曖昧さ回避
- 北欧神話に登場する怪物。
- サンデーGXにて連載されている高橋慶太郎の漫画→ヨルムンガンド(漫画)
概要(北欧神話)
父は虚偽と欺瞞の神・ロキ神、母は巨人族の女性・アングルボザ。ロキが死んだアングルボザの心臓を焼いて食べた時に彼から生まれたと言われる。
兄弟に巨狼フェンリル、地獄の女王ヘルがいる。この三兄妹は「のちに世界に災いをもたらす」と予言された。
世界蛇の名の通り、その身を伸ばせば世界を締め上げられるほどの巨体を持ち、海の底で体を何周にも巻いて横たわっているという。海底だけでは長さが足りず、仕方なく尻尾の先を咥えているらしい。誕生した時にはただの子蛇であったが、上記の予言を深刻視したオーディンによってミッドガルド(人間界)の海へと投げ入れられた。逆にそのおかげでここまでの巨体に成長することができたと言われる。
雷と農耕の神であるトール神とは浅からぬ因縁があり、三度にわたって戦いを繰り広げている。一度目はトール神がロキの父で巨人族の王「ウドガルド・ロキ」を訪ねた時。ウドガルド・ロキはトール神に「ペットの猫を持ち上げてみろ」と挑発し、トール神はこれに乗ったのだがどうしても猫を持ち上げることができなかった。なぜならその猫はヨルムンガンドが変身したものだったからである。二度目はトール神が友人とともに舟で海釣りに出かけた時で、この時ヨルムンガンドはトール神によって釣り上げられかける。しかし、友人が舟の転覆、何よりヨルムンガンドそのものを恐れてトール神の釣り竿の糸を切ってしまったため、釣り上げられずにすみ、逆にトール神は友人を叱責したという。
両者は、神々の終末・ラグナロクにおいても雌雄を決する運命にあり、最終的にトール神に軍配が上がるも、トール神もヨルムンガンドをハンマーで殺した後にヨルムンガンドの猛毒によって九歩歩いて力尽きたという。
上記のとおり「尻尾を咥えている」ことから紋章学においてウロボロスの原形とされ、世界を意味する記号として扱われる。