FFTA2
えふえふてぃーえーつー
概要
『ファイナルファンタジータクティクス A2 封穴のグリモア』とは、スクウェア・エニックスより2007年10月25日に発売されたニンテンドーDS用シミュレーションRPG。
FFシリーズの一つで言わば外伝的作品。
FFTシリーズの三作目で、FF12と繋がりがあり前作よりシステムを改良(主にロウ関係)した作品。
登場人物などに繋がりがあるため、前作をプレイしていると更に楽しめる。
前作をDSに挿した状態でゲームを開始すると特典がある。
クエスト総数はなんと300件もあり遊び応え十分。
ちなみに「A2」は元々GBAソフトとして開発されていたがDSで発売となったため、仕方なくAと残された。
そういった経緯もあり、
- タッチ操作不可。
- オプションに画面の上下を入れ替える項目がある。
などの珍しい仕様がある。
世界観
主人公ルッソ・クレメンズはグリモアの力で「イヴァリース」の一地方「ユトランド」に飛ばされる。
元の世界に戻るため、ルッソは様々なクエストなどこなしていくことになる。
FF12から数年後の世界で、ルッソの世界はFFTAから十数年後という設定になっている。
重苦しい雰囲気だった前作とは異なり、
「ルッソがイヴァリースで色々な経験をして日記(グリモア)を埋める事」が目的である。
そのため、サイドクエストの雰囲気も全体的に明るめ。
例としては、
- 月刊誌の編集長の無茶振りに応えつつ体当たり取材
- アイドルグループの楽器を探す
- デートを複数ブッキングさせた男の代わりに、デートに赴きステキな詞をプレゼントする
…などである。シリアスなクエストも当然存在するので、プレイヤーもイヴァリースを満喫しながらグリモアを埋めていってほしい。
また、FFTシリーズ名物の一騎打ちはサイドクエスト後半に別のユニットで計2回ある。
ガリークランの人物
ガリークランはデフォルト名で、プレイヤーが自由に変更できる。
シド(FFTA2)
本タブ絵一番右の人物で本作のシド。イヴァリースに飛ばされたルッソをクランに引き入れる。詳細は記事を参照。
重要人物
メインストーリーに関与する人物の他、複数クエストに登場する人物を記載。
ミュート・ランデル
前作からゲスト出演。ルッソの担任教師となっており、彼に図書館の掃除を頼むところから物語が始まる。
ラザフォード
大魔道士。ルッソ帰還のためのアドバイスをしてくれる。あらゆる分野の知識を持つ。
ユエン
イルーアの側近。固有ジョブに就いているが性能は忍者と同じ。見かけたら「忍び足袋」を盗んでおこう。
エゼル・バルビエ
前作からゲスト出演。相変わらずロウ分野で悪事を働いているがルッソには友好的。メインストーリー攻略において重要なアイテムをくれるので仲良くしておこう。
湿地の魔女
薬関係のクエストで登場する老齢の赤魔道士、暗いメッとした調合依頼をやりたがっている。依頼料は高額だが錬金の腕は確か。
シャンメル・シィ・ヒースカリス
わがままなお嬢様。エンゲージしたがったりドレイクをペットにしたがったりアグレッシブ。ペットは衝撃の末路を辿る。
ライバルクランや団体
サイドクエストやオークションなどで登場する。
非常に個性豊かで、メインストーリーよりインパクトやボリュームがある場合も。
バウエン一家
ことあるごとに顔を合わせる3名の少数精鋭の凄腕ライバルクラン。リーダーのバウエンは怪鳥クレスタと因縁がある様子。
クエスト「アサシンウィズ」をクリアするとウィズが加入し4名になる。凄まじい早さの彼女を見かけたら「忍び足袋」を盗んでおこう。
月刊ボンガ
毎月発生する体当たり取材クエストの雑誌出版元。編集長の破天荒な言動はプレイヤーにインパクトとイライラを与えることだろう。
社長のステータスと知能はとても低いが、編集長は媚を売りまくっている。昔「修羅を求めし者」と「人材紹介所のおやっさん」とクランを組んでいたらしい。
サンクルール
登場時期に合わないほど高レベルなクラン。本作では貴重な格上とエンゲージできる機会なのでしっかり準備して挑もう。
