「ねぇ、キミも…、 うれのこったの?」
概要
絶体絶命でんぢゃらすじーさん大長編第5弾『いのちときもちとぱぱぱぱぱーっ!?』に登場した柴犬。額の前髪のような毛が特徴的。
最近、街に出来たペットショップ「ステイル」を経営する店長・ステイルのペットとして売れずにたった3日売れ残った犬や猫を「うれのこり(ゴミ)」として店の地下に閉じ込め、殺処分してから捨てるという身勝手極まりないルールによって檻に閉じ込められたまま地下送りにされた動物の唯一の生き残り。最初こそは出して欲しいと悲願するもステイルに「テメーは死ぬまで檻のなか、そしてめでたく死んだら捨ててやる」と嘲笑われたうえ、両親といった「(自分が)死んでも悲しむ人がいない」と半ば諦めるように自身の死への恐怖を受け入れていたが、「 …たった一度でいい…、せっかくこの世に生まれてきたんだもん… ーー青空の下で………、おもいっきり走りたかったなか……!!」という夢を持っていた。
作中の動向
※以下、ネタバレ注意!
ペットショップにじーさんや孫、ちゃむらいとともにやって来てトイレを探して偶然エレベーターに乗り込み地下に来てしまったゲベと出会い、この店のルールと自身の夢を話す。そして、彼の夢を聞いたゲベがそれを叶えてあげるべく、(昼間だと店長に見つかるため)夜に迎えに来て外の世界へ逃がしてやることを約束する。
その日の夜、本当に助けに来てくれるのかと涙をこぼすが、泥棒の格好でじーさんに「犬ドロボー☆」と言ってごまかして家から出て、なんとか店の地下への侵入に成功したゲベと再会。ゲベが耳から出したパンチで檻を破壊して脱走を開始する(この時、ゲベに名前を聞かれるが「名前なんてないよ」と答えた際「じゃあ「柴田」でいいや。」(※柴犬だから)と命名された)。
ゲベと一緒にエレベーターで地上に向かうなか、彼に外に出られることと自分にも友だちができたことを感謝するが、ゲベから
「…「友だち」なんて言葉…、動物の世界には存在しねぇんだよ!
「仲間」!オレたち動物には…、その言葉でじゅうぶんだ!」
と教えられる。
地上に近づくにつれ、外に出て大地をおもいっきり走る以外にもやりたいことが沢山できた柴田に、ゲベは「仲間」として付き合うことを約束。そして、地上に着くと同時にゲベに感謝しながら念願の外へ飛び出した………
……直後に(昼間の時点でゲベの侵入と約束を見ていたため)、エレベーターの出口で猟銃を持って待ち構えていたステイルに狙撃され、倒れてしまう。
(この時、ステイルは「やっぱり犬ッコロをうちぬくのは気持ちイイわぁ~♡」と言っており、前から犬を遊び半分で射殺していた模様)
狡猾なステイルの罠によって仲間を傷つけられ、怒り狂ったゲベがステイルに襲いかかるも、(あとで痛めつけるためにわざと急所を外されて)返り討ちにされ、「人間さまにはむかうバカで役にたたないケモノは生きる価値がないわ」と罵倒されながら2匹まとめて地下へ送られてしまう(……だが、この時の様子を昼間ステイルぶつかって壁にめり込んだままのちゃむらいに全て見られてしまい、じーさんに報告されてしまった)。
その後、ペットに変装して死んだふりすることでステイルに連れられ地下への侵入に成功したじーさんと孫が救出に来た際、深手を負った自分よりも柴田の心配をして彼も連れて逃げようとするゲベにじーさんは「ゲベ…、…ざんねんだが…その犬はたぶん…、…もう…。」と声をかけるも、ゲベは柴田と交わした「外の世界へ逃がしてやる」約束を果たすため「かまわない!!せめてコイツのお墓は…、太陽の下に作ってやるんだ!!」と宣言し、自ら柴田を背負って脱出することを決意する。
しかし、彼らの侵入にすら気づいていたステイルによってエレベーターが停止され、モニター越しに語られる彼女の自分にとっての役立たずは店の動物も父親も全てゴミとみなして平気で捨てるうえ「みんなやってるんだから自分だってすてたっていーじゃん!!」と悪びれもしない極悪非道な本性と店の秘密を知った彼らを始末すべく地下に放し飼いにされている凶悪な化け物達に振り回されながらじーさん達とともに階段で地上を目指して進むも、ステイルの狙撃で負った傷で次第にゲベが弱っていく。
「すてちゃいないさいよ!そんなおにもつ。」と誘惑してくるステイルの声にも負けず、大切な仲間を背負ったまま力尽きたゲベを嘲笑うステイルだったが、彼の決意を認めたじーさんに「オマエがすてられないものは、いっしょにせおってやる!!それが仲間だから!」と背負われ、助けられる。
そしてついに出口まで到着したところでステイルが連れてきた世界一おそろしい地上最強のネコ・デビルキャットに襲撃された際、「同じネコであるゲベならなんとかしてくれるかもしれない」と考えたじーさんの必死の呼びかけに呼応するように、ゲベの意識に幻として現れて自分をずっと運んでくれたことへの感謝と激励の言葉を伝え、ゲベを目覚めさせた。
その後、ゲベのぱぱだと判明したデビルキャットの怒りによって店もろともステイルが踏み潰れ、成敗されるなかじーさん達とともに脱出したゲベは、動かない柴田に静かに語りかけた。
よかったなぁ…、やっと外の世界に出られたんだぜ。
オレさ…、オマエのような仲間にであえて本当によかったよ。
今まで、ずっと…つらかっただろう…? …でもさ…、
もう…つらいコトもくるしいコトもないんだ…、
だから…、
だから…ゆっくりおやすみ……。
自身を心配するじーさんと孫を背に、ゲベは「仲間」との別れに静かに涙を流すのであった……
その日の夜、ゲベは夢を見た。
それは…仲間とともに大地をおもいっきり走る夢だった。
ーーそれは、ボクとキミが『仲間』だから!!
余談
『絶体絶命』19巻の裏表紙にてプロフィールが記載されており、好きな数字は「1(ワン)」、好きな言葉は「ワンダフル」、好きな食べ物は「わんこそば」と犬の鳴き声のワンで統一されていたが、肝心の鳴き声が「ぶびびびーん」だった(感動と涙を返せ)。
関連タグ
ゲベ「ところでさーオマエってホントに死んだの?」
柴田「ううん。」
ゲベ「あ、そーなの?」