砂漠は清潔だ
映画「アラビアのロレンス」より
概要
おおよそ降水量が年間250mm未満の土地。
沙漠と表記されることも稀ながらある。
ケッペンの気候区分では、年間降水量が乾燥限界の1/2未満で、最暖月の平均気温が摂氏10度以上の場所が砂漠気候に該当する(10度未満の場合は、無条件で寒帯に区分される)。記号はBW。
「乾燥限界」とは、20(t+x)=で求められる年間降水量。tは年間平均気温(摂氏)を代入する。xはさらに
- 夏に雨季がある場合(最多雨月が夏にあり、10×最少雨月降水量<最多雨月降水量)=14
- 冬に雨季がある場合(最多雨月が冬にあり、3×最少雨月降水量<最多雨月降水量かつ最少雨月降水量が30mm未満)=0
- それ以外の場合=7
と3つに分けられる。寒くなるほど乾燥しにくいため、同じ程度の降水量でも、砂漠になったりならなかったりするのが、条件に平均気温がある理由である。
自然による出来方としては、メジャーな物から順に
- 中緯度高圧帯によるもの(サハラ砂漠など)
- 内陸に位置することによるもの(ゴビ砂漠など)
- 寒流によるもの(ナミブ砂漠など)
- 山脈の風下側に位置することによるもの(パタゴニア)
となる。
環境
植物が育ちにくいので、地上に熱をとどめるものが少なく、昼夜の温度差が激しい。
一方、外来河川(砂漠の外に水源がある河川)や湧き水などで水が確保できる場所には植物が生え、オアシスとして人々にも利用されたり、都市ができることもある。
砂漠とは、旅のラクダで越えるような一面に砂丘が広がるイメージがあるが、岩石や礫が主な土地も多い。というか、面積的にはそっちの方が遥かに多い。
砂漠は暑いというイメージが強いが昼間の暑さと裏腹に、夜になると上述のように熱を留める物が無いことから急激に気温が下がることになる。
例えば冬のゴビ砂漠は気温が-20度にまで下がるといわれる為、防寒対策をしておかないと凍え死ぬことになる、のも満更嘘では無い。
また水分が無いというのはイメージ通りであり、水分の確保が砂漠では生死を分かつ重要な要素であり、砂漠での死因の一つは脱水症状である。
しかしながら脱水症状で死亡した人が水筒に水が残っていたというケースはかなり多く、多くの場合節約のしすぎによる死亡ということになる。
一方で雨が降った際には染み込まずに低いところに集まり、川のように地表を流れる事もある。
平らで歩きやすい涸れ川(ワジ、水無川)を移動していたためにおぼれて溺死するということも起きている。
創作において
ゲームでは過酷なマップとして描かれる事が多く、作品によっては一定時間毎にダメージを受ける等の砂漠ならではのシステムを採用している場合もある他、砂漠に住んでいるモンスターは強い、という傾向がある。
また、砂漠というとピラミッドと関連づけられることが多く、ピラミッドやそれに類した遺跡が存在することもよくある。
人間ドラマが描かれる場合、飢餓や悲壮感と結び付けられやすい。
日本の砂漠?
日本にはないと思われる砂漠だが、伊豆大島に「裏砂漠」と呼ばれる場所が存在している。
ただし、日本には「降水量が年間250mm未満」の定義に当てはまる環境が現時点でどこにも発生及び存在していないので、正式な砂漠の定義に当てはまらない。
つまり、日本にある砂漠というのは「環境としての砂漠」ではなく「地名としての砂漠」が存在するという事なので、誤解無きよう注意。
ちなみに、似たようなものである砂丘は砂が堆積した海岸のことを指すので、鳥取砂丘などのような場所も砂漠とは別物。
関連イラスト
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南極大陸/南極:降水が少なくて極めて乾燥している点においては砂漠と同じ。砂漠気候に含まれないのは、上記のケッペンの気候区分における気温の条件を満たしていないから。