こっくりさん
こっくりさん
概要
民間で行われる占いの一種。「こっくり」と呼ばれる憑依霊を呼びだし、特殊な方法によってその神託を得るというもの。
こっくりは通常キツネのような動物霊といわれ『狐狗狸(こっくり)』とも書かれるが、これは当て字で、起源は定かでない。
(が、後に示す個人ページによると、三脚の台を倒す形式の降霊術を、ものを倒す擬音の「こくり」と呼び始めたことからではという説あり)
江戸時代中期ごろにキツネの神霊にうかがいをたてることが大都市域の民衆のあいだに広まったといわれている。明治期以降は海外の交霊術とも習合し現在の形式が確立した。紛失物の捜索、取引の当否から私的な相談ごとに至るまで、霊への質問内容はさまざまである。
方法
その紙の上に十円玉を置いて、参加者全員がその十円玉の上に人差し指をのせる。
そして「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」と唱えると、やがて勝手に十円玉が動き、こっくりさんが何でも質問に答えてくれる(といわれている)。
ただし、途中で十円玉から手を離してしまったり、こっくりさんを怒らせてしまったり、最後に「こっくりさん、ありがとうございました。お離れください」と言うのを忘れると、こっくりさんは帰ってくれず、参加者は霊に取り憑かれてしまうという。
また、一人でこっくりさんを行った場合には、人格が豹変してしまい、自殺を図ったり人を殺そうとしたりすることがあるという。
ならば集団でやればいいのか?と言うと、必ずしもそうとも言い難い。1989年11月、福岡県中間市中間中学校において、中学生が集団で放心状態になった事件が実際に発生している。
類似する交霊術
愛の女神様
こっくりさんに似た交霊術で呼び出されるものだが、何のために呼び出されるのか、具体的にどのような方法で呼び出すのかなどは不明。
その名前から愛を司る女神であることは想像できるがそれ以外のことは全てが謎に包まれている。
エンジェルさま
エンジェルさまを呼び出すには、五十音、数字、はい、いいえ、入口、出口、食べ物の絵を紙に描き、二人で向かい合って一本の筆記用具を握って呼び出せば良い。紙に描いた食べ物の絵はエンジェルさまが帰る時に食べるものである。
エンゼルさま
エンジェルさまの表記揺れ。
エンゼルさまを呼び出すには、青いペンを使用する方法と十円玉を使用する方法の二種類が存在する。
青いペンを使用する方法の場合、白い紙の中央に羽を生やしたハートマーク、そのハートマークの中にAngel、その左右にYesとNoを書き、青いペンを持って「エンゼルさま、エンゼルさま、どうぞおいでください。いらっしゃいましたら、輪を描いてお答えください」と唱えれば良い。この方法でエンゼルさまに質問するとYesかNoの二択で答えてくれる。
十円玉を使用する方法の場合、紙の中央にハートマーク、上部にアルファベット、左右にYesとNo、下部に1から10の数字を書いて呼び出せば良い。この方法でエンゼルさまに質問すると十円玉が動いて答えてくれる。
お知らせさま
恋愛関係の質問をするために呼び出されるもの。
お知らせさまを呼び出すには、紙に描いた大きなハートの中にYES、NO、カタカナの五十音を書き、参加者たちが一本の鉛筆を握った状態で呪文を唱えれば良い。
キューピットさん
キューピッドさんとも。
白い紙にひらがなの五十音、0から9までの数字、ハートを描き、部屋の窓を開け、十円玉を紙の上に置き、十円玉の上に指を乗せてキューピットさんを呼び出せば十円玉が動いて質問に答えてくれる。
キューピットさんの交霊術で呼び出されるのは決してローマ神話の恋の神キューピッドではなく、いじめが原因で自ら命を絶った女子生徒の霊だったり術者の一人がかつて死なせてしまった小鳥の霊だったりする。
キラキラガールさま
学校の怪談として伝わるもの。
こっくりさんに似た交霊術で呼び出されるものだが、何のために呼び出されるのか、具体的にどのような方法で呼び出すのかなどは不明。
