概要
この後「強きをけなし弱きをわらう勝者のアラさがしで庶民の嫉妬心をやわらげ、敗者の弱点をついて大衆にささやかな優越感を与える。これが日本人の快感原則にいちばん合うんだな。」と続く。
これを聞いた部下の黒崎の「卑しい国民だ」に対しては「だから革命家も独裁者も出現しないんだよ。いい国じゃないかまったく。」と答えている。
一見すると「日本人の性質をついた鋭い一言」のようにも見えるが、日本人すべてが週刊誌好きな訳ではないし、ゴシップ嗜好やそれが引き起こす問題はあちこちの国で起き、革命家や独裁者の出現とも関連性や因果関係が適当で…と、要はそれらしく飾った詭弁に過ぎない。
醜悪なデマカセをヘラヘラ笑いながら垂れる内海と、それを疑うことすらしないイエスマンの黒崎が大衆より利口な気になっているという、「子供のような犯罪者」内海一味の薄っぺらさと幼稚さが浮き彫りになるワンシーンでもある。