概要
7.62mm×51 NATO弾を使用する軽機関銃で、ベルト給弾方式を採用。ガス利用ピストン後退式による射撃を行う。有効射程はおよそ800メートル。重量10.7Kg。バリエーションとして、74式車載機関銃がある。
戦後の日本が本格的に開発した初の機関銃であり、傑作と名高い九九式軽機関銃の実質的な後継機関銃として開発された。そのため、本来は面制圧火器でありながらも、高い命中率を誇る機関銃であり、専用のスコープを取り付けることで狙撃もある程度可能。キャリングハンドルと一体化した銃身はわずか数秒で交換が可能で整備性にもすぐれた一品である。
その実態は・・・
と、ここまで聞けばなんだかすごい銃に聞こえるが、それは機嫌のいい個体に限るのであった。
実際のところは、10.7Kgもの重量で持ち運びには苦労、肝心の命中精度もフルオート時にはすこぶる悪く、銃身が曲がりやすく(銃本体の規模に比べて細い)、機関部も数百発撃てればいいほう。ひどいときには一発撃って弾詰まりということも珍しくなく、部品も脱落しやすく、その部品も数が多く整備に手間が掛かり、引き金を戻しても発砲が止まらないといった欠陥を多く抱えていた機関銃であった。
あまりの信頼性の低さから、本銃は隊員たちから「62式言うこと聞かん銃」「ないほうがマシンガン」「62式単発機関銃」などの蔑称がつけられたほどである。
この欠陥は、調達開始してから終了するまでの30年間、改善されることはなかった。
なぜ改良されなかったのかというと、改良案を出すと自衛隊のラスボスである大蔵省(現:財務省)から「高い金で欠陥品を作ったのか」とケチをつけられ、自衛隊全体の予算を減らされる可能性があったという見方が強い。(日本の銃は本当に値段が高い!)当時はまだ自衛隊に対しての世間の風当たりは強かったため、なにをきっかけで予算を減らされるか分からない状況だったためになにが何でも使い倒さなくてはならなかった。現在ではそういった体質は改善された・・・と思いたい。
なお、現在はほとんどがMINIMIに更新されているが、一部の部隊ではまだ運用している。
ちなみに
派生型である74式車載機関銃は、ピストルグリップではなくブローニングM2重機関銃のような押しレバー式の引き金を持つ機関銃である。本銃の不具合を徹底的に改良したのか堅牢なつくりをしており、特に目だった不具合はない。現在でもバリバリ現役であり、車両搭載のほかに、ヘリコプターのドアガンとしても活躍している。