その名前からキラキラした少女であることは想像できるがそれ以外のことは全てが謎に包まれている。
グリーン様
中部地方から関東地方に伝わっていた交霊術。
友情や人間関係の発展方法を教えてもらうために呼び出されるものだというが、具体的にどのような方法で呼び出すのかは不明。
守護霊さま
ひらがなを書いた紙の上で複数人でペンを支えながら行われる交霊術。
途中でペンを放して守護霊さまの機嫌を損ねると恐ろしい怪奇現象に見舞われる。
たかこさん
学校の怪談として伝わる交霊術であり、これを行うと呪われてしまうことがある。
こっくりさんに似た交霊術で呼び出されるものだが、何のために呼び出されるのか、具体的にどのような方法で呼び出すのかなどは不明。
ダニエルさま
地球外知的生命体と接触するための交信法。
呼び出す相手は選べないが、呼び出した相手のことは必ずダニエルさまと呼ぶ。
ダニエルさまを呼び出すには、画用紙にアルファベット、YES、NO、数字、そしてUFOの絵を描き、画用紙の上に十円玉を置き、十円玉の上に指を乗せ、目を閉じて「ダニエルさま、お答えくださいませ」と繰り返せば良い。
ダニエルさまが呼び出され、十円玉が円を描くように動き出したら「ダニエルさま、私の声が聞こえますか」と聞き、十円玉がYESの位置に移動する。
ダニエルさまと接触したら質問する前にまず、相手が地球侵略を目論むような悪人だったりしないかを確かめなければならない。
そこで「ダニエルさまにお伺いいたします。あなたはどちらの星からおいでになられましたか」と聞くと十円玉がアルファベットを移動することで星の名を答えてくれる。
そして牡牛座や蟹星雲やアルデバラン星と答えた場合、その相手は地球侵略を目論んでいるため直ちに占いを中止しなければならない。
そうでないことが確認できれば、ようやく質問ができる。ダニエルさまに質問する時は「ダニエルさまにお尋ねします」と唱えてからでなければならない。
ダニエルさまに帰ってもらう時は「ダニエルさま、いろいろと教えて下さってありがとうございました。また私の問いかけにお答えくださいませ」と唱えれば、十円玉がYESの位置に移動して止まりダニエルさまは帰って行く。
トックリさん
占いのために呼び出されるもの。
五十音と数字を紙に書き、紙の上に十円玉を置き、十円玉の上に指を乗せて呼び出すといい、十円玉の動きによって占いをする。
ファラオさま
関東地方の少年たちの間で流行っていた交霊術。
遠い遠いエジプトから呼び出されるファラオの霊であり、ファラオさまは知識や直感を与えてくれる神とされるが、必ずしも良いファラオさまが降臨するとは限らない。
ファラオさまを呼び出すには、画用紙に五十音、アルファベット、数字、はい、いいえ、そして中央にピラミッドの絵を描き、そのピラミッドの絵の上に十円玉を乗せ「エジプトのファラオさま、私の元へおいで下さい」と唱えれば良い。
ファラオさまが降臨したら「あなたはどちらの、何というファラオさまですか」と聞いて悪霊だったりしないかを確かめなければならない。
ファラオさまに質問すると十円玉が動いて答えてくれるが、質問する時は「ファラオさまにお伺いします」と唱えてからでなければならない。
ファラオさまに帰ってもらう時は「ファラオさま、いろいろとお答えくださってありがとうございました。どうぞお戻りください」と唱えれば、はいと書いた位置に十円玉が動きファラオさまが帰って十円玉は動かなくなる。
その後、画用紙は焼却して十円玉は早めに使用しなければならない。
分身様
好きな相手の分身であり、その相手の気持ちを知るために呼び出されるもの。
分身様を呼び出すにはYESとNOを書いた紙や赤色のボールペンを使用し「◯◯さんの分身様、来てください」と唱えれば良いらしい。
だが、これを行うと恐ろしい怪奇現象に見舞われることがある。
星の王子さま
関東地方を中心に広まった交霊術。
五十音、出入り口、星マークを書いた紙と鉛筆を用意して行う儀式で呼び出すことができ、質問すると鉛筆で文字を指すことで答えてくれる。
