概要
アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.の中心部に位置する大統領官邸・公邸である白亜の建物。
「ホワイトハウス」という言葉だけでアメリカ政府そのものを表すこともある。
設計者はアイルランド人のジェームズ・ホーバン。1800年の完成以降、200年以上に渡り首都ワシントンD.C.と共に米国政治の中心であり、現在は世界情勢を左右する重要な場所となっている。
主な施設
- エグゼクティヴ・レジデンス
施設の中央にある最も見慣れた建物。大統領とその家族が暮らす住居エリアだが公邸としてでなく、外国首脳や議会関係者など要人との会談、条約や重要法案の調印式、上級公職の任命会見、重要な記者会見、訪問者との会見、晩餐会やレセプション、その他公的な行事が行われる。
- ウエストウイング
エグゼクティヴ・レジデンスの西側に位置しており、大統領執務室である「オーバルオフィス」や首席補佐官など上級スタッフのオフィスもある。地下にはキューバで発生したピッグスワン湾事件後にケネディ政権によって設置された世界各国の情報収集を行う「シチュエーションルーム」が置かれている。
- イーストウィング
こちらは東側に位置しており、ファーストレディやそのスタッフのオフィスがある。こちらの地下には「バンカー」と呼ばれる核シェルターとしての機能を持つ大統領危機管理センターが設置されており、2001年のテロ事件のさいには副大統領をはじめとした閣僚がここに退避している。
余談
- 1814年の米英戦争のさいにイギリス軍の焼き討ちで全焼し、再建した際に黒焦げになった壁を白く塗りつぶしたことで呼ばれるようになったとされている。ただし、それ以前の1811年に「White House」という記述が使用されていた形跡があり、この説は誤りとする意見もある。
- ホワイトハウスが現在の形になったのは、トルーマン大統領の時代に行われた老朽化に伴う大規模改修工事を経てのことである。
- 所在地は「ペンシルベニア通り1600番地」にあるが、これがアメリカで最も知られた住所とされている。
- 着工は、初代大統領ジョージ・ワシントンの頃であるが、彼は建設中に政界を引退しており、なおかつ完成前年の1799年に死去している。そのため、最初に入居し執務を行ったのは2代大統領ジョン・アダムズである。
作品での扱い
数多くの映画やドラマに登場するが、内部は基本的に公開されている範囲が広いことから概ね正確に描かれていることが多い。しかし、アメリカのシンボルであるがゆえに自由の女神と同様、宇宙人に破壊されたりテロリストに乗っ取られたりするシナリオも多々ある。
なお現実でも大統領の住居エリアが銃撃される事件が何度か発生している。