サテラビュー(Satellaview)とは、
スーパーファミコン下部にある拡張コネクタ[EXT.]に接続して使う任天堂公式の周辺機器である。
概要
任天堂はBSラジオ放送曲であるセント・ギガ(St.GIGA)と提携し、1995年から2000年の間にかけて
オリジナルゲームソフトや販売ゲームの体験版等を衛星データ放送にて配信していた。
また、後述する"サウンドリンクゲーム"と呼ばれた1時間限定でのオンタイム(≠オンライン)ゲームも配信していた。
サテラビューは、それらのゲームデータを受信し、スーパーファミコン上で楽しむ為の装置である。
定価は¥18,000であった。(現在は衛星放送サービスが完全に終了している為販売はしていない。)
また、実際にデータを受信する為にはBSアンテナ、BSチューナーが、
そして無料放送時間であるスーパーファミコンアワーの時間帯以外で受信する為にはSt.GIGAへの契約(月額制)が必要であった。
その初期費用のかなりの高さ[※1]から、実際にサテラビューサービスを受ける事の出来たプレイヤーは殆どいなかった。
([※1] しかし、それさえ払えれば体験版やゲームが追加費用無しで次々に無料で手に入り、サウンドリンクゲームも数多く楽しめたので、そういう後々の事を考えるとかなり安い金額であった。
ただし、運営後期に購入したプレイヤーは、その恩威を殆ど受ける事が出来ず、やっと買ってもらった、と思ったらサービスがかなり縮小しており、結果的にかなりの損をしてしまう形となってしまった者がいない訳ではない。)
BS-X ~それは名前を盗まれた街の物語~ & 8Mメモリーパック
サテラビューには、BS-Xと呼ばれるゲームカセットと8Mメモリーパックが同梱されている。
BS-X ~それは名前を盗まれた街の物語~
BS-Xとは、サテラビューのシステムを利用する為のシステムカセットとして機能するカセットである。
ゲームデータ受信方式はメニュー画面方式(例:Wiiショッピングチャンネル)ではなく、
MOTHERシリーズのような画面で表示される"街"(サブタイトルの「名前を盗まれた街」とはこの街のことを指す。)の中を
操作キャラクターである"ぼく"もしくは"わたし"[※2]を操作して
街の中にある各建物に入る事により、それぞれのサービスが受けられるという独創的な物であった。
また、その街には住人が存在し、会話内容も衛星データ放送により逐次更新された。
しかし今現在起動しても住人はいなくなっており、さらに自分の家以外の建物にも入れなくなってしまっているため、
結果的に街はゴーストタウンと化してしまっている。
ちなみに、盗まれた"街の名前"については最後まで明かされる事は無かった。
([※2]記事アイコンより、左:ぼく 右:わたし。また、BS-Xの初期起動時に個人名(ペンネーム)として10文字までを自分の名前として登録可能である。
(但し、名前登録後の変更は[ナマエカエル]というゲーム内で入手できるアイテムを使うか、またはどうしても手に入らない場合はデータを初期化するまで不可能となる。))
8Mメモリーパック
受信したゲームは全てこのメモリーパックに保存される。容量は名前の通り8MBである。(※"8MBメモリーパック"ではない)
フラッシュメモリなので電池消耗によるデータ消えがないのが特徴(しかし接触不良や静電気等によるデータ消えは起きやすいので扱いには注意を要する。)
基本的に配信ソフトは2MB、4MB以上の物が多く、すぐに容量不足になりやすく、削除しなければいけないデータが出てきた。
また、サウンドリンクゲームでは基本的にメモリーパックを8M全て使用してしまう(使用しないソフトも一部存在した)為予備のメモリーパックが無い場合は泣く泣くゲームデータを消す事になった。
(※サウンドリンクゲームについてはメモリーパックにデータを受信はしているものの、データ起動時に削除フラグが立ち2度は遊べない(BSF-ZEROグランプリ等一部のソフトを除く)為、事実上メモリーパックはまっさらな状態になってしまう。)
サテラビュー発売後しばらくしてメモリーパック単体での販売も開始されたが、1個¥5000という価格設定もあり、なかなか子供には手の出せない代物であった。
「ラジカル・ドリーマーズ」や「カービィのおもちゃ箱シリーズ」等のサテラビューオリジナルソフトが入っているメモリーパックの中古価格がかなり高騰しているのは、
そういった背景(接触不良のや静電気等による消失、サウンドリンク等での消去)があり現存数が極端に少ないからである。
サウンドリンクゲーム
サウンドリンクゲームは、1時間の制限時間(但し、OPとED、ランキング画面を含めて1時間のため、実際のプレイ時間は1時間より多少減る。)があり、
タイムアタック性のあるオンタイム(≠オンライン)ゲームである。また、サテラビューの代名詞とも言うべき存在である。
セント・ギガのBSラジオ放送を生かし、高音質なラジオ放送によるBGMや音声のもと、プレイヤー同士が得点を競い合った。
また、ゲーム中に繰り広げられる音声には、
- ゲーム中に直接効果をもたらすもの(実際にはその台詞を言った時点の時間でそうなるようにプログラミングされている)
- ゲーム攻略の為のヒント
- そのゲームに関する雑談
等様々であった。
また、キャラの声優にプロの声優を使ったり、有名人がパーソナリティを務めたり、さらには一般人までもラジオ陣として参加させた事があり、各ゲーム毎に様々なキャスティングがされた。
ゲーム中に流れるBGMは主にサウンドトラックやアレンジCDからの流用が多い。ただし、それらは現在廃盤になっている物が多く、それぞれ入手する事はなかなか難しい。
サウンドリンクゲーム一覧
(ここではPixivにタグの存在するシリーズ・作品のサウンドリンクゲームを挙げる。)
- BSゼルダの伝説
- BSゼルダの伝説 古代の石盤
- BS探偵倶楽部 雪に消えた過去
- BS新・鬼ヶ島
- BS風来のシレン スララを救え!
- BSスーパーマリオUSA パワーチャレンジ
- ALL JAPAN スーパーボンブリス CUP'S 95
- BSドラゴンクエストI
- BSマーヴェラス タイムアスレチック
- BSマーヴェラス キャンプアーノルド
- モノポリー講座 ボードウォークへの道
- BS牧場物語 私の牧場体験記
- BSイーハトーヴォ物語
- エキサイトバイク ぶんぶんマリオバトル
- BSファイアーエムブレム アカネイア戦記
- BS F-ZEROグランプリ
- BS F-ZEROグランプリⅡ
- BSシムシティー
関連イラスト
([ぼく/わたし]のイラストを募集中です。)
関連イベント
無し
関連タグ
ゼルダの伝説 スーパーマリオUSA ドラゴンクエスト 風来のシレン
ドラゴンクエスト 新・鬼ヶ島 F-ZERO ファミコン探偵倶楽部
エキサイトバイク シムシティ ファイアーエムブレム マーヴェラス
(アレンジ作品としてサウンドリンクゲームが作成された任天堂作品のタイトル)