アレクサンダ
あれくさんだ
概要
E.U.が日本人部隊「wZERO」専用の特殊作戦機として作った新型のナイトメアフレーム。
レイラ・マルカルの依頼により、その友人であるアンナ・クレマンが中心になって開発された。
最大の特徴は人型の「ファイターモード」から四足歩行形態「インセクトモード」への変形機構を備えていること。
蜘蛛のように地面を這う姿勢から飛び跳ねたり、壁に張り付いたり、人型に変形して奇襲したりと変幻自在の動きによって高い機動性を持つ。
この変形機構は、本機を戦場まで運搬する超長距離弾道輸送機(要するにロケット)「アポロンの馬車」へ格納させるのが第一目的である。
ちなみに虫がモチーフなのは、開発主任であるアンナの趣味が反映された結果である。
BRS(ブレインレイドシステム)
その高過ぎる機動力ゆえに通常の操縦方法では本領を発揮出来ず、パイロットに特殊なチップ『ニューロデバイス』を体内に埋め込むことで、その脳波を数値化し機体を手足のように直感的に動かすことができるシステム。
ソフィ・ランドルとその夫が提唱した理論を元に、各機のパイロットの脳波をリンクさせ、正確に戦場を把握することも可能としており、この状態は「ブレインレイド状態」と呼称される。なお、ブレインレイドの起動中は放熱のために口の部分が開くため、鬼のような形相になる。
ただし、まだ試作段階の技術なので、パイロット同士の相性が良くないと機能しない。
アキト達4人は、互いに血縁関係が無いにもかかわらず高い適正値を出しており、第2章ではアキトにかけられたギアスによる影響を伝播させた。
武装
WAW-04 30mmリニアアサルトライフル「ジャッジメント」
KMF用の手持ち式射撃兵装。連射可能でセミオート、3点バーストでも使用できる。マガジンの装弾数は300発。任意で弾種を変更可能。
コックピットブロック横のサブアームにマウントでき、インセクトモード時はサブアームから射撃する。
対KMF戦闘用トンファー
手持ち式のトンファーで、両前腕部に折り畳まれて懸下されており、使用時は展開したグリップをマニュピレーターで直接保持する格闘用兵装。先端にスパイクが仕込んであり、杭や鎌のように90°折り曲げて打撃と同時に突き刺すことも可能。
ウルナエッジ
両前腕のシャフトに仕込まれた近接格闘兵装で、使用時は手首がスライドし、刀身がポップアップするナイフ。KMFの正面装甲のみならず、コックピットをも貫通させる程の切れ味を誇る。
フライトユニット
空挺作戦用の滑空装備で、ロケット《アポロンの馬車》から分離した輸送カプセルが大気圏へ再突入した後、作戦地域までの空中移動に使用される。
折り畳み式のグライダーに過ぎないため、ブリタニアで開発された「フロートシステム」や「超電磁モーター」のように自力飛行はできない。
バリエーション
Type-01
第1章から登場。カラーリングは白。
日向アキトを含むイレヴン20名に配備された初期機だが、初陣であるナルヴァ作戦の際に当時の指令官であるアノウ中佐の指示により全機に爆装ユニットが着けられてしまい、レイラが解除命令を出すまで生き延びたアキト以外は全員戦死している。
なお、この件は「E.U.に新型機を使い捨てる余裕がある」という訳ではなく、功を焦ったアノウ指令官の独断によるものである。
生還したアキトはその後も改良型ではなくこの機体に乗り続けているため、実質彼の専用機となっている。
Type-02
第2章で登場。カラーリングは白を中心に青が混じったツートーンカラー。
生還したアキト機のType-01からのフィードバックを受けて、OSを新構築し外装も再検討された簡易量産機。
それぞれ各自専用機としてチューンナップされているため、頭部の形や装備が異なる。
- レイラ機
- 指揮官機としてアレクサンダ・ドローンを制御する『強化電子兵装ESR』を搭載。戦闘指揮とドローン操作のため、本機のみBRSがない。
- 最終章ではオスカー・ハメルがBRSを搭載して乗り込んだ。
- リョウ機
- 専用武装として一斉射による瞬間最大火力と攻撃範囲に優れるミサイルポッド『WAW-06 6連装 NbW12 』とタングステン鋼製の刃を持つ『対KMF戦闘用可変アックス』を装備。
- ユキヤ機
- 専用武装としてジャッジメントとは異なる電磁加速砲『レールガン』を装備。単体でも使用できる(手持ちは不明)が、ジャッジメントの銃口に連結することで長距離狙撃ライフルとなる。さらに、両前腕にはスラッシュハーケンが追加搭載されている。
- アヤノ機
- 専用武装としてタングステン鋼を用いて鍛え上げられた厚みのある刀身を持つ対KMF戦闘用ソード「ビーショップ・ロングレイ」を装備。
ドローン
第2章で登場。カラーリングは赤茶。
AI操作により動く無人機で、γ作戦で15機、ヴァイスボルフ城攻防戦で10機が投入されている。
