概要
Keyが制作した恋愛アドベンチャーゲーム『AIR』の劇場版。2005年2月5日に公開(夏が舞台の作品なのに冬公開な理由に関しては後述)。
制作はTVアニメ版を手掛けた京都アニメーションではなく、東映アニメーション。
TV版では主人公・国崎往人の役は小野大輔氏が担当しているが、本作ではPS2版ゲームと同一の緑川光氏が演じている。
作風・評価
「AIR」は難解かつとても伏線が多い作品で、しかも全3部構成になっている上に第2部は1000年前の平安時代が舞台である。こうした尺の長さを無理やり90分の映画にまとめた弊害もあり、かなり駆け足な展開(「AIR」はサブヒロ>イン2名の√もあるが、勿論尺を割く余裕などないのでその2人はほぼチョイ役である)になっている。
特にTV版しか知らない視聴者は「観鈴が普通に喋ってる!!」と驚いた人も多かった。
かくして原作の雰囲気を残しつつ、出﨑監督の原作付き作品に見られる、大幅にアレンジした脚本や演出(例を挙げると、原作では観鈴√では殆ど出てこない「夏祭り」が往人にとって非常に思い入れの強いものになっている、結末が原作と全く違う等)のために、ファンの間では賛否両論分かれ、当時存在した出﨑監督のファンサイトの掲示板は荒らしに遭い、一時閉鎖の上、運営体制を大幅に刷新せざるを得なくなった。
こうした内容となったのは、出﨑の制作方針もあるが、テレビアニメ版の制作も決まっていたためにある程度監督の采配で作ってよいというプロデュース方針があったためである。が、劇場版の制作が遅延したため、本来は劇場版⇒TV版という順番だったのが公開の予定が逆転してしまい、結果的に高評価だったTV版を見た後で劇場に足を運んだ人が多かったためこのような評価となった。
一方で、キャラクターデザインはTV版よりも良いという評価をされている。
また、興行成績としてはそれなりの結果を残しており、後の劇場版CLANNAD制作に繋がった。
ちなみに出崎監督は本ゲームをプレイしたことが無かったらしい。
関連動画
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あしたのジョー:出崎の代表作。矢吹丈と往人の髪型が似ているので、本作を冗談めかして「ギャルゲ版あしたのジョー」「あしたのジョー3」などと評する出崎ファンもいる。