この記事にはネタバレが含まれます。
「その不自由を選んだのは……私の自由だ。そして、その選択を止める自由があっても……私はまだそれを選ばない」
「私は忘れることなんて出来ないし、諦められる訳がない。私が、私である限り……私の自由で今の生き方を選び続ける」
プロフィール
通り名 | 不滅、逢魔ヶ刻、破滅の再来(ルイン・リターナー) |
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本名 | 不明 |
年齢 | 二十代 |
身長 | 172cm |
メインジョブ | 【冥王】(死霊術師系統高位霊術師派生超級職) |
エンブリオ | 【冥導霊后 ペルセポネ】 |
初登場 | 2巻TwitterSS、第六章外伝①、書籍16巻 |
概要
チュートリアルを担当したチェシャから「自由」を受け取った三人のマスターの一人。
同時にデンドロ世界の為にリアルを犠牲にしている筆頭でもある。
本編で初登場したのは蒼白詩篇Ⅱからだが、第一部の時点でMr.フランクリンが存在を示唆していた。
人物
アバターはゆったりしたローブを着た、白髪の細身の男性。
体つきは病み上がりの病人のように痩せこけており、常に生気を感じさせない表情をしているなど、全体的に不健康そうな容姿をしている。
性格はお人好しの善人で、行き場の無い子供の面倒を見るような人物。一人称は「私」。
手荒な真似は好まず、相手から攻撃されない限りはなるべく穏便に対処しようとする。
スタート地点としてカルディナを選択した際、ログイン開始から間もなくして壮絶な光景を見てしまい、それによって『この世全ての不幸に死んだ子供達を完全蘇生させ第二の人生を与える』という荒唐無稽という言葉すら生温い望みを抱いてしまい、エンブリオの進化による可能性にかけた結果現在は自らのリアルすら投げ棄てている状況にある。
その在り方は作中のマスターの中でも重症と言えるレベルで深刻であり、彼のエンブリオを苦しめ続けている。
レイとは似ている様で異なる「諦めない男」。
レイが「眼前の悲劇を前に可能性を掴む者」であるのに対し、ベネトナシュは「悲劇の後に可能性を拾い直す者」とされている。
目の前で起こってすらいない悲劇の為に動き続ける男、それがベネトナシュなのである。
リアル
本名は不明。
2044年4月に大学受験を終えて念願のデンドロを購入し、そのクオリティに圧倒される。しかし、貧困によってティアンの子供が餓死する光景を目の当たりにし、それをきっかけに前述の思想に至る様になる。デンドロのログイン時間は一日22時間にまで上り、それ以外は必要最低限の行動しか行っていない。その身は枯れ木のように痩せ細り、入学した大学にもほとんど通っていない。
能力
死霊術師系統の超級職【冥王】と、アンデッドをサポートするエンブリオを組み合わせた死霊術特化ビルド。
戦闘スタイルは前衛役のアンデッドを召喚し、自身は後方からアンデッドのバフや攻撃魔法を駆使して戦う典型的なタンク&ウィザード。
それだけなら超級としてはパッとしないが、その本領はエンブリオの必殺スキルにより、【天竜王 ドラグへイヴン】以外で唯一の魂からの死者蘇生が可能なこと。
ティアンは勿論マスターに倒されて魂をリソースとして使われていなければUBMすら(時間制限付きで)蘇生できる。
この能力で様々な死者の魂と契約を交わしており、その中にはかつて世界を揺るがした歴史上の強者も存在している。
彼らの持つ力を借りることで、様々な戦闘手段を実行可能な万能な戦力となる。
ただし必殺スキルには重いコストと準備時間が必要なため、常用や突発的な使用ができるわけではない。
またジョブスキルで死者と会話でき、その結果世界の真実もある程度知っている。
ジョブ
メインジョブ | 【冥王】(死霊術師系統高位霊術師派生超級職) |
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サブジョブ | 【死霊術師】(死霊術師系統下級職)、【高位霊術師】(死霊術師系統派生上級職) |
