持つ。それにも関わらずオス同士の争いは激しい体当たりであるという。
6本の長い脚の先にある鋭い爪は衝撃が加わると瞬間的に硬度を増す性質があり、これまで火葬砲と同質の力以外では傷一つ付かなかったレグのメカ部分を損傷させ、衝撃だけで他の原生生物がバラバラに弾け飛ぶほどの威力を持つ。また、内臓に貯めた石や金属などのつぶてを分泌物と合わせて口から砲弾のように吐き出す攻撃方法もあり、着弾するとつぶてと分泌物の熱波によって大きな被害をもたらす。
深界に生息する生物であるため力場を読むことができ、タマウガチと同様の未来予知に近い勘の良さも備える。
極めて高い攻撃性、不死身と思えるほどの生命力、予知に等しい勘の良さを併せ持ち、その危険度は「1匹で六層におけるクオンガタリのコロニーに相当する」と評される。危険度指数はタマウガチやクオンガタリも超える★6つの「桁外れ」であり、現時点で判明している中では最も危険度が高い原生生物である。
決して立ち向かうべきではないが、その巨体故に高所から落とすことができれば大きな打撃を望めるかもしれない。
劇中での活躍
姿そのものは原作一巻(アニメ1期2話)にて回収されたライザの封書の1枚として物語のごく初期段階から示されている。
深界六層「還らずの都」にリコたちが辿り着いてから本格的に登場する。食用できる生物を探していたリコたちが最初に見かける六層の原生生物となるが、ライザの封書によって「クオンガタリの群れ並の危険度」と把握した一行は即刻パスし別の生物を探すことにした。
その後、ファプタに連れ去られたレグが成れ果て村「イルぶる」へ帰る最中に遭遇し、彼を執拗に追跡する。予知によって動きを読み、爪の一撃でレグの左腕を欠けさせ、離脱しようと伸ばした腕も吐き出したつぶてで叩き落すなど終始圧倒するが、レグが縄張りから出たためかそこで追跡を止めた。
本編より以前にはファプタに付き従うガブールンの匂いを覚えて襲いかかり、機能停止に追い込んでいる。
火葬砲不使用とはいえ奈落の至宝であるレグが歯が立たず、レグを正面からねじ伏せる力をもつファプタからも「手に負えない」と恐れられており、原生生物の中でも際立って強大な存在として描かれている。
ライザの封書でも記されていたのはオス同士の争いについてで食用に適するかは不明であり、数多の原生生物を倒し食レポを綴ってきたライザもリュウサザイを仕留められなかったか、あるいは戦いを挑まなかったと考えられる。
以下ネタバレ
リコさん隊とファプタの前に最後に立ち塞がる、「成れ果て村編」のラスボス。
村に侵入を果たし、レグとの戦闘も制したファプタがベラフによって母の記憶を得た直後、守りが消えたことで村の存在を察知し、無数の原生生物を引き連れて出現。
精算システムを担っているファプタの兄弟たちや、傷付いてもなおファプタを守ろうとしたガブールンを立て続けに葬り去り、ファプタ自身も吐き出したつぶてで吹き飛ばして全く動けなくなる重傷を与え、心身ともに徹底的に痛めつけた。
他の原生生物たちが成れ果てやファプタを捕食することを目的に襲い掛かる中で、リュウサザイだけは他の生物を捕食しようとする様子が一切見られず、概要で述べられているように本当に捕食行動をするのか不明のままである。また、アニメ版ではガブールンを破壊する際に、痛めつけるように少しずつ爪で突いて壊していくという残忍さが垣間見えるかのような描写になっている。