概要
銀水聖海の深淵に至った世界に存在する、万物を飲み込む渦。
一度渦動すれば、小世界すら容易く飲み込む、銀水聖海の大災厄であり、悪意の大渦とも呼ばれる。
正体
深淵世界に存在する、銀海中から悪意を吸い寄せる《淵》。
それは、銀水聖海を掻き混ぜるほど強大になった《渦》である。
渦動
過去に《絶渦》が渦動したとき、最初に飲み込まれ、掻き混ぜられたのは時間であり、《絶渦》の力に対抗できなかった銀泡ほど大きく時間が狂わされ、ある世界では一秒の出来事が、ある世界では百年かそれ以上になるといった事象が幾つも発生し、各世界同士の時間の整合が崩壊した。
そして、銀水聖海の出来事を感知できない泡沫世界では、数十億年の時間が経った所も存在し、そのまま滅び去った銀泡は数知れない。
また、《絶渦》が渦動した際、各世界は協力して彼の災厄と戦った。しかし、その殆どは抵抗虚しく大渦に飲み込まれてしまい、その影響で時間が噛み合わなくなった世界同士では、連携をとることが困難になった。その結果、各世界同士が分断され、孤立した状態での対処を余儀なくされた。
それから、時間が狂った後、《絶渦》は更に銀泡を飲み込み、火露を掻き混ぜながら吸い寄せ、奪い始めた。それは深い世界ほど強く影響を受け、多くの銀泡の外郭が破壊された。
また、泡沫世界には火露を閉じ込める秩序(概念)が働いていないため、吸い寄せられた火露は銀泡の外郭を破ることはなく、秩序の穴を素通りした。そのため、銀泡自体が破壊されることはなかった。
鎮静化
銀水聖海の覇者たる大魔王ジニア・シーヴァヘルドが深淵魔法にて深淵世界を引っ張り上げたことで、数多の小世界を飲み込んだ大災厄は鎮められた。
異変
一万四千年前、二律僭主ノアが転生の秩序を構築した後、これまで以上に銀海中の悪意を吸い寄せ始め、銀水聖海の全てを飲み込むほどの規模となった。
再渦動
現在まで深淵魔法にて《絶渦》を鎮め続けていた大魔王ジニアだが、その代償として大幅に寿命を削られており、それが尽きる時は刻一刻と近づいていた。
そして、ジニアが滅びると、銀海の深淵化が進んで《絶渦》が再び渦動してしまい、今度こそ銀水聖海の全てを滅ぼしてしまう。
そのため、次善の策として銀海の強者たちを魔王に勧誘し、その中から継承者を選ぶことで再渦動を防ごうとしたが、相応しい者がいなかったため、深層十二界を訪れたアノスに深淵魔法と深層十二界を譲った。
────のだが、その際に第一魔王アムルが不意打ちで《極獄界滅壊陣魔砲》を放ち、自身とアノス、深淵魔法以外の一切合切を滅ぼして、深淵魔法を強奪した。
発生原因
《絶渦》は深淵化によって自然発生したものと考えられていたが、アノス達は「何者かが《絶渦》を生み出した」と推測しており、後に正帝ヴラドが聖剣世界ハイフォリアに存在する虹水湖を《淵》に進化させ、深淵化を進めたため、ヴラドが《絶渦》を生み出したのではないかと予想される。