概要
突如襲来し人類を攻撃し始めた謎の異星文明。正体、来歴は不明で、人類に対しては極度に敵対的。
これまでに対話やそれに類する試みはあったがいずれも失敗している。
人類の殲滅を目標としているらしく、世界各地に攻撃を加え、様々な兵器や侵略生物を送り込む。
前作、地球防衛軍5で、『銀の人』が撃破されて以降、本隊は撤退し、残されたコロニストや侵略生物達の脅威が、人類の復興の妨げとなっていた。だが、突然現れたリングによって事態が一変してしまう…
脅威の戦略
プライマーは本作において恐るべき戦略で人類を攻撃していたことが明らかになった。それはある一定の期間まで戦争を継続して不利と判断した場合リングを使って過去にそれまでの人類側の戦略・地下基地の場所といった情報とそれを元にしたプライマーの新兵器・戦力を過去に送り有利にする歴史改変を行うというもの。この結果人類は作戦を尽く読まれあらゆる抵抗も通じず、蹂躙され続けた果てに地上を完全に制圧され空が赤く染まった世界となってしまう。厄介なことに歴史が改変されるとそれまでの人類の記憶も全て改変されてしまう。その為、本作最初の改変により『「銀の人」を倒し、人類が何とか勝利した』歴史と記憶は完全に消え去り、『アンドロイドの投入とマザーシップの一斉砲撃により人類が敗北した』という歴史に変わってしまっている。最もリングの力で物理的に歴史を改変している訳ではないので情報と戦略を積んだ宇宙船を撃墜すれば阻止が可能なのだが、改変の為にリングに突入する宇宙船の撃墜は不可能。残された方法は『未来から送られて来た直後の船団を待ち構え迎撃する』という物だが当然プライマーもそれは分かっていたようで毎回送り込む場所も時間も変えていたようで、それこそ鉢合わせるのは奇跡としか言えない。
戦力
エイリアン
コロニスト
プライマーが使役していたエイリアンの歩兵。プレイヤーからはもっぱら「カエル」と呼ばれる。
地球に取り残されてから3年の間で皮膚は汚れ、身体は痩せ、装備も鉄骨やケーブルといったそこらの廃材なども使って修理・作成したようなショットガンとプロテクターになっており、動きもやや鈍くなっている。とはいえ今作では初めて相対する敵となるので油断は禁物。
なお、制御装置も外れており、リングによる時間移動に巻き込まれても過去の本隊と合流しなかったことから、プライマーの指揮下から外れ独自に動いている模様。
リング事故でストーム1らが過去に戻ってからは、前作と同じプライマーに使役された個体も登場。また、前作DLCにのみ登場した重装備の個体(プロテクデッド・エイリアン)も登場する。
飛行型エイリアン/タッドポウル
コロニストの前腕を翼に変えたような姿のエネミー。鬼火のようなエネルギー体を吐き攻撃する他、『呑み込み』でこちらの動きを封じてくる。
体力はそう多くないものの出現時には大群で現れる。
前作ではタッドポウルと命名されたものの、大半の兵士は「飛行型エイリアン」と呼称する。
コスモノーツ
アーマーとしても機能する防護服を身に着けた、『グレイ型宇宙人』に酷似した頭部を持つ人型エイリアン。仲間と連携し、遮蔽物を利用するなど軍事訓練を受けたと思しき存在。
本体にダメージを通すにはアーマーを破壊する必要がある。
本作では出番がかなり減っている。
邪神クルール/エルダークルール
2回目の改変で登場する古典SFの代名詞とも言えるタコ型宇宙人に似た姿の生物。しかしその見た目は本作の世界の人間には本能的な恐怖を呼び起こす物のようで一部の隊員は発狂、混乱、パニック状態に陥る。触手が何本もあり、片手にはシールド、もう片手には武器を装備している。シールドを2枚持っているタイプ、炸裂銃を持っているタイプ、砲兵タイプ、レーザーキャノン(ウイングダイバーのライジンに似ている)を持っているタイプなど、色々な種類が登場。