ただし、AIの性能はそれほど精巧ではない為、親機であるレイラ機や司令部からの命令を必要とする。
それでも対人格闘は困難なので、主に移動砲台の役割を担っている。
ドローン(MPM)
最終章で登場。カラーリングは白。MPMは「Mass Production Model」の略。
Type-2をベースとするドローンのパーツを用いて、急遽組み立てられた有人KMF。頭部はドローン用だが、センサーやコックピットの表示に問題はない模様。
アレクサンダ共通のコックピットだが、BRSには非対応。
ヴァイスボルフ城攻防戦前に数機が機が急造され、オスカー・ハメル率いるハメル隊が搭乗している。
成瀬ユキヤも回収されたヴァリアントのコックピットを搭載した本機を予備機として搭乗。こちらはヴァリアントと同様のダークブルーのカラーリング。
ヴァリアント
第3章から登場。主なカラーリングはダークブルー。
Type-02からのフィードバックを受けて、より実戦向きに改良した機体。
専用装備にも改良が施され、バージョンアップしている。
リベルテ
最終章で登場。日向アキトがこれまで乗っていたType-01を強化・改修した機体。
アシュレイが提供したアフラマズダのデータにより作成した「シュロッター鋼」製のアーマーで全身を覆っている。(機体各部には元になったアフラマズダの意匠が散見できる。)一方でフルアーマー化によって可変機構は使用不能になっている。
武装も一転して日本刀状の大型ブレード、左腕にはブレイズルミナスを展開できるシールドを装備している。
レッドオーガ
最終章で登場。カラーリングはダークレッド。
元々は日向アキト用に開発されていたのだが、成り行きでwZERO部隊に加わったアシュレイ・アシュラが搭乗する。
これまでの機体の戦闘データを元にフレームを一から再設計し、ヴァリアントから更なるバージョンアップが図られている。
KMFの基本装備に加え、アシュレイの戦闘スタイルに合わせて2本の中型ブレードやナイフ、2丁のジャッジメントMk2を装備し、それらを十全に扱うために腰部にサブアームが増設されている。(インセクトモード時にはサブアームも脚部として機能し、機体意匠も相まってかなり異形寄りになる。)
フローレンス
『コードギアス双貌のオズ』SIDE:オルフェウスで登場。
ブリタニア軍が鹵獲したアレクサンダ ・ドローンを有人機として改造したもので、パイロットはナイトオブトゥエルブ・モニカ・クルシェフスキー。
MVSやハドロンブラスターといったブリタニアの最新兵装を追加する事で、格納性を捨てて攻撃面に特化して強化している。
また、「インセクトモード」への変形機構も健在で、前足は両手ではなく腰部分に追加されたスラッシュハーケンが担うため、両手のMVSと相まってカマキリの様な姿になる。
フロートシステムも装備することが可能とのことだが、どのような形でどう取り付けるのかは謎。
荒草鳴砂(あれくさなりすな)
『コードギアス双貌のオズO2』SIDE:ライアーに登場。
故あって外部に流出したアレクサンダの試作機をラクシャータ・チャウラーが改造したもので、パイロットは日本人のテロリスト・月山玄信。
機体の入手時、腕部をはじめとしたパーツが欠落していたため、日本製KMF用のパーツや月山の月下鳴砂の腕と武装(回転刃刀とバズーカ)を移植する形で完成にこぎつけた。
結果、アレクサンダの持ち味である機動性をやや損ねる形になったものの、パワー面は向上した。
イッソス
『コードギアス復活のルルーシュ』に登場。
アレクサンダ系の機体を改造したと思われ、インセクトモードで登場。四本脚で全てホイールに交換され、頭部も独自のパーツである。
武装は肩にキャノンを装備している。
関連タグ
日向アキト レイラ・マルカル 佐山リョウ 成瀬ユキヤ 香坂アヤノ アシュレイ・アシュラ
XM2レギンレイヴ:高機動戦闘に特化した設計思想と、それに搭乗するパイロットの狂気的な戦い様とその影響による劇中での戦闘スタイルが機体・パイロット共に非常に酷似しており、機体色が白いことや四脚であることから特にアレクサンダのインセクトモードでの戦闘シーンはよく似ている。(但し、アレクサンダの場合はワイヤーアンカーにあたるスラッシュハリケーンがユキヤ機を除いて搭載されていない。)
また、緊急脱出装置が搭載されていない点も共通しているが、こちらの場合はBRSといった脳波制御機構はない。(但し、その代わりに知覚同調(パラレイド)と呼ばれる集合無意識を利用した通信機能をパイロットが使用しており、それには疑似神経結晶と呼ばれる物をニューロデバイス同様インプラントする必要があるのだが、その対象が人として扱われないことから麻酔や消毒をろくに行わないうえ施術自体がかなり乱暴且つ雑な為、脊髄を損傷して身体機能に障害が残って廃棄されたり、成功したとしても傷が中々治らないことが珍しくない。)