「<超級>同士の愛憎劇。観られるチャンスはそうそうありませんから。できるだけ長く観ていたいと思うのは自然でしょう?」
プロフィール
本名 | 不明 |
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年齢 | 不明 |
身長 | 181cm |
メインジョブ | 【光王】(魔術師系統閃光術師派生超級職) |
エンブリオ | 【光輝展星 ゾディアック】 |
初登場 | 書籍12巻 |
概要
InfiniteDendrogramの登場人物。
アルター王国に所属しているマスターで、非戦闘職の【高位書記】に就いている。
しかし実際は超級職【光王】の座につく準超級で、準超級の中でも最強クラスの実力を持っている。
初登場は単行本12巻の書き下ろし部分。その後Web版にも登場し、単行本特典ssの常連キャラクターだった時期もあった。
人物
リアルでは作家であり、作品の材料として地球では体験出来ない様々な経験を求めてデンドロにログインしている。そうしてデンドロ内で得た経験を目を閉じたまま手帳に書きつけるという奇妙な行動を普段から行っている。
しかし取材のためなら手段を選ばず、事件の種をばらまくことも辞さない。
種を撒いたあとは基本的に手を出さず高みの見物を決め込み、事件に巻き込まれた人の感情や行動を小説の材料として興味深く観察するマッドサイエンティストじみた面を持つ。
そのくせ自分は指名手配とならないよう立ち回るのだからタチが悪い。
同じく作家であるマリーやベルドルベルとは違い心のブレーキが存在せず、どのような結末であれ自身の心境も含めて創作者として全てを糧にする。
やり口から自身の正体が露見することは稀だが、実情を知る人物たちからの評判は最悪で「取材犯」、「ノゾキ野郎」と野次られている。レイは彼をフランクリンの同類と評し、その心理を地獄変の一遍に例えている。
これらの行動以外にも作品の材料のためにわざと山賊に捕まってみたり、痛覚設定をオンにしてみたりと様々な行動を行っている。
ただ、あくまで物語がドラマティックに盛り上がる展開を望んでいる為、戦況を自分が望む展開に変えうる人物を守るためなら躊躇わず盾になる一面もある。
王国では指名手配されないように加減しているが、他国では国際指名手配にされない程度には暴れており、皇国では指名手配されている。
ただし顔と名前はバレていないため、ジョブ名のみの指名手配である。
そのこともあり普段はジョブを【高位書記】にしており、戦闘時のみ【光王】に切り替える。
討伐ランカーでもあり、順位はランキング掲載ギリギリの30位。もちろん戦争観戦のためにあえて留まっているだけであり、実力を鑑みればランキングはもっと上である。
重度の犬派で、犬が絡むと普段の落ち着いた挙動が一気におかしくなる。
リアル
本名は不明。作家。
メインで数年間書き続けている長編シリーズとその派生作品、新作の執筆など、仕事をそれなりに抱えている。
妹との仲は良好だが、ブラコン気味の彼女への対応にすこし苦労している。
戦闘能力
光魔法は強力な反面弱点も多いが、エンブリオで弱点を全て解決している。
自身は距離を取ったり光学迷彩で姿を隠し、戦場を俯瞰しながらレーザーで狙撃するマンチキン戦法を得意とする。
通称光速クソゲーシューティング。
この戦法を成立させているのは、複数の物事を同時にこなせるエフ自身の高い処理能力にある。
エンブリオと視覚を共有しながら正確な判断を下すことができ、魔法の複数使用も難なくこなす。
弱点として、エンブリオで代替しているものの消費が大きく、長期戦や消耗戦には向いていない。近接も得意としてないが、そもそも見つからないよう立ち回る上、いざとなれば近距離用の手札もある。こうしたエフの戦闘スタイルは、事前に溜め込んだ戦闘リソースを消費することで見かけの戦力を引き上げる、モンスターを召喚するスキルを持つ、光属性にまつわる攻撃手段と、偶然にもレイ・スターリングとよく似たものである。
