アキシマクジラ
あきしまくじら
かつて太平洋の日本近海に生息していたクジラの一種である。
概要
学名:Eschrichtius akishimaensis(昭島市で発見されたエスクリヒト博士のクジラ)
体長:13.5mメートル
生きていた時代:約160万年前(新生代・更新世前期)
1961年に東京都昭島市を流れる多摩川の河原で化石が発見された古代のヒゲクジラ。
コククジラにごく近縁で同属に含まれるが、化石種であり既に絶滅している。ちなみにコククジラ属は絶滅種を含めても現生のコククジラとこのアキシマクジラの2種しか確認されていない。
全身の大部分が残っていたこともあり、発見後の早い段階からヒゲクジラの仲間だろうということは判明していたが、そこから半世紀以上も経った2012年にようやく研究がスタートし2018年に新種と判明。冒頭の名前が付いた。
ちなみに、この化石はたまたま河原に骨が露出していたところがきっかけで発見されたらしいが、あと数年でも遅かったら川の流れや風雨に侵食されて失われた可能性があったとか。新種認定の決め手になったのは「本種と現生種の頭骨に異なる特徴があった」ためであり、かなり際どいタイミングで発掘された化石であった。
2020年に昭島市にオープンした教育福祉総合センターは、本種の新種認定を記念し種小名を引用した『アキシマエンシス』の名が付けられており、館内には本種の実物大骨格模型が展示されている。