概要
吐噶喇列島は鹿児島県の大隅諸島(屋久島、種子島、口永良部島)の南、奄美群島の北に連なる列島。いずれも火山島である。難読のためしばしば「トカラ列島」と表記される。
主要な島(有人島)は、北から順に口之島・中之島・平島・諏訪之瀬島・悪石島・小宝島・宝島の7島である(かつてはこのほかに臥蛇島にも人が住んでいた)。上三島(黒島、硫黄島、竹島)に対して、下七島と呼ばれた。また下七島と上三島をまとめて川辺十島と称した。
全域が鹿児島県十島村(としまむら)に属するが、役場は村外の鹿児島市に置いている。
社会
主要産業は農畜産業と漁業で、肉用和牛の子牛、観葉植物のサンセベリアの生産や早出しの枇杷など。周辺海域は好漁場で、古くから鰹節の産地として知られるほか、トビウオの干物が名物である。
アクセスはとても悪く、長らく村営定期船(フェリーとしま2)のみであった。鹿児島港から週に2回しか出航しない上、台風シーズンには頻繁に欠航する。2022年10月から鹿児島空港と諏訪之瀬島の間に航空便が定期チャーター便として運航している。
人口は740人ほどにすぎないが、住民の出生率が高い上に本土からの移住者が多く、離島としては珍しく人口が増えているという。
歴史
川辺十島は、第二次世界大戦前は十島村(じっとうそん)として役場を中之島に置いていたが、太平洋戦争後の1946年から51年にかけて上三島を除く十島村は米国の占領下に置かれていた時期があり、この影響で上三島が三島村として分離。復帰後の吐噶喇列島は新たに十島村(じっとうそん)を新設することとなった。