光速という圧倒的な速度と高い対応力を併せ持った、準超級最強クラスの実力者である。
ジョブ
メインジョブ | 【光王】(魔術師系統閃光術師派生超級職) |
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サブジョブ | 【閃光術師】(魔術師系統派生上級職)、【高位書記】(書記系統上級職)、【魔術師】(魔術師系統下級職)、【書記】(書記系統下級職) |
光王中心の魔法職ビルド。
【光王(キング・オブ・シャイン)】
エフのメインジョブ。魔術師系統閃光術師派生超級職。
天属性の一つである光属性魔法に特化したジョブである。ステータスは無論MP特化。
光属性は、火属性に次ぐ威力、全属性最速の速度、アンデッドへの特効を併せ持ち、闇属性と相殺関係にある強力な属性。
しかし他の属性魔法と比べてMP消費量がかなり多いため、一回の戦闘で使用できる魔法の回数が少なく、さらに他の魔法発動までに時間がかかる、軌道が直線のため読み易いなどの欠点がある。
そのため、遠距離はともかく正面戦闘では遅れをとりやすい。
しかしエフはエンブリオでこの三種の弱点を全て克服しており、光魔法の恩恵を最大限に受けている。
エンブリオ
エンブリオ名 | 【光輝展星 ゾディアック】 |
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TYPE | レギオン・アームズ |
能力特性 | 光吸収・蓄積、スキル遠隔発動 |
到達形態 | Ⅵ |
エフの有するエンブリオ。
総計100個の宙に浮かぶ黒い球体で、エフはエンブリオ名になぞらえて「星」と呼称している。
球体はそれぞれ光を吸収・蓄積し、エフのスキルの発動媒体となる機能を持っており、
エフの視覚スキルを適用することで高空から周囲を視認するドローンのような運用ができる。
さらに蓄積した光をエフのスキルで発射することで、MP消費なく光魔法が使用できる。
また、相手の光攻撃に対して凝集させて盾にすることも可能。
操作範囲は広く、12キロ先でも操縦することができる。
前述の光魔法の3大欠点を、
- 消費の重さ...予め星に光エネルギーを充填し、それを消費して光属性魔法を使う
- 発動時間が長い...あらかじめ星の魔法準備を完了させておき、それを使用している間に自身や他の星の魔法の発動準備を完了させる
- 軌道が読まれ易い...星を使ってあらゆる方向から魔法を放ち回避空間を潰す
と、エンブリオを介すことで全て克服している。
数は多いが能力はあくまでも「光吸収」と「スキル遠隔媒体」の2つのみであり、どれも受け身の効果とエンブリオとしてはかなり控えめ。
その分必殺スキルに多くのリソースを注いでいるらしく、第六形態とは思えない強力な効果となっている。
スキル
ジョブ
- 光学迷彩
光学的に姿を隠す。姿は見えなくなるが、音や匂いは消せない。
- 幻影
立体映像を作り出す光属性魔法の一種。
本職の幻術師系統のスキルと違って音や匂いはなく映像のみだが、相手の狙いを逸らすには十分。
- 《グリント・パイル》:アクティブスキル
【閃光術師】の奥義。
高温のレーザーを発射する【閃光術師】最大の攻撃魔法。
- 《光環(コロナ)》:アクティブスキル
【光王】の奥義。
発動者を中心に、全方位に隙間なく超高熱のレーザーを放出する。
エンブリオ
- 《光吸収》:パッシブスキル
ゾディアックの保有スキル。
光エネルギーを100%吸収・蓄積する。
星ごとに吸収量に上限が存在する。
- 《ブラインド・チャージ》:アクティブスキル
ゾディアックの固有スキル。
《光吸収》の範囲を球体表面だけでなく、周囲の空間にまで拡張する。
副作用として星周囲の空間は闇に包まれる。
光のチャージを高速で行うためのスキルだが、発動中はMPを消費するためコスパは悪い。
- 《天に描く物語(ゾディアック)》:アクティブスキル
ゾディアックの必殺スキル。