クラーケン
クルールの上位種で、同様にシールドを装備している。シールドの特性はクルールとほぼ同様ながら、飛行・滞空し、下記のヘイズを常に随伴させ、その上HPも強化されているなど一筋縄ではいかない遥かに厄介な存在。おまけに高難度ではシールドに当たった攻撃を反射してくる。
ヘイズ
小型のクラーケンに似た生物で、触手を伸ばして攻撃する。倒しても体液で視界を遮り、攻撃を受けると周囲のヘイズは逃散するため纏めて倒しにくい。高難度に登場するピンクの個体はハイグレードドローンのように火力・耐久共に大幅アップしている。
侵略生物
侵略生物α plus
侵略生物α(蟻)に酷似した怪物。茶色っぽい体色と光る目、毛の生えた体表などより虫っぽくて気持ち悪い外観になっており、プレイヤーからは「茶蟻」などと呼ばれる。
主戦力として置き換えが進んでいるのか、周回によってはほとんどの蟻がこちらになっている。そのためなのか人類にとってはこちらがスタンダードになっているようで、特別な言及はない。
αより体力が増えているのが特徴。一方で攻撃面は酸の色が変わっただけで火力に差はなく、やや大柄なので攻撃は当たりやすい。
また、赤蟻や金蟻、クイーンのplus相当の個体も存在する。
侵略生物β plus
侵略生物βに酷似した生物。ハエトリグモのようなデザインは変わらないが、黒と茶色のツートンになり、(見ようよっては)やや可愛らしいデザインから少し不気味になっている。
こちらは体力こそβと同程度だが、電気の流れた糸を吐き出す。糸に触れると継続的にダメージを受けるため火力と拘束力が増している。
いわゆる銀蜘蛛のplus相当の個体も存在する。
侵略生物γ
丸まって突進してくるダンゴムシのような見た目の怪物。こちらはplusのような変異個体は存在しない。
飛行型侵略生物
スズメバチに似た姿の侵略生物。複数の針を射出し攻撃してくる。こちらは赤い変異種こそ健在だがplus相当の個体は追加されていない。
小型ハイブ
飛行型の巣の小型バージョン。体力は少ないが多数点在しているのがほとんど。
アラネア
女郎蜘蛛に似た体色の侵略生物。張り巡らせた『蜘蛛の巣』と吐き出す糸でこちらの動きを阻む。
スキュラ
通称「人魚」「魚人」。名の通り魚と人が混ざったような容姿。攻撃時は地面に伏せ、のたうちながらダメージ判定のあるガスを放出する。巨体による突進や打撃も大きな脅威となる。
出現時には周辺地域に濃霧を発生させ、プレイヤーの視界を大きく悪化させる。
「人魚」と呼ばれてはいるが、ウルトラ怪獣のような体型。ムルチに似ている。口や身体から毒を出す点ではゲスラに近い。
機械生命体
アンドロイド
今作最初の改変で登場する生体部品で作られたと思しき機械の兵士。電球を思わせる涙滴型の頭部、細身の人型に近い形状の胴体を持つ。装甲の下には生体組織のようなものが存在している。
両手首にはワイヤーで連結されたブレードが装備されており、攻撃時はそれを射出する。
大型アンドロイド
名前の通り通常より大型であり、爆発属性を持つビームを連射してくる。遠距離から真上にビームを打ち上げ、こちらの上空から砲撃を降り注ぐ砲兵型も存在する。
高機動型アンドロイド
三角錐状の頭部を有し、ワイヤーをビルなどの地形へ打ち込み自由自在に飛び交いつつ攻撃を仕掛けてくる。
アンドロイド擲弾兵/大型アンドロイド擲弾兵キャノンボール
両手に爆弾を持って特攻を仕掛けるアンドロイド。爆弾を撃てば簡単に倒せるが近寄られると爆発に巻き込まれるため本体を狙う必要が出てくる。大型の個体は、耐久も爆発の範囲も絶大。
スーパーアンドロイド
