「この呪影の《声》を聞いたら もう ジ・エンドだ!」
「この足の《声》から 逃れる方法は……ない!」
概要
スクウェア・エニックスのホラーミステリーADV「パラノマサイトFILE23本所七不思議」に登場するメガネの大学生。
何よりも一番の特徴は、どうしようもないクズであること、そして溢れ出る小物感。
高慢なお坊ちゃんになってしまったのは、実家が裕福で何不自由なく育ったが、愛情はあまり受けられなかったため。現在は一流大学に通いエリートコースを歩みながら、実家からの仕送りで遊んで暮らしている。
灯野あやめと付き合っている(あやめには「お友達」と頑なに否定されている)が、人間的にそれほど尊敬できなかったため飽きられており、見下されている。
メタ的な話をすると、彼がこのような性格になったのは、ディレクター石山貴也氏が彼を意図的に「クズキャラ」としてデザインしたためである。こちらの製作者インタビューによれば、「こいつ本当にクズだな」という役回りは悪役にすべて押しつけることで、それ以外の人がみんな“いい人”でも話を動かすことができるようになっているそうだ。
そんな彼のゲーム本編におけるクズ行動は後述するとして、清清しいほどのクズっぷりから、一周回ってユーザーには大人気である。ファミ通.com主催のファンアンケートでは、好きなサブキャラクターランキングにて堂々の1位を獲得。この並垣人気は石山氏も予想外だったらしい。
実際やっていることはただのクズではあるのだが、不憫・かわいそうな描写も目立ち、どこか憎み切れない「愛されるクズ」に仕上がっている。人物リストの最後の一文にあるバターご飯のエピソードも、彼が愛される要因だろう。
呪詛珠
彼が持つ呪詛珠は、「足洗い屋敷」。
この「足洗い屋敷」の呪いは、呪影の発する「足を洗え!」という声を聞いた者を踏み潰し圧死させるというもの。物理的に耳を塞いだところで呪いの声には無意味であり、音を聞かせるだけでよいので複数人にまとめて呪詛行使することも容易。
似たような条件の「馬鹿囃子」が「30秒間聞かせ続ける」「途中で自分の姿を見られたら無効」という制限があるのに対して、こちらはただ声を聞かせるだけで呪殺できる。なんと、「馬鹿囃子」の完全上位互換である。
「足洗い屋敷」の呪詛は、他の呪詛珠と比べても非常に強力。これは、呪詛珠に宿る「怨みの記憶」の主が優れた陰陽師であること、さらに彼女が強い怨みを抱いて死んだことが原因。
本編内での動向
興家彰吾編
両国橋にて、自ら呪主であることを明かしたうえで、滓魂を集めるために協力することを持ちかけてくる。
興家が非協力的な姿勢を見せると、ページトップの台詞を吐きドヤ顔+謎ポーズをキメつつ、呪詛を行使してくる。上述の通り彼が持つ「足洗い屋敷」の呪詛は非常に強力。興家は成すすべなく巨大な足に踏み潰される
……はずだった。
「……ん? 声なんて……聞こえないが……?」
「なにっ!? そんな バカな……!」
なんと、ゲームのボイス音量を0にすることで、呪影の声を消し、呪詛を回避することが可能。実は最序盤に案内人からヒントが出されているのだが、気付かず何度も踏み殺された人も多いだろう。
そのまま興家に「今日は特別に見逃してやる」と言われ立ち去ろうとしたところを「置いてけ堀」で呪殺されることになる。
津詰徹生編
こちらのルートでも両国橋で他の呪主を探しており、津詰たちの様子を窺っていたところを、襟尾に職務質問をかけられる。
最近事件の起こった旧安田庭園に居たことから、津詰たちが「落葉なき椎」の呪主であることを推理して言い当て、呪主であることを明かしたうえで、津詰たちに協力を求める。が、もちろん警察が呪詛行使を容認するはずもなく、断られる。
そして今度もまたドヤ顔+謎ポーズでページ上部2つ目のセリフとともに、「足洗い屋敷」の呪詛を行使しようとするが……
「……な……なにいっ!? 呪影の効果が 出ない!?」
「どうした……? 声なんて しねえが……?」
やっぱり興家編と同じ方法で回避可能。そのまま襟尾に取り押さえられ、呪詛珠を回収される。
逆崎約子編
新石から情報を聞き出した帰りの約子とミヲに声をかけ、「昨日まで呪主だった者」と名乗り、白石美智代に関する話があるから両国橋で待っていると告げる。
ここですぐ並垣について行くか、先に津詰に報告しに行くかでルートが分岐する。先に津詰に報告すると、両国橋に津詰が同行してくれる。
どちらの場合でも話の内容は共通して、白石美智代の蘇りに協力したいということ。その際に、並垣は白石美智代とは「ちょっとした縁がある」と言っているが……。
※この先ネタバレ注意!
実は並垣、「ちょっとした縁」どころか、白石美智代を轢き殺した張本人である。白石美智代を蘇らせたいというのも、彼女を蘇らせて轢き逃げを無かったことにしようという魂胆から。
すぐについて行った場合、ミヲに協力を断られる。しかし、会話の最中に約子が姿を消してしまう。
並垣は大人しく諦めて帰ったかに見せかけて約子を追っており、約子の持つ呪詛珠を奪おうとする。しかし、約子に取り憑いていた白石美智代の霊により逆に恩讐される結末となる。
一度報告に戻った場合、白石美智代の証言から轢き逃げの犯人であることが割れているので、そのままお縄となる。その際、助手席にいた女性があやめだったことも判明する。
余談
- 登場する3ルートすべてで両国橋にいるため、ユーザーから「両国橋に住んでいる」などとネタにされることが多い。