セントリオ
FF12にも登場したクラン。モンブランの移籍に伴いバンサトがリーダーをしている。
チッタ武器錬工
若者に厳しい親方が運営するバンガの団体。メイス磨きを募集している。
ノーベルンモゥ
BN闘争という不毛極まりない小競り合いを続けているクラン。クエストを進めると彼らの関係が変化していく。
ゲームシステム
難易度
ノーマル、ハードから選ぶ事ができる。
特にハードはFFシリーズの中でも屈指の序盤難易度を誇るので注意。
ユニット育成
前作から全種族のジョブが追加。(ただしン・モゥ族のめたもる士はリストラ)
それぞれの種族とジョブに長所があるため、自由にユニットを育成しよう。
ただし、クランに所属できるユニット総数は24騎であり、強制参加の固有ユニット9騎と枠を共有するため、汎用ユニットは最終的に15騎までしか保有できない。
レベル上限は今作は99になったため、前作よりもじっくり最強育成ができる。
前作と同様の注意点だが、ジョブ毎に各ステータスの成長率が異なるため、様々なジョブでレベルを上げていると、ステータスが中途半端なユニットができてしまう。
レベルの低いうちから育成方針を決めておこう。
前作と異なる仕様
MP
前作と異なり、エンゲージ開始時のMPは0で、キャラのターンの度に10ずつ回復する仕様となった。
その為、最大MPは基本的に死にステータスである。
強力な魔法アビリティを使用したい場合は、
などの工夫が必要になる。
そこで、
①MPを回復したいユニットに属性吸収防具(火群の衣やカメレオンローブなど)を装備させる
②吸収対象の属性武器を装備したユニットの「マジックブレイク」を回復したいユニットに当てる
③MPダメージを吸収するのでMPが回復する。
という方法がある。
また、バンガ族でマジックブレイクを行う場合、竜騎士や神殿騎士が装備可能なランスで行うと2体のユニットをまとめてザクザクと串刺しにしてまとめて回復できる。
盗むについて
FFT恒例のシーフのAアビリティ「盗む」は相手の武器や防具を盗むことはできなくなってしまった。(アクセサリは可)
防具はヴァイキングの「ひっぺがす」で盗むことができるが、武器を盗む手段は完全に無くなった。
どうしても敵ユニットから武器を入手したい場合は、敵ユニット忍者の「なげる」、もしくは曲芸士の「放り投げる」をRアビリティ「キャッチ」することで入手できる。
精神統一について
前作で猛威を振るったSアビリティ「精神統一」は命中率が5%上がるだけのアビリティになった。
「ブースト」「ジャンプ」といった低命中率の補助ならば、緑魔法「カムダン」を使おう。
追加種族
グリア族は高さを無視して移動ができ、シーク族は相手ユニットから防具を奪う「ひっぺがす」など、見た目と異なりトリッキーな戦いを得意とする。
※グリア族のユニットにたかさを無視できるアクセサリ「ガルミアのくつ」を装備させた状態でエンゲージ中いどうするとゲームがフリーズするので注意。
ロウについて
概要の項目でも触れられているが、前作FFTAは、ロウのペナルティが厳しかったせいで、ロウ調整のテクニックを知らなければ難易度が高かった。
今作ではロウを守ると、
- クランアビリティの適用
- 蘇生アイテム、アビリティが使用可能
- クエストクリア後にアイテムが貰える
といった恩恵が得られる。
遵守が強制だった前作とは違い、守った方がお得といった仕様となっている。
オークションについて
シナリオが進むと主要都市で周辺の土地をトークンで競り合うリージョンオークションに参加できるようになる。
周辺地域を全て獲得すると財宝オークションに参加できるようになる。これが大問題。
財宝オークションでは、ありとあらゆるレアアイテムを簡単に入手できる。
アイテムコンプリートや育成には便利だが、難易度を下げ過ぎたくない場合は過剰な利用は避けるべきであろう。
種族の特徴と格差
前作から問題になっていた種族格差は更に広がった。
ヒュム族
最もジョブが多い。
前作から優遇気味だったにもかかわらず、新ジョブが両方とも強力である。