レベルは不明。
【冥王(キング・オブ・タルタロス)】
死霊術師系統高位霊術師派生超級職。
アンデッドの作製や強化で戦う後衛型魔法職。ステータスはMP特化。
アンデッドの弱点から日中は弱いが、ベネトナシュはエンブリオのスキルで日中でもアンデッドを問題なく使役可能。
同じ死霊術師系統派生の【大死霊】と比較してより純粋に《死霊術》に特化した『アンデッドを征す者』であるため、アンデッドそのものやアンデッドの動力源になる怨念を消滅させることにも秀でている。
エンブリオ
エンブリオ名 | 【冥導霊后 ペルセポネ】 |
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TYPE | メイデンwithキャッスル・ルール |
能力特性 | 死者保護&蘇生 |
到達形態 | Ⅶ |
紋章 | 髑髏を抱える女性 |
ベネトナシュの持つ超級エンブリオ。
メイデン体はギリシャ風のドレスを着た背丈が低い紫髪の少女で、どことなくネメシスを彷彿とさせる姿をしている。
一人称は「妾」で、ベネトナシュの事は「旦那様」と呼ぶ。
紋章に入るのが嫌いで常に外に出ている。
前述の悲劇の目の当たりにした際に孵化し、そのスキルで餓死した子供を三分だけ蘇生させたが、心に大きな傷を負ったベネトナシュが進化による蘇生時間の延長の可能性を問うた際「可能性はある」と答えてしまった事を後悔している。
人型のエンブリオ共通の特徴である食癖は「魂の入っていない物しか食べれない」。つまり踊り食いができない。
スキル特化なのでステータスは下級ガードナーにも負ける程貧弱。
特典武具
【刃竜王全身骨格 ドラグエッジ】
古代伝説級特典素材。
死霊術によって【ハイエンド・キングエッジ・スケルトンドラゴン】として黄泉返る。
- アラゴルン/【ハイエンド・キングエッジ・スケルトンドラゴン】
【刃竜王 ドラグエッジ】がアンデッドとして蘇生した姿。古代伝説級UBM相当のモンスター。
四足恐竜の全身骨格の様な姿で、仄暗く燃えるような輝きが両目にあり、如何なる名刀よりも鮮烈な輝きを放つ刃状の尾を持つ。
UBMの頃の知性を持つタイプで、ベネトナシュの事は「友」と呼ぶ。
ステータスはSTRとENDに特化。生前よりもENDは上昇したがAGIは落ちている。
アンデッドと化したことで強力な物理防御と無尽蔵の体力を得ているが、《竜王気》などの防御スキルやドラゴンが有する属性耐性は喪失している。
現時点でイラストは存在しないが、活動報告によると「ティガレックスにディノバルドの尻尾を付けて骨にしたような見た目」をしているとのこと。
【健生蛆靴 デ・ウェルミス】
古代伝説級特典武具。
装着者が受けた傷を蛆に変え、一定時間後に元の皮膚や臓器に置換する装備スキルを持つ。
装備補正はSP消費低減と自動回復。
有用な能力だが、能力の気持ち悪さから必殺スキルの残弾行きとなった。
【半騎地上 グレイテスト・ボトム】
グレイテスト・ワン討伐報酬の超級武具。
見た目は悪魔像(ガーゴイル)の下半身を象ったペンダント。
生前のグレイテスト・ワンの下半身部分を召喚する能力を持つ。
スキル
- 《地に立つ一騎当千(グレイテスト・ボトム)》:アクティブスキル
【グレイテスト・ボトム】の装備スキル。
【グレイテスト・ワン】の下半身部分を模したモンスター、【グレイテスト・ボトム】を召喚する。
【グレイテスト・ボトム】は生前の半分の能力を有しており、超級金属のボディによる物理防御に、あらゆる攻撃魔法を無効化する魔法攻撃完全耐性、尻尾を高速振動させて剣とする能力を持つ。
総合性能は神話級UBMに相当するが、防御能力に振っており攻撃能力は低め。
また、アンデッドではないのでベネトナシュのバフスキルが乗らない。
召喚中は秒間約3000ものMPを消費すると燃費は劣悪だが、事前にMPをチャージしておけるスキルを持っている。
スキル
ジョブ