逆三角錐の頭と赤い機体色が特徴であり、あらゆる面で通常のアンドロイドを上回る性能を持つ。一方で生産性が低く、一般のアンドロイドより登場する個体は多くない。
キュクロプス
大型アンドロイドの倍はあろう巨体を有する機体。連射型のビーム兵器とアームの叩きつけによって攻撃する。極めて頑強な装甲を有しておりほとんどダメージを与えられないが、中心部のセンサーが弱点となっている。
怪生物
エルギヌス
第1の怪生物。詳細は個別記事を参照。
アーケルス
第2の怪生物。詳細は個別記事を参照。
サイレン/グラウコス
7回目のタイムリープでその姿を見せる、エルギヌスの2倍ほどの大きさを持つ第3の怪生物。通称「怪鳥」。炎を吐き、空を飛び回る(4シリーズのグレーター・ワイルド・ドラゴンとは異なり常に羽ばたきながら低空飛行するが、その代わり強烈な風圧を真下に発生させる)。生半可な攻撃は寄せ付けないほどの生命力を持つが、プライマーですら制御出来ないほど凶暴。主にスキュラを含む特定のエネミーを呼び寄せる習性がある(とあるミッションでサイレンと海生生物が戦闘していたという通信があるが、これは誤報の可能性がある)。
本編のある場面で大ダメージを受けると休眠するという弱点を突かれ動きを止めた所に衛星兵器バスターを喰らった結果、グラウコスに変貌。全身を燃え上がらせ寿命を削りながらも体を再生させ、焼け落ちた皮膚組織をまき散らしながら暴れまわる。猛烈に威力が上がったブレスにより、出現したばかり(?)のアーケルスを一撃で撃破する攻撃力を見せつけた。重戦車タイタンやコンバットフレームもブラッカーも、グラウコスが相手では瞬時に破壊されてしまう。
3年後の荒廃した世界でも、グラウコスとサイレンの両方が登場。3年後の地球側には、サイレンをグラウコスになるまで追い込める戦力は残っていないと思われるので、一度グラウコスに変貌した個体は少なくとも数年間はグラウコスの状態で寿命が尽きないと思われる。
なお、後半のとあるミッションではサイレンの群れが登場するが、アーマメントバルガの複数投入もあってか、グラウコスに変貌する個体は見られなかった。
侵略装置
テレポーションアンカー
プライマー側の戦力の転送の受信機となる存在。破壊しない限り一定間隔で何らかのエネミーを吐き出し続ける。
上部の転送装置を攻撃しないと破壊できないが、今作ではバルガなら柱部分を殴って壊せるようになった。
テイルアンカー
大型宇宙船の中心部分を切り離して投下されるテレポーションアンカーの強化バージョン。弱点部分がバリアで覆われており射角によっては遠距離武器が通用しない。接近する敵に対しては触手状の砲台で迎撃を行う。
破壊するには接近し、シールドで保護されていない箇所を狙って高火力武器で叩くのが最適。
エイリアンツリー
大気を変えた元凶。リングによる歴史改変と共に出現するため、おそらく改変された世界では当たり前のものとなっており、EDF隊員から言及されることはない。
背景扱いで破壊可能なミッションはないが、周回によって形状が変化している。
侵略兵器
テレポーションシップ
テレポーションアンカーと同様の機能を持つ飛行艦。テレポーション装置作動時以外は、重要部分を黄金の装甲で守っている。
大型宇宙船
銀色の植物かクラゲを思わせる形をしたプライマーの新型宇宙船。前述の歴史改変を行う為の新戦力と情報を持って過去に飛ぶ。弱点そのものは正面にあるので狙い撃ち易いのだが終盤まで撃墜することは出来ない。
テレポーション装置はテイルアンカーとして分離が可能。
タイプ3ドローン/ハイグレードタイプ3ドローン
タイプ2ドローンに続く新たなドローン。丸みを帯びた五角形の、ヒトデのような形をしている。攻撃時は5つの砲台を展開し、レーザーを撃つ。
