pixivでは漫画『足洗邸の住人たち。』をモチーフとした作品に付与されることが多いタグであるが、ここではその由来となった江戸時代の怪異について記述する。
概要
現場はさる旗本の上屋敷。「足を洗え!」という大音声とともに、剛毛に覆われた巨大な脚が天井を突き破って現れる。
家人が足を洗ってやると天井裏へ消えていくが、洗わずにいると家じゅうの天井を踏み抜いて暴れたのだという。
この足の持ち主を「足洗(あしあらい)」もしくは「足洗鬼(あしあらいおに、あしあらえおに)」と称することもある。
ただし脚だけで天井から床まで届くサイズとなれば、脚以外の部位が天井裏の空間に収まるとは考えにくい(巨大な鬼の本体が存在する異界につながっている可能性もあるが)。
一部ではその正体は狸であり、変化の術で形成された「脚だけの妖怪」ともいわれる。
江戸時代から明治時代にかけて、類似した怪異が複数件発生したとされている。
ある事例ではこの妖怪を退治しようと試みたものの、刀で切っても煙のように手ごたえがなく、祈祷によって祓おうとすれば術者を踏みにじって黙らせてしまうなどで手に負えなかったという。
一方で、この怪異は「凶事の先触れとして警告の意味で現れる」「家に害を為す者を襲う」などの解釈で好意的に扱われることもある。