用心棒はトップクラスに物攻が成長する上、狩人並にスピードが伸びる強力なジョブ。
導士は育成には不向きなものの「大魔法」が〜ラ魔法を使えるので攻守のバランスがいい。
強力なアビリティの組合せの例は以下。
- Sアビリティ「二刀流」「MPターボ」「属性強化」のいずれか+大魔法「マジックバースト」「幻術」
- Sアビリティ「属性強化」+3属性奥義
特に前者はその場で敵ユニット全員を焼き払えるので、エンゲージ開始からいどうする必要すらなくなることもある。
乱用するとゲームのバランスが崩壊するので要注意だが運用するならMP確保手段と併せて使用したい。
ヴィエラ族
本作屈指のバランスブレイカーである。
他の種族よりスピードが伸びやすく、女性ユニットしかいないのでリボン系装備も着用できる。
前作では精神統一+息根止で暴れ回ったが、今作では精神統一が弱体化した。
しかし、新ジョブ緑魔道士にて命中率を上昇させる「カムダン」、いどうを上昇させる「リーブ」を獲得。前作と変わらないプレーが可能。
しかしながら、本題は新ジョブ魔法剣士にて格安APで覚えられるSアビリティ「HP消費魔法」にある。
MPが0から始まる本作では踏み倒しは便利そうなアビリティに見えるが、それだけでなく隠し効果で武器のつよさと魔法のつよさが1.2倍になるトンデモナイものである。
これを利用し、
- 属性吸収防具を装備したユニットで自身を巻き込みながら吸収属性の「召喚」を使用することで、敵複数体にダメージを与えつつ自身はHP回復
これを「赤魔法」の「連続魔法」で2連射
- 素早いアサシンで「リーブ」や「カムダン」などのバフを撒きながら「息根止」や「封印」で敵ユニットを消す
- フェンサーやスナイパーなどで攻撃のつよさ補正を活かし「連射」
などなど、ありとあらゆる方法でエンゲージを一方的に進める事ができる。
バンガ族
前作同様に鈍足なジョブが多いため、敵地に辿り着く頃にはエンゲージ終盤という事態を見かけるようになる。
しかし今作では新ジョブマスターモンクにてSアビリティ「満タン強化」、武器こうげきを連打する「連続拳」を獲得。更に火力に磨きがかかった。
新ジョブのトリックスターはスピードと魔法のつよさがグングン伸びるバンガでは異端なジョブ。アルテマチャージをカードの射程で使用できるため上手く使えば強力。
満タン強化は高さを無視できるグリア族も同時に取得したが…
ン・モゥ族とモーグリ族
なんと2種族共に水侵入不可にされてしまった。
しかし、「ヘイスガ」などの有用な魔法を専有している。
ン・モゥ族の場合、消費MP半減と合わせると毎ターン使用可能。
追加ジョブは裏魔道士と学者。
裏魔導は総じて使い勝手が悪い。ステータスも実質死にステータスの最大MPが良く伸びるが他は微妙なので、レベリングは錬金術士で行いたい。
学者はなんと脳筋。攻撃力がよく伸びるため魔獣使いで育成したユニットの派生候補ではあるが、魔法重視で育成する場合は今までの育成が水の泡になってしまう罠ジョブである。
モーグリ族は前作からの強力なアビリティ「曲芸」の強さはそのままである。
新ジョブは両方ともクセが強い。
チョコボ士は瀕死状態のチョコボの隣のマスから乗り込める。いどう範囲とスピード、装備できる武器や防具に優れるが他は平均以下。
グリア族
翼人のため、たかさを無視していどうができる。
バンガと同時に獲得した「満タン強化」を用いると火力を出しやすい。
特に「捨て身」からの「不意打ち」は強力。エフェクトは地味だが中々の火力を誇る。
シーク族
Sアビリティ「薬の知識」と「こうかぎゃくてん」エクスポーションが強力。序盤から使えて固定400ダメージを与えられる。
本作のRTAでは汎用キャラ全員シーク族という光景も見られる程である。
敵ユニットから防具を奪う「ひっぺがす」も覚える。
ジョブ一覧
※は本作の追加ジョブ
シーク族とグリア族は本作からの登場である。
前項では色々書いたが、多様なジョブがあり、それぞれ個性的なので自由なユニットを育成していってほしい。