中央部にアンドロイドと同じ生体部品が内蔵されているようで、そこが弱点となる。
シールドベアラー
こちらの攻撃を阻むバリアを展開する多脚歩行マシン。攻撃手段は持たない。
バリアはプレイヤー側の攻撃は通さないものの、内側のプライマーからの攻撃、およびプレイヤーとNPCは通す。バリアの内側に入り込んで直接攻撃が有効。
今作では出番が激減している。
ネイカー/ハイグレードネイカー
堅固な装甲と強力な火炎放射器で武装した小型の機械兵器。ホタテなどの二枚貝のような構造。体力は低いが、攻撃時に武装を展開する時を除いては攻撃は殆ど通用しない。一方で対地戦に特化しすぎたせいで火炎が届かない高所からの攻撃が弱点となっている。赤いハイグレードタイプは耐久も火力もおっかないことになっている。
マザーシップ
プライマーの母艦であり、街を覆わんばかりの黄金の超巨大円盤。10隻が地球に降下し、無尽蔵に繰り出すドローンや艦底部の主砲から放つ巨大な緑色の光弾でEDFに壊滅的な打撃を与えている。黄金の装甲はやはり破壊不可能だが、主砲の周囲から伸びる増幅器を破壊することで光弾を減らすことができ、また主砲への攻撃は通じ、破壊すると中枢部が露出する。
前作では一隻も撃沈することが出来ないが、今作では8回目のタイムリープ時に潜水母艦パンドラを襲撃したマザーシップNo.8がストーム1により主砲を破壊され撃沈されている。
コマンドシップ
最後に現れた11隻目のマザーシップであり、プライマーの総旗艦。マザーシップと同等の性能に加え、艦体を分離させ展開する浮遊砲台と防御スクリーンによりマザーシップを凌駕する性能を持つ。
今作では歴史改変により長らく人類の前に姿を現さなかったが、8回目のループでプロフェッサーがタイムリープによって得た情報により月面に潜伏していたことが露見、核攻撃により大破している。
9回目のループでは歴史改変によって優勢を得たEDFによって追い詰められ、護衛のテレポーションシップがフーリガン砲によって撃破され地上の護衛部隊も殲滅される。
その後最終形態に移行、砲台による圧倒的な火力を見せつけるもののストーム1や新型機『プロテウス』の攻撃により大破、大量のヘイズが船を捨て脱出する中あえなく撃沈された。
なお、今作では「銀の人」は搭乗していなかったが……?
リング
プライマーの時空転移装置。つまり、タイムマシン。2027年から2022年に戦力を送りつけ、過去を改変しようとしている。戦艦ではないため一切武装はないのだが、護衛の戦力を周囲に展開させ、後半では触手のような砲台を出現させ自衛するようになる。この砲台は連結しているように見えるが一箇所を破壊しただけでは再接続してしまうため砲撃を止めるには全て破壊するしかない。
プライマーの正体と目的(ネタバレ注意)
8度目のタイムリープで初めて人類が優勢のまま3年後を迎え、余裕ができた人類はこれまでより深くエイリアンや怪物を調査研究することが可能になった。
その結果、怪物やコロニストの遺伝子情報は部分的に地球の生物と一致していることが判明。さらにクルールからは火星で発見されたのと同種のバクテリアが検出される。
これらの情報から、プロフェッサーをはじめとする科学者達は「プライマーは生物の大きな進化が起こる10万年以上先の未来、火星に存在する文明である」という仮説を立てる。
遥か未来、既に人類は滅亡しており、怪物とコロニストが新たな生態系を作っていた地球を訪れたプライマーは、文明の痕跡から絶滅人類に興味を持つ。
タイムマシンを発明していた、あるいはこれをきっかけに発明したプライマーは古代の地球まで時間を遡り、人類を観察、時には姿を見せてさえいた。