光をフルチャージした星を触媒に、黄道十二星座をモチーフにしたモンスターを召喚する。
複数の種類があるタイプの必殺スキルで、星の消費数は種類によって異なる。
召喚されたモンスターは一つの命令を実行すると消え、24時間は再召喚できない。
種類は以下。
- 双星(ジェミニ)
エフと同じステータス・ジョブスキルを持つ分身を召喚する。
分身はエネルギーが切れるまで活動する。
消費する星数は不明。
- 盾蟹(キャンサー)
分厚い装甲を備えた大蟹型のモンスター。
エフに覆い被さるように寄り添い、エフへの攻撃を防御するタンク。
7個の星を消費する。
- 獅子(レオ)
象ほどの巨体と硬質な皮膚、屈強な四肢を持つ雄獅子のモンスター。
直接戦闘に特化しており、爪の一本一本が【剣聖】の《レーザーブレード》に匹敵するレーザークロウとなっている。その戦力は上位純竜に匹敵する。
自我がありエフのことを『うちの召喚主はイヌ科以外に厳しすぎる』と思っている。
9個の星を消費する。
- 天秤(ライブラ)
指定した対象を調べる能力をもつモンスター。
6個の星を消費する。
- 射手(サジタリアス)
機械と生物を混ぜたような多脚の射手型モンスター。
光の矢をつがえ、超遠距離からの光速精密狙撃を行う。
12個の星を消費する。
- 戴魚(パイシーズ)
超音速で飛行する魚型モンスター。
エフが乗ることで一時的に高速移動が可能。
消費する星数は不明。
- 死蠍(スコーピオ)
バスケットボール大の蠍モンスター。
尾部から放射線を照射する。
ダメージはなく、射程も長くないが、外部被曝による体内での化学変化の連鎖は、DNAや細胞膜を変質させ、機能障害を引き起こす。
「正常な状態に戻す」回復魔法であれば問題ないが、「細胞増殖による回復」である高速再生や回復アイテムでの回復を行うと、癌化した細胞が全身に廻り逆に致命傷となる。
対再生能力用の召喚モンスターといえる。
- 溢瓶(アクエリアス)
ゾディアックの内蔵エネルギーを一度に開放して広域拡散レーザーを放つ。
- 混沌山羊(カプリコン)
エフの切り札。必殺スキルによる召喚を融合させる。
融合させる数は何体でもよいが、使用には混沌山羊自身に使用する星に加えて、融合させる召喚の分の星を必要とする。
- 双星(ジェミニ)×溢瓶(アクエリアス)
双星と溢瓶の融合。
数十人の分身が全方位から時間差で《グリント・パイル》を放つ。
来歴
作品のネタのために山賊にわざと捕まり、閉じ込められた山小屋でメモを取っていたが事情を知ったレイに救助される。山賊に捕まってよかったと語ったり捕まった山賊たちの量刑を聞いたりするなどの奇妙な言動から彼には不審がられていた。
その後は遠距離からシュウとハンニャの会話を目撃し、《天秤》でハンニャの情報を掴んで超級同士の痴情の縺れを引き起こそうと企む(この時背後から飛び掛かってきた【ブラッディ・ドラグタイガー】というモンスターを返り討ちにしている)。
愛闘祭が始まるとゾディアックを介してギデオンの人々を観察し、やがてフィガロとハンニャの二人を見つけるも思ったような展開に発展しないことに落胆し、フィガロに泣きつく月夜の写真を新聞社に投稿、ハンニャを暴走させフィガロと戦わせることに成功する。その後も戦闘を引き延ばしてより長く観察するためにクルエラ山岳地帯からフィガロを妨害するもあまりに直接的な妨害をしたためにレイに見つかり、彼の取材も兼ねた戦いを始める。
戦闘ではレイの《シャイニング・ディスペアー》をゾディアックで吸収して無力化し、《盾蟹》を召喚して光属性攻撃によって彼を攻め立てる。
ダメージをうけつつも【黒纏套】のおかげで辛うじて死亡しないレイに《双星》を呼び出し、さらなる波状攻撃を浴びせる。