星の王子さまに帰ってもらう時は「星の国へ帰ってください」と唱えれば良い。
使用後の紙は小さく破ってから処理しないと、星の王子さまだった人が三日後に化けて家まで来るとされる。
ホワイト様
北関東から東北地方の中高生の間で伝わっていた交霊術。
困難から逃れる方法を教えてもらうために呼び出されるものだというが、具体的にどのような方法で呼び出すのかは不明。
ラブさま
ラブさんとも。
ハートマークと五十音を書いた紙を使って呼び出すが、この交霊術のやり方を間違えてしまった場合は自然に傷ができるとされる。
こっくりさんに似た交霊術で呼び出されるものだが、何のために呼び出されるのか、具体的にどのような方法で呼び出すのかなどは不明。
霊魂さん
動物霊ではなく人間の霊を呼び出すための交霊術。
五十音、鳥居、0から9までの数字、はい、いいえを紙に書き、五円玉か十円玉を用意し「霊魂さん、霊魂さん、◯◯さんの霊を呼んで下さい」と唱えるとその者の霊を呼び出すことができる。
レモンちゃん
占いのために呼び出されるもの。
レモンちゃんを呼び出すには、紙の上にレモン、家、池、五十音を書き「レモンちゃん、レモンちゃん、おいでください」と唱えれば良い。
分身娑婆/ブンシンサバ/Bunshinsaba
プンシンサバとも。
韓国に伝わる交霊術。韓国語では분신사바と表記する。
一本の筆記用具を向かい合った二人で握り、白い紙の上に◯と✕の記号や数字やハングルなどを書き、そして「ブンシンサバ・ブンシンサバ・オディッセイ・グラッセイ」と唱えると筆記用具が動き出して答えてくれる。
碟仙/ディエシェン/Diexian
ティエシェンとも。
香港・中国・台湾に伝わる交霊術。小皿の裏に一つの矢印を書き、中央に円を書いてその周りに数字や文字を書いた黄色い紙(もしくは新聞紙)の上に裏向きの小皿を置き、小皿に指を乗せて霊に質問する。すると、小皿の矢印が示した箇所もしくは小皿の辿った文字でその答えを示してくれる。
1930年代の香港でこの交霊術を行うための科學靈乩圖(コーシュエリンチートゥー)という商品が販売され広東省の沿岸地域で流行った。そして1934年に科學靈乩圖は上海で販売され、やがて中国大陸に広まった。
ピー・トゥアイ・ゲーオ/Phi Thuai Khaeo
ピー・トゥアイゲーウとも。
タイに伝わる交霊術であり、ガラスのグラスの霊という意味。タイ語ではผีถ้วยแก้วと表記する。
四人の参加者(お守りをつけている者や飲酒してから二時間経過していない者は参加してはならない)から一人の代表者を決め、様々なタイ文字が書かれた紙を用意し、ガラスのグラスの中に線香の煙を充満させ、煙が逃げようにグラスを逆さまにしたまま紙の上に書かれた休憩所(ที่พัก)という場所にグラスを移動させ、参加者四人がグラスの上に指を置き、四人が順番に「プッ」「トー」「ター」「ヤ」と唱える。それを三周繰り返すとグラスが動き出し、最初に決めた代表者が質問すると呼び出された霊がそれに答えてくれる。この儀式を終了する時は休憩所に戻るよう霊に頼み、グラスが動いて休憩所に戻ったら手を離すという手順だが、休憩所に戻る前に指を離してはならない。
チャーリーゲーム/Charlie Charlie Challenge
メキシコの悪魔チャーリーを呼び出すための交霊術。
チャーリーを呼び出すには、白い紙の対角線上にYesとNoをそれぞれ二つ書き、二本の鉛筆を重ねて十字に置いてから「チャーリーさん、そこにいるの?」と唱えば鉛筆が回転してYesを指す。
そしてチャーリーに質問してYesかNoの二択で答えてもらった後、チャーリーに帰ってもらう時は「チャーリーさん、やめてもいいですか?」と唱ると、鉛筆がYesを指してチャーリーは帰って行く。
それで、チャーリーが帰ってくれない場合は「チャーリーさん、あっちへ行って!」と叫んで紙を破れば良く、そうしなかった場合はチャーリーに取り憑かれることになる。