「完成!
お誕生日おめでとう、鈴芽」
CV:花澤香菜
はじめに
本項目は、アニメ映画『すずめの戸締まり』の核心に深く関わる内容を掲載しています。
作品を鑑賞された方、もしくはネタバレに自己責任を持てる方による閲覧を推奨します。
概要
岩戸鈴芽が幼いころに一緒に暮らしていた、彼女の母親。また、九州の宮崎県で暮らしている岩戸環の6つ上の姉でもある。(小説版、285ページ、311ページ)
カラッと明るく優しい女性で、料理も運転も工作も何でも上手にこなしている。物語のなかで印象的に登場する黄色い子供椅子も、元々は鈴芽の4歳の誕生日プレゼントとして彼女が作ったものである。
岩手県の病院で看護師として働く椿芽は、会議や勉強、家事などを精力的にこなすかたわら、一人娘の鈴芽を心の底から愛していた。そんな彼女は、2011年の3月に東北地方を襲った未曾有の大災害に巻き込まれて行方不明となってしまうものの、彼女が鈴芽とともに過ごした温かく優しい日々は、娘の鈴芽にとってかけがえのない思い出となり、今もなお彼女の胸の内で大切にされている。
人物
容姿
ゆるくウェーブした長い髪をポニーテールにまとめた、強さと優しさを併せ持った雰囲気の女性。長い睫毛(まつげ)やふっくらとした唇といった彼女を構成する一つひとつのパーツもまた、彼女の大人の女性としての美しさを際立たせている。(小説版、215ページ、『すずめの戸締まり』映画公式パンフレット、27ページ)
女性的な華やかさやその奥に垣間見える芯の強さなどは妹の環と似通っているところがあるものの、目元にはどことなく現在(17歳)の鈴芽の面影が感じられ、親子のつながりをうかがわせるものとなっている。(『すずめの戸締まり』映画公式パンフレット、27ページ)
性格
父親の代わりを果たそうと一心に取り組むたくましい強さと、たったひとりの娘を大切にする優しさを兼ね備えた、太陽のようにカラッと明るい性格の持ち主。
鈴芽の前ではつねに元気溌剌に振る舞っているほか、退屈する彼女から催促の声をかけられた際には「まだまだ、まだ」などとユーモアにあふれた返事を返している。
その他
- 生年月日は1977年3月10日。2011年に34歳の誕生日を迎えた際には、娘の鈴芽から「100さいまでいきてね!」と祝われている。(小説版、311ページ)
- 看護師として病院で働くことを仕事としており、ときには娘の鈴芽からナースステーションの窓をノックされたりしている(小説版、214ページ)。また、マクドナルドのハッピーセットとして販売されたスピンオフ絵本『すずめといす』では、パソコンを使ったオンライン会議や、看護師としての勉強に取り組む様子が登場している。
- 工作の腕前はなかなかのものであり、木槌やのこぎり、巻き尺といった小道具の取り扱いはもちろんのこと、電動ドリルで木板に穴を空けるなどの芸当もこなしている。
- 工作のほか料理も得意であり、外で遊びまわって帰ってきた鈴芽のために、さつまいものケーキやシナモンシュガーの揚げパン、きなこをまぶした豆腐餅といったおやつを用意することを常としていた。(小説版、307ページ、352ページ)
- 仕事がない日には鈴芽を連れて車を運転し、近隣のショッピングモールに遊びに行くようなこともあった。(小説版、311ページ)
岩戸鈴芽との関係
かつて椿芽と一緒に暮らしていた彼女の娘。
椿芽は鈴芽のことを「鈴芽」と呼んでおり、対する鈴芽は「おかあさん」と呼んでいる。
夫のいない母子家庭の母親である椿芽は、日々仕事や勉強、家事などで多忙な生活を送るなかでも娘の鈴芽と触れ合う時間だけは欠かすことはなく、散髪やショッピングモールへの外出、ひな祭りや二人だけのカラオケ大会といった小さなイベントなど、鈴芽が喜ぶさまざまなことを行なっている。とりわけ、鈴芽の4歳の誕生日には、彼女へのプレゼントとして鈴芽のサイズに合わせた世界でひとつだけの子供椅子を作っており、喜んで飛びついてきた彼女を抱きしめた椿芽は作った甲斐を噛み締めながら彼女と笑い合っている。
娘のことを心から愛し、また娘からもずっと長生きしてほしいと願われていた椿芽は、しかし2011年の3月に東北地方を襲った未曾有の大地震とその直後に起こった津波によって、勤務先の病院とともに帰らぬ人となっている。(小説版、262ページ、307〜309ページ)
関連タグ
岩戸鈴芽 - 椿芽の娘。九州の静かな町に暮らしている女子高生。
岩戸環 - 椿芽の妹。実家を出てから長いあいだ九州で暮らしている。
すずめの椅子 - 鈴芽の4歳の誕生日プレゼントとして椿芽が作った椅子。
外部リンク
参考文献
- 新海誠『小説 すずめの戸締まり』 角川文庫 2022年8月24日発行 ISBN 978-4-04-112679-0
- パンフレット 映画『すずめの戸締まり』 東宝 2022年11月11日発行