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太平洋フェリーの編集履歴

2023-03-20 15:27:47 バージョン

太平洋フェリー

たいへいようふぇりー

太平洋フェリーとは日本の海運会社である。

概要

名鉄グループ傘下の海運会社であり、名古屋~仙台~苫小牧間の長距離フェリーの定期運航を行っている。1982年、太平洋沿海フェリー(1970年設立)の営業権を引き継ぎ設立。長距離フェリーとしては経営規模は格別大きい訳ではないが、客船レベルの豪華な設備に定評があり、移動だけでなく、船旅自体を楽しむラグジュアリーフェリーの代表格として高い評価を受けている。また、名古屋発着の便は福島県沖ですれ違うが、その際かなり接近するのもサービスの一つとしている。なお、苫小牧~名古屋の乗り通し時間40時間(2泊3日)は、一部時間帯のマルエーフェリー阪神航路に次ぎ日本の定期航路では第2位である。

太平洋沿海フェリー時代は名古屋~那智勝浦~大分間の定期航路も存在した。


船舶

太平洋フェリー

(イラストは現用3隻を擬人化したもの)

いしかり(3代)

就航:2011年 総トン数:15762トン 旅客定員:777名

現在太平洋フェリーで2番目に新しい船である。同じ名前を持つ船として3代目であり、国内フェリー最大面積の個室となる52平米のロイヤルスイートルームを備える。内装コンセプトは「エーゲ海の輝き」をテーマに青と白を基調としたものになっている。

東日本大震災当日には翌日に予定されていた船内見学会のため東京港に入港していたが、大津波警報を受け港外へ緊急退避した。その後、就航前ではあったが、被災地への人員物資の緊急輸送に従事した。

きそ(2代)

就航:2005年 総トン数:15795トン 旅客定員:768名

2005年、太平洋フェリー史上最大の船として満を持して就航した船。内装コンセプトは「南太平洋のしらべ」。パブリックスペースを大幅拡充しつつ、客室についても一等室の二段ベッド廃止や全室カードキー化、B寝台完全セパレート化、A寝台の廃止とS寝台の設置など、新機軸を多数取り入れた。同じ名前を持つ船として2代目であるが、初代の引退前に就航したため、一時期二隻の「きそ」が並行して運航されていた。

きたかみ(2代)

就航:2019年 総トン数:13694トン 旅客定員:535名

現用3隻の中で最も新しい船で、後述する初代の代船として建造された。

他の2隻よりも一回り小型(とはいっても全長は192.5mあるため大型フェリーであることに変わりはない)で、主に仙台~苫小牧間の区間便に使用される。

内装コンセプトは「SPACE TRAVEL」であり、夜間航路にふさわしい光の演出が特徴。

太平洋フェリーとしては初めての1人用個室を備えた船でもある。

船型も工夫されており、従来比で10%の省エネルギー化を実現している。


退役した船舶

きたかみ(初代)

就航:1989年 退役:2019年 総トン数:13937トン 旅客定員:792名

他の2隻が船齢4年と10年に対して、船齢26年とずば抜けて古い一隻であった。内装コンセプトは「スターダストの詩」。2011年に引退した2代目いしかりよりも古いが、2005年のきそ就航に合わせてリニューアルを行っていた。在籍する3隻のうち唯一展望室を有する他、バブル時代の名残として2等室の一部は宴会場やミーティングルームとして使用されていた部屋がある。ちなみに運賃は他2隻に比べ低額である。また、同船は2015年現在名古屋~仙台間を営業航行しない。

東日本大震災当日は通常運航のため仙台港に停泊していたが、大津波警報を受け湾外へ緊急退避して難を逃れた。震災以後、津波に備え名古屋~苫小牧直通旅客は仙台での途中下船ができなくなったが、2014年より再開。2019年に引退し、インドへと回航ののち解体。


いしかり(2代)

就航:1991年 退役:2011年 総トン数:14257トン 旅客定員:854名

初代「きそ」の準同型船であり、初代「いしかり」の代船として建造された。

内装コンセプトは「カリブの風」で、ネイビーブルー・ベージュ・赤・ピンクの華やかな内装が特徴であった。

1993年にはカプセルホテルタイプの「A寝台」も導入されている。

後述する「クルーズ・シップ・オブ・ザ・イヤー」を13年連続で受賞した栄誉ある船であったが、

2011年に3代目が就航すると引退となり、「GRAND SPRING」へ改名して中国に売船され、

中国の威海港と韓国の光陽港との間を結ぶ国際航路で使用。

その後2016年に韓国に売却されたものの運航のめどが立たないまま2018年にキプロスに売却。

現在はギリシャイタリア間の航路で「ASTERION II」として運航中。


きそ(初代)

就航:1987年 退役:2004年 総トン数:13608トン 旅客定員:850名

それまでの船舶はいわゆるクルーズフェリー的な豪華船であったが、これらの船は当時不経済化していたため

「省エネルギー」「省力化」「トラック収容力の拡大」「楽しめる船旅」を基本コンセプトとした効率化船として就航した。

輸送目的だけではなく豪華な雰囲気や気品を備える形で展望通路の設置やギャレーを中心にレストラン・宴会場・バー・スタンドコーナーを直結し動線を徹底的に追求したアイデアも織り込まれ、以後の船舶の基本となった船でもある。

退役後はキプロスを経てギリシャにわたっている。船名も「OCEAN TRAILER」→「HELLENIC VOYAGER」→「NISSOS RODOS」と変わった。


だいせつ

就航:1975年 退役:1985年 総トン数:11879トン 旅客定員:905名

初代「いしかり」の僚船として建造。太平洋フェリーにおいては内海造船製の最後の船である。

名古屋~仙台~苫小牧間の航路で使用されたが1985年に引退。

その後東日本フェリー(現在津軽海峡フェリーが運行している航路をかつて手掛けていた)に売却されて初代「ばるな」を名乗ったが、1987年に2代目「ばるな」が就航したため

ギリシャに売却され「Lato」として使用。2015年に退役ののち、2018年にトルコまで回航ののち解体された。


いしかり(初代)

就航:1974年 退役:1991年 総トン数:11800トン 旅客定員:905名

名古屋~仙台~苫小牧間を結ぶ北海道航路向けに登場した。

太平洋沿海フェリー時代から通じて、初めて地名由来の船名をつけた船であり、

以後の船舶は寄港地に関係の深い地名をつけていくこととなった。

1991年に退役後はギリシャに売却、「IONIAN SEA」→「EROTOKRITOS」→「EROTOKRITOS T」と改称しながら使われていたが、

老朽化のため2010年に退役となり、インドに回航ののち解体された。


あるごう


あるなする


あるびれお


あるかす


フェリー・オブ・ザ・イヤー

太平洋フェリーは海事プレス社が発行している船旅専門誌「クルーズ」上にて、読者投票により毎年選出される「クルーズ・シップ・オブ・ザ・イヤー」のフェリー部門を、第一回から21年連続で受賞している。

1992年から2004年まで二代目いしかりが13年連続受賞した後、2005年にきそが就航すると2005年から2010年まで6年間連続受賞、さらに2011年の3代目いしかり就航から二年連続でいしかりが受賞している。


キャラクター

とまこまいコスプレフェスタイメージキャラとして「いしかり」をモチーフとした「まい」と「マコ」というキャラクターが登場した。(参考


テーマソング

「海上のシネマ」

作詞:橘幸江 作曲:藤林由里 歌:盛かおる



主に着岸時に流れる。ただし船内放送ではインストゥルメンタル版を使用。

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