概要
関東地方の南方沖にある相模トラフで発生する海溝型巨大地震。過去に起こった地震としては、1703年の元禄関東地震および1923年の大正関東地震がこれに当たると考えられている。
- 将来の地震発生確率
地震の規模 | M8クラス(M7.9~8.6クラス) |
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地震発生確率 | 30年以内に、ほぼ0%~5% |
平均発生間隔 | 180年~590年 |
(出典:地震調査研究推進本部より)
相模トラフ沿いが震源域と疑われる地震は多く存在するが、史料から確証が得られていないのが現状。安政江戸地震に関しては確実な震源断層が特定されておらず、相模トラフ沿いの地震に含まないので、「南関東直下地震」を参照。
過去の地震
- 元禄地震(元禄関東地震)
元禄16年11月23日(1703年12月31日)の2時前後にM8.1~8.5の南関東(房総半島南端にあたる千葉県の野島崎)付近を震源とされる巨大地震が発生した。震源域は相模トラフのほぼ全域と推定され、相模湾沿岸~南房総にかけて震度7相当と推定されている。また、津波で最大のところでは一部遡上高が17mを越したところもあり、小田原城下は火災で壊滅的な被害を受けている。死者数は1万人以上と推測されている。
本地震と同日、ほぼ同時刻に豊後でも強い地震が発生している。
大正12年(1923年)9月1日の11時58分頃に相模湾が震源として推定されるM7.9~8.2の巨大地震が発生した。相模トラフ沿いの西側が震源域とされ、神奈川県と千葉県の一部では現在の震度階級で震度7相当と推定されている。地震発生は昼食時であったことから大規模火災も発生し、地震の混乱で事件も多発した。死者・行方不明者数は10万5385人という日本の歴史的な大地震の中でも最大の死者数を誇る。
房総半島沖の地震について
房総半島沖では、陸側のプレートの下に南からフィリピン海プレートが潜り込んでいることから、国土地理院は、岩盤が押されて地震を引き起こす歪(ひずみ)がたまり続けているとみている。神奈川県の三浦半島付近も、同じようにひずみがたまり続けていますが、大正12年にM7.9の関東大震災が起きてひずみはいったん解放されている。一方、房総半島沖では、少なくとも300年間は大地震が起きていない。房総半島の隆起年代と矛盾する点があり、南東沖だけが頻繁に動くとうまく説明できるという。過去の活動歴は分かっていない。
関東周辺の地震
南関東直下地震:関東地方直下を震源として繰り返されて発生している巨大地震。内陸直下型とは限らず、海溝型による直下型も推定されている。首都直下地震もこの部類に入る。
海溝型地震
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災):2011年(平成23年)3月11日14時46分頃に三陸沖を震源として発生した地震。『戦後最悪の震災』となり、日本の観測史上最大規模の地震となった。死者・行方不明者数は約2万2000人。
南海トラフ巨大地震:東海・東南海・南海・日向灘を震源として繰り返し発生している巨大地震。歴代の地震の中には東北地方太平洋沖地震の規模を上回る規模の地震も発生している。
関連項目
外部リンク
地震調査研究推進本部(相模トラフ) 元禄関東地震・関東大震災(内閣府防災) 活断層・古地震研究報告No.11 防災科学技術研究所自然災害情報室 元禄関東地震(Yahoo!JAPAN) 関東大震災(Yahoo!JAPAN)