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概要編集

本社は北海道函館市。道内から東北・関東・北陸・九州と手広くフェリー運航を行っていた東日本フェリーの子会社であったが、同社の経営不振のため2008年に青函航路(青森~函館線)、大函航路(大間~函館線)を継承。元々は青函航路にて貨物フェリーを営業し、これも旅客化している。なお青蘭航路(青森〜室蘭線)は行政の支持が得られないとして当時継承を断念した。その後東日本フェリーの破綻により、同社を吸収合併した広島の海運会社リベラの子会社となる。


函館と青森を結ぶ航路は同社のメイン航路で、「青函フェリー」とともに、現代の青函航路の一翼を担う。青函フェリーが保守的な運航なのに対し、同社では船内席の多クラス仕様化や、高速道路インターチェンジさながらのスマートチェックインゲートの採用など、新機軸を徹底的に打ち出しているのがウリである。かつては最高速度36ノットの高速フェリーも運航していた。

一方距離の短い大間航路は「ノスタルジック航路」として売り出している。


2023年には青森〜室蘭線の運航が再開された。

青森~室蘭間を片道およそ7時間で結ぶもので、人手不足に悩むトラック業界の救世主となるか注目を集めている。

特に室蘭港にとっては川崎近海汽船が運行するシルバーフェリーの宮古~室蘭間航路が廃止されて以来フェリーの寄港がなくなっており、

それだけに今回のフェリー航路の復活には期待がかかっているといえよう。

当面は「ブルーマーメイド」が青森~室蘭航路に就航するものと思われる。


使用船舶編集

ブルーマーメイド編集

2014年4月就航 総トン数:8,860トン 全長:144.58m 幅:23.0m 旅客定員583名 トラック71台、乗用車30台(乗用車のみの場合230台)積載可能


初代ブルードルフィンをモデルに新造したもので、船内はバリアフリーに対応。船首部にオーシャンビューのリクライニングシートが設置されている。東日本大震災の教訓から災害支援にも対応した各種装備が施され、これは後述する2代目ブルードルフィンにも採用されている。船籍港は函館。


ブルードルフィン(2代目)編集

2016年10月就航 総トン数:8,850トン 全長:144.12m 幅:23.0m 旅客定員583名 トラック71台、乗用車30台(乗用車のみの場合230台)積載可能


後述する初代「ブルードルフィン」の代替として登場した新造船で、同じく「ブルーマーメイド」の姉妹船である。防音設計がブルーマーメイドに比べて強化されており、客室内の静粛性が向上している。船籍港は青森。


ブルーハピネス編集

2017年3月就航 総トン数:8,851トン 全長:144.13m 幅:23.0m 旅客定員583名 トラック71台、乗用車30台(乗用車のみの場合230台)積載可能


いわゆる「ブルーマーメイド型」の3隻目にあたる新鋭船。船籍港は函館。


ブルールミナス編集

2020年6月就航 総トン数:8,828トン 全長:144.13m 幅:23.0m 旅客定員583名 トラック71台、乗用車30台(乗用車のみの場合230台)積載可能


「ブルーマーメイド型」の4隻目にあたる最新鋭船。

この船の就航に伴い青函航路は4隻ともブルーマーメイド型に統一された。船籍港は青森。


大函丸編集

2013年4月就航 総トン数:1,912トン 全長:90.76m 幅:15.65m 旅客定員478名 旅客定員583名 トラック21台、乗用車3台(乗用車のみの場合60台)積載可能


大間航路専属便。ノスタルジック航路の名に恥じない(?)保守的な外観。同社の船舶では最小。ただ2013年の製造で、客室は青函航路並みに新しい。客室はスタンダード(雑魚寝部屋・2等)と座席2クラスの構成。

