概要
水中を航行し標的に衝突すると爆発して破壊する水雷。魚型水雷の略語。動力源と高速航行用に作られたスクリューやウォータージェットなどの推進装置を装備し、標的に衝突すると弾頭が爆発する。標的が転覆ないし沈没しなくても船体に大きく孔が開くため、その船内区画は使用不能になり、また船体に開いた孔により速力が落ちるため標的には大きな損害を与えることができる。黎明期のものは誘導機能がなく直進するだけであったため、扇状に何発も同時に発射していたが、現在は標的が発する音を頼りに追尾するものや電線、光ファイバーなどで有線誘導するものが主。
現在の一般的なものでは50[kt](約92.6[km/h])以上で航行するものが主だが、モノによっては魚雷全体をキャビテーション(流体の圧力差により泡の発生と消滅を起こす現象)を意図的に起こして泡で包み水の抵抗を減らすことにより200[kt](約370.4[km/h])以上の速度で航行する途轍もない物まである。
100年進んだ概要
100年進んだ未来では、船乗りたるもの魚雷ごときでパニックに陥ってはいけないようである。しかもなぜか、1970年代には既に登場していた自動化船(※)が100年進んだ未来では無くなっているようで、船員が常に舵を取らなければならない。
原子力船船長:前方に、何か光ってるぞ!
原子力船船員:魚雷でしょう。 (本当は「灯台でしょう」の空耳)
※・・・航行時の操舵や出力調整、衝突回避をコンピュータにより制御する船。混雑している海域は船員が必要に応じてコンピュータに指示を出す。
他の創作物では・・・
サンダーバード(SF人形劇)
- 第26話にて海軍の演習用に核弾頭を搭載したものが登場。潜水艦から無人操縦の標的に向けて2発も発射。1発は命中し標的の潜水艦が原形を保ったまま、ほぼ無傷で沈没。もう1発はお約束どおり制御を失い海底に衝突し爆発。海底のガス層に引火して彼方此方に延焼し石油採掘ステーションが最終的に1基崩壊した。
- 第20話にてアナスタ湖の財宝を狙ったフッドがサンダーバード4号と湖底の遺跡に対し4発ほど発射し2発がサンダーバード4号に命中した。・・・が、サンダーバード4号は無傷であり、サンダーバード4号が発射した魚雷でフッドが乗っていた潜水艇は沈没。
名探偵ホームズ
- 第9話にてライサンダー大佐が発掘した財宝を横取りするためモリアーティ教授の一味がライサンダー大佐の船の襲撃に使用。さらに、魚雷で真っ二つに破壊された船体のうち後ろが財宝を積んでいるため重さで沈んでいく。その中でライサンダー大佐が財宝を取られまいとモリアーティ教授一味の潜水艇に襲撃すべく乗り込もうとしたため魚雷発射口から魚雷ごと押し出す。さらに、その魚雷をホームズとワトソンが海上へ脱出するために使用。