それでも撃破には至らず、なかなか死なないレイに次第に焦燥感を感じ始め、やがてゾディアック越しで激しい怒りに満ちたレイの瞳を見て作品の材料にできない強い恐怖を覚え、《地獄瘴気》で視界を潰されながらも【光王】の奥義《光環》を発動、キャンサーでトドメを刺そうとする。だがキャンサーが狙ったのは黒纏套を装備したネメシスであり、接近したレイに殴打と共に獄炎を浴びせられる。態勢を立て直す間もなく瘴焔姫ガルドランダによって【ブローチ】、ジェミニ、キャンサーを瞬く間に破壊され、全ての星を使って最後まで抗うも態勢を整えたレイの《復讐するは我にあり》を受けて敗北した。
ハンニャを暴走させ、ギデオンに混乱を巻き起こした元凶ではあるが、あくまでも新聞社の企画に応募しただけに過ぎず、写真についてもエフの名義ではなかったため罪にはならなかった。
ただ関係者に名前が知られてしまい、事件の責任を負わされた月夜にクラン総出で追い回されることになり、ほとぼりが冷めるまでカルディナへ逃亡した。
web版で展開されている<トライ・フラッグス>でも登場。書籍12巻の展開はWeb版でも似たようなことがおきたものとして処理されている。
王国と皇国の戦力バランスを調整する為暗躍しており、レイが重傷を負って意識を失っているタイミングでデス・ピリオド、ルークと接触する。
当初は『眠っているレイを殺すのと守る、どちらが面白いか』とルークに問かけ、ルークが『レイを殺害する展開なら意外性ばかり重視した三文小説になるだろう(要約)』と答えた為護衛に参加。
その後スプレンディダの変装に気付いてあぶり出すも、それがレイ達を隔離する為の罠であった為特典武具の異空間に閉じ込められる。
スプレンディダとジュバのタッグを相手に、スプレンディダの『光による再生』を自身のエンブリオで封殺する事に成功し、それでもデスペナにならないスプレンディダに疑念を抱きつつもアシストし続け、黒纏套にこっそり光をチャージさせる等して復活したレイの勝利に貢献する。
しかし異空間の解除と共に現れたスプレンディダが、【猛毒王】の最終奥義《運命(デスティニー)》をレイに発射。
ここでレイが死ぬのはつまらないと考えたエフは、レイを突き飛ばして身代わりとなる。
エフの行動に困惑しながらもかつて敵対した自分に悲しみ、悔やみを見せるレイに驚きつつ、スプレンディダのパーソナリティと状況から彼の秘密を看破し、レーザーで床にヒントを残す形でルーク達に託し、レイが<トライ・フラッグス>を盛り上げる事を期待しながらデスペナとなった。
余談
エフが書籍12巻で登場した理由は海道左近氏いわく、Web版のままだと四巻連続で主人公であるレイのバトルシーンがなしになること、アニメ版が放送される時期に発売する最新刊で主人公の活躍がないのはいかがなものかということで、レイのバトルを描くために登場したという裏事情がある。
そういったこともあり、12巻はページ数の調整が大変だったとのことで、書籍化に伴いカットされたシーンも存在する。
格下であるレイとの戦いで敗北した理由は普段のセオリーと違う戦い方をしたことと、戦闘時において複数の条件が重なった結果である。
エフは遠距離から俯瞰し、エンブリオや光魔法で攻撃するのが本来のスタイルだが、事前に山小屋でレイと出会っていたこともあり、「これまで数多の強敵に通常では考え難い勝利を重ねてきた“不屈”とは、ぜひ話しながら取材(バトル)したい」と思い、好奇心からあえてレイに近づいて戦闘を行った。つまり「エフ本体に手が届く距離で戦い始めた」ことが最大の敗因である。
後者は
- 「レーザーへのメタ装備である【黒纏套】」
- 「フィガロとハンニャの観戦に処理能力を割いていた」
- 「戦闘に有利な必殺スキルのいくつかを温存した」
それらが積み重なったところにレイに気圧されたことによる動揺、エフの意表を突いたレイの奇策が絡み合った結果敗北したとのこと。
特に《光吸収》のスキルを持つ黒纏套の存在は大きく、レイは黒纏套がなければ九割九分負けていたと述べている。
関連タグ
InfiniteDendrogram マスター(デンドロ) 準超級 アルター王国 レイ・スターリング
岸辺露伴・・・作品のネタのためには手段を選ばない作家つながり。自身の意に反すると感じたら己の利益を度外視した行動に出るところも共通している。