- 《死霊術(ネクロマンシー)》:アクティブスキル
死霊術師系統のスキル。
MPを用いて死体をアンデッド化する。
強力な生物の死体ほどテイムモンスター化の難易度が高い。
術者の魔力を用いてアンデッドを作成・使役する魔力式と暴走の危険があるが術者の負担が少ない怨念式の二つがあり、ベネトナシュは前者を使用する。
- 《アウェイキング・アンデッド》:アクティブスキル
死霊術師系統のスキル。
《死霊術》によって予め作成し、待機状態にしておいたアンデッドを起動させる。
発動にはMPを消費する。
- 《ネクロ・オーラ》:アクティブスキル
【死霊術師】系統のスキル。
アンデッドにステータスバフを付与する。
- 《ネクロ・リペア》:アクティブスキル
【死霊術師】系統のスキル。
アンデッドに持続回復を付与する。
- 《ネクロ・エフェクト》:アクティブスキル
【死霊術師】系統のスキル。
アンデッドに微力の接触即死状態を付与する。
- 《デッドリー・エクスプロード》:アクティブスキル
【高位霊術師】の奥義。
周囲の怨念を燃料にして爆発燃焼させる攻撃魔法。
性質上怨念が充満している場所であるほど威力が高くなるが、その分爆発する範囲も広がるため周辺被害を考慮すると扱いが難しい。
使用後は周囲から怨念が消えるため、怨念を浄化することやアンデッドを消滅させることにも利用できる。
【大死霊】の奥義《デッドリー・ミキサー》と対になるスキル。
- 《観魂眼》:パッシブスキル
【冥王】の奥義。
死者・生者問わずに魂・幽体が見えるようになり、死者の魂との会話が可能となる。
ペルセポネの必殺スキルの為に必須なスキル。
エンブリオ
- 短時間蘇生(名称不明):アクティブスキル
ペルセポネの固有スキル。
僅かな間、死者を蘇生させる。
ベネトナシュの始まりとなったスキル。
- 《死者の覆い(カリプシ・トン・ネクロン)》:パッシブスキル
ペルセポネの固有スキル。
自分のパーティメンバーのアンデッドに対して、日光・炎・聖属性への耐性を常人並にするバフを齎す。
日焼けを防ぐこともできる。
- 【大死霊】化(名称不明):アクティブスキル
ペルセポネの固有スキル。
適性のあるティアンの死者を【大死霊】として蘇生する。
- 《冥導回帰門(ペルセポネ)》:アクティブスキル
ペルセポネの必殺スキル。
リソースを捧げて門を築き、構築した門から対象となる死者を装備品含めて全盛期の姿で召喚する時間限定の完全蘇生召喚スキル。
破格のスキルだがあくまで『死者を呼び戻す門を構築するスキル』なので蘇生対象の意志や行動への縛りは無い。
当然ベネトナシュやペルセポネを攻撃する危険もある。
そのためベネトナシュは呼び出す死者の魂に対し、彼らの頼みを解決する代わりに『こういうときにだけ協力する』という形で契約し、ペルセポネの中で待機してもらっている。
なお、契約していない魂でもその場に魂があれば蘇らせることはできるが、まず間違いなくコントロール不能なのでそうすることはほとんどない。
門を築くのに必要なリソースは蘇らせる対象の力量に左右され、強力な対象ほどリソース量が多くなる。
そのため捧げる用の弾として不要な特典武具を幾つか用意している。
蘇生対象
- 【琥珀之深淵】隊(アンバー・アビス・スコードロン)
かつて先々期文明で対『化身』の戦力として「煌玉竜」と呼ばれる兵器に搭乗していたパイロット達。対化身またはモンスター限定で蘇生に応じて協力している。
- とある国で「龍」と呼ばれた存在
【グレイテスト・ワン】戦時に召喚した存在。グレイテスト・ワンの動きを封じ、必殺の熱線すら防いでみせた規格外の強者。
名前は伏せ字となっているが、その特徴から正体はおそらくこの人。
余談
書籍版で彼が初登場する十六巻の表紙は、第一巻との対比で描かれている。
その在り方、思想、能力など、あらゆる点でレイ・スターリングと共通または対照的な部分が数多く散見され、彼のIFあるいは合わせ鏡の様な人物である。
関連タグ
衛宮士郎:悲劇による強迫観念で動くある意味同類。