…しかしある時、プライマーは気づいてしまう。もし人類がプライマーとは何者かを理解し「プライマーの存在を前提に行動」した場合、最悪プライマーは何の抵抗も出来ずに滅びてしまうかもしれないという危険性に。
即座に古代の地球から退散したであろうプライマーだったが、何らかの原因で墜落したシップの残骸を現代の人類が発見し、EDFが設立されてしまっていた。人類に認知されたことを確認したプライマーは、何か行動を起こされる前に地球人を絶滅させて影響を断つことを決意。文字通りの絶滅戦争を仕掛けることになった。
説得などを経ずいきなり滅ぼすという選択肢を採っているが、これは認知されたことそのものが最大の問題なため。劇中でプロフェッサーも言う通り、知られた以上は人類側が敵対的か友好的かすら無関係なのである。
また、劇中ではプロフェッサーが「地球が欲しいなら、人類が滅んだ後の世界で好きに使えばいいはず」と疑問視もしていたが、それもプライマーの地球来訪は人類絶滅のためで地球そのものはそこまで興味が無かったものだと推測される。
「プライマーという未来の火星人が存在すると知っている」というパラドックスを含んだ認識をもとに人類が行動するようになれば、どんな些細な、一見無関係に見えるアクション(火星に探査機を送り込む、植物を植える等)であっても、いわゆるバタフライエフェクトが起きて凄まじい影響を及ぼしてしまうおそれがある。身も蓋もないことを言ってしまえば時間旅行を濫用した自業自得とは言え、「未来火星文明だと気づかれない事に賭けて放置する」か「勘づかれる前に滅ぼす」以外に、プライマーがこの危険性に対処する方法は無かった。
また、この戦争を仕掛けるにあたってはとにかく最低限の損害で目的を果たそうとしているようで、例え自軍が有利だろうと、より損害の出ない完全勝利を得るべくリングを使った時間移動戦略で人類を追い詰めていった。しかし、どれだけ改変しても必ず生き残るストーム1、そしてプロフェッサーの存在がプライマーの計画どころかその後を狂わせて行くこととなる。
時間移動船
未来からの歴史改変船団に鉢合わせることで大半を撃破したことで改変を阻止し、死闘の果てリングを破壊したストームチームの前に現れたプライマーの新たな切り札。多数の船体を龍のように連結した全長1km以上という大きさでありながら高速で移動し、全身の砲台で攻撃する。その船首部分には、かつてプライマーの指導者と目された「銀の人」の巨大化した頭部が埋め込まれていた。*
プライマーの最期
新たに出現した時間移動船の存在は、たとえそれを破壊したとしても更に未来のプライマーがより強力な兵器を送り込んでくるということの証左であった。
タイムマシンの破壊によりこれまでの戦果を改変することができなくなっていても、勝つまでやめないプライマーとの戦いは永遠に終わらず、人類は絶対に勝てないという事実に指令本部は愕然とするが、戦略情報部は『火星に送り込んでおいた、有毒な化学物質を搭載したロケットを爆破する』という、プロフェッサー発案の最終作戦を発動した。
今度は人類の手で未来を改変し、環境が変化した火星には生命が誕生しない、したとしても全く異なる歴史を辿ることで、プライマーそのものを非戦闘員もろとも歴史から抹消する非情極まりない作戦だったが、プロフェッサーは戦いを終わらせる為、何よりループの中で何度も何度も殺されてきた妻を始めとした何百、何千億もの人々の仇だと言い切り、ロケットは起爆された。
しかし、これにより「火星にプライマーが誕生しなければ戦争は起きず人類は火星を攻撃しない」、「すると火星にプライマーが生まれ人類を攻撃する」という決定的なタイムパラドックスが発生。その矛盾を時間そのものが解消するべく、人類かプライマー、負けた方の存在が消えた状態でループが切れ歴史が確定するという事態に陥る。
