ツクシホウイチ

つくしほういち

ウルトラマンブレーザーの登場人物。

概要

『ウルトラマンブレーザー』第9話「オトノホシ」に登場するキャラクター。

とある楽団『アンサンブルQ』に籍を置くチェリスト。漢字表記は「筑士芳一」。

ミナミ・アンリとは10年前に知り合った仲であり、彼女からは「ツクシのおじさん」と呼ばれ親交は深かった様子。

第9話の予告映像から、同話に登場するガラモンと何かしら関係があるようであるが…。

冒頭でアンリの元にコンサートへの招待状を送る。

「もっと演奏したかった」と演奏の終わりを惜しむ楽団のメンバーと共に夜空を眺めていた。その夜空に見えた一筋の流れ星は、ガラダマとして多摩川に落下する。

「始めよう。これが最後のコンサートだ…。」

そして演奏を開始すると、それに同期するようにガラダマを割ってガラモンが現れ、活動を開始する。

アースガロンが現場に到着し、ガラモンとの戦闘を開始したタイミングで曲が変わり、

SKaRDの調査により、ガラモンはロボット怪獣であること、観測される音波の波形の変化によってガラモンの行動パターンが変わること、そしてコンサートでの演奏がガラモンを操っていることが次第に明かされ、コンサート会場にアンリが向かう。

会場に到着し、ガラモンとの関係について問いかけるアンリに対して、その正体を仄めかしつつ彼は真実を語る。

「我々は、この星の人間ではないからね。」

「銀河のあちこちに同士をばら撒き、呼び寄せ、奪い尽くし、去っていく…それが我々だ。」

その正体は本編から60年前に地球侵略の為に送り込まれたチルソニア遊星の工作員たちのリーダー格。

地球に到着した時点でエスパライザーを設置し、本来は既に侵略行為を終えている筈であったが、地球の音楽と出会ったことを切っ掛けに心変わりし、侵略を放棄。

黒岩(クロイワ) チッチ、新瀬三智(ニイゼ・ミチ)、日暮奏(ヒグラシ・カナデ)と名乗る仲間たちとアンサンブルQを結成。路上で演奏をしながら平穏な日々を送っていたが(おそらく)母星からの指令を受け、仕方なく侵略行為を開始する事となった。

しかし心の奥では素晴らしい音楽を奏でることのできる地球人に愛着を持っていた為、自分たちの行いを止めてほしいとの願いを込めてアンリにコンサート会場への招待状を送っていたのだった。

最終的にアンリが右腕を狙撃したことで演奏は阻止され、ガラモンもブレーザーに倒された事で侵略作戦は失敗に終わる。

「この宇宙に、音を出す生物は沢山いる。でも…君達は、音を…音楽を純粋に楽しむことが出来る。消えてしまわなくて良かったよ。…ありがとう…！」

異星人の正体を表しつつ、緑色の血液を流す右腕を抑えながら自分たちに音楽の素晴らしさを教えてくれた人間と自分を止めてくれたアンリへの感謝を伝え、仲間たちにも好きに生きてくれと言い残し音楽会の幕は閉じられたのだった……

その後、彼がどうなったのかは不明だが、原典では作戦に失敗したセミ人間は処刑された事から、彼も同様の末路を辿った、或いは母星からいずれ粛清されると察し自ら命を絶ったと思われる。

演者の東儀秀樹氏の本職は雅楽師であり（というか、彼の生家である東儀家は歴史ある雅楽の名門の家庭）、かつては宮内庁にも勤務していたエリートである。

退庁後の現在も、全国各地で公演を行ったり、多数のアルバムを手掛けるなど精力的に活動を行っている他、ドラマやドキュメンタリー番組のテーマ曲や挿入曲を手掛けたことも多いため、顔を見たことはなくとも彼の楽曲をどこかで聴いたことがあるという方も多いと思われる。

一方、2001年頃から俳優としても活動しており、特に大河ドラマ『篤姫』の孝明天皇役が有名。なお、俳優として活動するのは2021年に東宝系で公開された映画『妖怪大戦争ガーディアンズ』に本人役として出演して以来2年振りとなる。

秀樹氏はそれまでヒーローものには興味がなかったようであるが、『ブレーザー』は出演した縁もあってか毎週視聴しているとのことで、出演エピソードの放送前から、怪獣のソフビを買って遊んでいる様子などを度々自らのSNS上に投稿していた。

彼の出演したエピソードには、秀樹氏の実子である東儀典親氏や、秀樹氏としばしば公演を行っているインストグループ「Shikinami」のメンバーも楽団員の役で出演している。

また今作に出るに当たって新曲と今作のテーマであったウルトラマンの原点であるウルトラQのメインテーマのアレンジを制作している。

人間としての名前であるツクシホウイチの由来はツクツクボウシであり、他の仲間の名前も、クロイワとチッチゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシとその鳴き声など蝉由来となっており、さりげなく正体に関する伏線となっている。