インドネシアの公用語である言語。
オーストロネシア語族マレー・ポリネシア語派に属するマレー語の一方言である。
マレー語の代表であるマレーシア語(マレーシアの公用語)とは若干の違い(博多弁と熊本弁程度の違い)はあるものの、「ほとんど同じ言語」と考えて差し支えない。
それもそもはず、インドネシア語はマレー語のリアウ方言を元に共通語として作られた人工言語であり、基本的な語彙や表現を踏襲しているためである。
これは、多民族・多言語国家である同国においてどの民族も優位に立たせないという考え方があったこと(後述)、母語の異なる異民族間での交流にはマレー語がよく使われていた歴史的事実があったこと、旧宗主国・支配国の言葉であるオランダ語や日本語に忌避感を示す国民が少なからず存在したこと、アラビア語からの借用語が多いために、英語などの他の国際共通語に比べて同国で最大多数を占めるイスラム教徒と生活上の相性が良いことなどが選定理由である。
特徴
通常ラテン文字で表記する。発音体系は単純で、日本語と同様の子音+母音の組み合わせが多く子音の連続が少ない。
交易言語として発達した経緯もあり文法も他の言語に比べてシンプルであり、時勢の概念がない、単語に性がない、単数複数がないといった特徴がある。
多民族・多言語国家であるインドネシアが、独立の際、最多数派の民族(国民の半分)であるジャワ人のジャワ語ではなくマレー語(インドネシア語)を採用したのは、「インドネシアは多民族が共存する。どの民族が支配してもいけない」という考えがあったためである。
マレー語は元々原住民と渡来したムスリム商人の間の交易語として誕生したクレオールであるため、文法が洗練されており、外国語として非母語話者が習得しやすい言語として知られる。