赤く染まる空の下、切り離された時間の中で、「銀の人」と一体化した時間移動船はプライマーの代表者、プライマーという存在そのものとなり激しく攻めたてる。
しかし人類の側にも、タイムスリップという根本的なパラドックスが起きたた時点で選ばれた、そして運命的な戦いのループを生き抜いてきた地球人の代表者が居た。
最後の決戦は人類の代表者に軍配が上がり、敗れたプライマーという概念は朽ち果てて地に墜ちる。
これを以て歴史は確定されプライマーは時間の流れから完全に消滅することとなった。
それに伴いプライマーが召喚したコスモノーツ、クルール、クラーケンといったエイリアンやドローン、アンドロイドも最初から「いなかった」事にされ、塵一つ残さずに歴史から消え去った。
ネタバレを含む余談
地球防衛軍シリーズでは初となる明確に滅ぼされた敵組織となった。その原因になったのが自分たちが作り利用してきたタイムマシンの技術と諦めの悪さだったのは皮肉である。
EDのモノローグで語られるが、人類の被害は人口の3割と『5』エンディング時より遥かに少なくなっているうえに、戦死していたストームチームも全員生存している。
消滅を回避しようとしたプライマーが散々利用してきた歴史改変の果に消滅し、殲滅対象の人類は今までで尤も少ない犠牲で勝つというこの上ない皮肉になっている。
なお、過去のナンバリングの侵略者は
インベーダー→皇帝都市の撃沈で壊滅
フォーリナー→アースイーターの撃沈で『割に合わない』と諦め、撤退
と、敗北したとはいえ、存在そのものを消されたプライマーよりはまだマシと言える。
前述した通り、プライマーはパラドックスを防ぐため「墜落船の残骸を発見する前の人類を攻撃する」という根本的な攻略法を採れなかった。
「秘密裏にシップの残骸を回収・処分すれば良かったのでは?」と思われるかもしれないが、そうした場合「発見を恐れて回収した~発見される心配はないので回収に行かない」というパラドックスになってしまう。
また「墜落を防ぐ」という行動でも「墜落を防ごうとする動機」がパラドックスとなる。
更に、人類文明の痕跡を完全に消滅させてしまうと「文明の観察のために過去の地球を訪問したタイムシップの墜落」が起こらず、「人類を滅ぼしに行く」という動機がパラドックスになってしまう為、大量破壊兵器で跡形もなく圧倒するような戦法も使えなかった。
歴代で最も人類とEDFを追い詰めたプライマーだったが、実際は時間に関わる問題で自軍もがんじがらめになっていたのであった。
EDF5のプロモーションでは火星を舞台とした映画『スターシップ・トゥルーパーズ レッドプラネット』とのコラボPVが公開されていたのだが…上記の火星攻撃を受けて、トゥルーパーズのジョニー・リコ大佐らは大丈夫なのだろうか?
外伝では…
セルフパロディ満載のEDFシリーズクロスオーバーデジボク地球防衛軍の世界では、こんな超技術を有するプライマーでさえある存在から操られ、地球破壊に加担させられていた。
デジボクの世界のプライマーが6と同様に時間移動戦略を使えたなら、もっととんでもない事になっていただろうが…
実はデジボクのメインキャラの一人、「ニンジャブラザーのコタロー」はマザーシップにより江戸時代から飛ばされてきた本物の忍者であり、EDF6より先に侵略者側がタイムスリップを利用している。コタローの台詞からすると彼を時間移動させたのはEDF4の侵略者フォーリナーのマザーシップのようだが、関係性は謎である。
関連タグ(ネタバレ有)
宇宙浮遊物体スフィア:こちらも、地球を包囲して人類の脅威となっている存在。序盤、攻撃や侵攻をしてくるだけで、目的が不明な点も同一。