名前は、1964年に同航路に就航した同名のフェリーに由来している。航路維持のため大間町が保有する公有民営方式をとっている。


過去の使用船舶編集

ブルードルフィン(初代)→ブルードルフィン2編集

1994年7月就航 総トン数:7,192トン 全長:136.6m 幅:21.0m 旅客定員600名 8トントラック87台、乗用車20台積載可能


元々東日本フェリー青森室蘭線に就航した「ほるす」であり、同航路休止後は青函航路に就航するも、後述のナッチャン姉妹の就航で韓国に売却され「パンスターハニー」となる。その後釜山と日本を結ぶ航路などに就航するも、津軽海峡フェリーに再転売され、元の青函航路に戻った。

最上級クラス「プレミア」にはジャクジーつきのバスルームまであり、2時間ではとても満喫しきれないほどである。元々これは韓国時代の設置である。他に日本初となるドッグバルコニーなどの設備もある。2016年に「ブルードルフィン2」に改称。2020年に退役しタイに売却され「THE BLUE DOLPHIN」として運航。


びなす編集

1995年3月就航 総トン数:7,198トン 全長:136.6m 幅:21.0m 旅客定員600名 8トントラック87台、乗用車20台積載可能


初代ブルードルフィン、元の「ほるす」の同型船であり、ほるすが相次ぐ転配で内装が様変わりしたのに対し、1995年当時の内装を基本に作られている。

そのためブルードルフィン、ブルーマーメイドとは客室等級の呼び名や設備が異なる。なお、特等(他の二隻は「スイート」)に和室が存在するのは当船のみ。三菱重工下関造船所の1000番目の製造船。2017年にブルーハピネスに置き換えられインドネシアに売却、「ATHAYA」と改称して運航中。


えさん2000編集

2000年10月就航 総トン数:2,367トン 全長:110.3m 幅:17.0m 旅客定員74名 トラック30台または乗用車70台積載可能


津軽海峡フェリー生え抜きの第1号船であり、旅客対応後初の新造船。他の船が東日本フェリー引き継ぎ船及びその後継船のため多彩な船室を有するのに対し、同船舶のみ2等モノクラスのシンプルな船内となっていた。

貨物船会社時代を反映しているのか、同社では唯一の特定便(危険物積載車輌指定便)対象船舶であった。ブルードルフィン(2代目)の就航により2017年に引退しインドネシアに売却、「MUTIARA FERINDO 5」と改称。


ナッチャンWorld編集

2008年5月就航 総トン数:10,712トン 全長:112m 幅:30.5m 旅客定員508名 トラック50台、乗用車110台積載可能


東日本フェリーからの引き継ぎで、オーストラリア・インキャット社製の双胴高速フェリー。同型船としては世界最大級であるが、全長112mは津軽海峡フェリーの中では特段大きいものではない。

高速フェリーの名に恥じず、姉妹船の「ナッチャンRera」と共に青函航路を在来船の倍の速度で運航するが、お値段も倍以上というなんとも微妙な結果となった。

かつて同じウォータージェット推進の高速フェリー「ゆにこん」を投入するも、曳き波による漁業被害や欠航率の高さから僅か3年で売却した経緯があり、本船の就航にあたっては「ゆにこん」の失敗を繰り返さないよう研究が重ねられ、就航率については改善となった。

しかし2000年代後半の燃料高騰により運行停止を余儀なくされ、東日本フェリーの破綻とともに「Rera」は台湾へ売却。残った同船も沖止めされたままであったが、津軽海峡フェリーは夏季の多客期にのみ運航し乗船客を賑わせた。

だが、2012年以後はそれも休止となり、事実上引退状態にあったが、防衛省が同船を災害時に活用できる輸送船として活用するために借り上げたことで、自衛隊のチャーター輸送船となる。現在の所有者は特殊会社の「高速マリン・トランスポート」であり、自衛隊の機材輸送任務がない日は団体向けのクルージングに使用される。


関連項目編集

フェリー 青函連絡船

青函フェリー - 同業者。

自衛隊


外部リンク編集

津軽海峡フェリー公式サイト

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